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カスタマーハラスメント(カスハラ)とは? 意味や具体例、対応策を解説

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは? 意味や具体例、対応策を解説
  • 「カスタマーハラスメント(カスハラ)という言葉をよく聞くがどういう意味?」
  • 「クレームとカスハラの判断基準がわからない」
  • 「企業でカスハラ対策を進めたいが、何から手を付けていいかわからない…」
 
このような疑問やお悩みをお持ちの方のために、今回はカスタマーハラスメント(カスハラ)について紹介します。
カスタマーハラスメント(カスハラ)の意味や判断基準、具体例、企業での対応策などについて簡単に解説していきます。
カスタマーハラスメント(カスハラ)対策を進めたい担当者の方、カスハラについて詳しく知りたい方はぜひご覧ください!


カスタマーハラスメント(カスハラ)とは

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは
カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、顧客や取引先などからのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容が妥当性を欠いているもの、また当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当であり、それらによって従業員の就業環境が害されるものを指します。
 
カスハラが増えた背景には、SNSの普及が要因のひとつであると考えられています。SNSを通じて、顧客側が企業を簡単に批評できるようになりました。顧客から企業への言葉がはっきりと目に見えるようになったことで、企業側が批判に屈してしまう構図が生まれやすくなってしまったのです。
また、従業員や企業に対し「SNSで悪い噂を流す」と脅迫するような人が増加したとも考えられます。
 
なお、SNSについて詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。

カスハラとクレームの違い

カスハラとクレームの境界線は曖昧ですが、「言動の根底にある悪意」によって区別されます。
クレームは、「商品をもっとよくしてほしい、企業としてこのようなサービスを提供してほしい」のように、商品やサービスがよりよいものになるような要望善意による言葉を頂戴するケースが多いです。
 
一方カスハラは、商品やサービスの質向上など関係なく、悪意を持って企業や従業員に悪質な態度をとります。クレームが価値向上を目的にしているのに対し、カスハラは従業員を罵倒する、不当な要求をする、企業の悪評を流布するなど企業や従業員への嫌がらせ行為を目的としています。

またカスタマーハラスメント以外にも職場におけるハラスメントは多数あります。
その他のハラスメントについて詳しく知りたい方は、以下参考ページをご覧ください。

企業がカスハラを放置するリスク

企業がカスハラを放置するリスク
カスハラが企業にとって良くないことはわかりましたが、企業側がカスハラを放置するとどのようなリスクがあるのでしょうか?
ここでは企業がカスハラを放置するリスクを説明します。

悪評の流布と顧客離れ

SNSなどで企業への事実無根な悪評を書き込まれたり、迷惑行為の動画を拡散されたりすると、企業の評判が下がってしまいます。企業とは何も悪いことをしていないのに、カスハラが原因で顧客が離れてしまい、業績の悪化にもつながります。

生産性の低下

カスハラがあった場合には、担当者や場合によって上司などが対応に当たらなければなりません。カスハラのせいで時間を浪費してしまい、本来の業務に充てるべき時間が削られてしまいます。
また、カスハラによってダメージを受けた従業員は、心身に悪影響を受け、生産性が低下してしまうことも考えられます。
 
※従業員の生産性に関連して、健康経営や心理的安全性などの概念が近年注目されています。詳しくは以下のページをご覧ください。

離職者や休職者の増加

カスハラの対応で頻繁に罵詈雑言を浴びせられたり、暴力を受けたりすると、従業員の心身は疲弊してしまいます。その状況が長く続くと従業員は精神疾患を発症し、離職・休職に追い込まれることもあります。
またカスハラを受けた本人だけではなく、カスハラを目にした他の従業員にも悪影響を与え、離職につながりかねません。

従業員への安全配慮義務に違反するリスクがある

企業には、労働契約法第5条により、「使用者(企業)が従業員の安全に配慮する義務」があります。企業がカスハラを放置してしまうと、「従業員の安全を守らなかった」として、安全配慮義務に違反し、ハラスメントを受けた被害者から損害賠償を請求されるケースもあります。

カスハラの判断基準と具体例

カスハラの判断基準と具体例
カスハラには大きな判断基準が2つあります。ここではその判断基準とそれぞれの具体例を紹介します。

顧客等の要求の内容が妥当性を欠く場合

顧客等の要求の内容が明らかに妥当性を欠いていると、カスハラになります。
企業の提供する商品・サービスに過失が認められない場合や、要求の内容が企業の提供する商品・サービスの内容とは関係がない場合などが該当します。
 
【具体例】
  • 返品交換不可で了承を得た商品に、全く問題がないにもかかわらず交換を要求する
  • 他店で買った商品についての不平不満を、関係のない店の従業員に言う

要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な言動

要求を実現する為の手段・態様が社会通念上不相当な言動
顧客等が要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な言動の場合、カスハラに該当します。
 
【具体例】
  • 身体的な攻撃(暴力)
  • 精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言 など)
  • 威圧的な言動
  • 土下座の要求
  • 継続的、執拗的な言動
  • 拘束的な行動(不退去、居座り、監禁 など)
  • 差別的な言動
  • 性的な言動
  • 従業員個人への攻撃、要求 など
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職場におけるカスハラの対応策

ここまでカスハラがいかに悪質で、企業に多大なリスクをもたらすかを説明してきました。
最後に職場におけるカスハラの対応策について紹介します。

カスハラに対する社内方針の明示

カスハラはいつどのような企業で発生するかわかりません。サービス業に限らず、どの業種、企業でもカスハラに対する社内方針を立て、従業員が見える場所に明示しましょう。

カスハラが発生したときの対応マニュアルの作成

カスハラが発生したときの対応マニュアルの作成
社内方針の明示とともに、カスハラが発生したときの対応マニュアルを作成しましょう。マニュアル内で対応時のフローを作成しておくと、発生した際に従業員が対応しやすくなります。

事実確認を徹底する

カスハラと思われる状況が発生した場合は、現在どのような状況か、企業側に実際に不手際や商品の不具合があったのかなどの事実確認を、従業員と顧客の両方から徹底して行いましょう。

ここで重要なのは片方ではなく必ず両方の言い分、第三者から見ての状況を確認することです。企業が悪い場合は謝罪しなければなりませんし、顧客の様子がおかしい時はカスハラを疑う必要があるからです。

社内に相談窓口を設置する

社内に相談窓口を設置する
カスハラ対応マニュアルの作成に伴い、社内相談窓口を設置しましょう。この相談窓口はカスハラだけではなく、その他すべてのハラスメント対策においても必要です。なるべく対応窓口を一元化し、それぞれ担当者を決めておくといいでしょう。

従業員へのカスハラについての知識研修

従業員に対し、カスハラの知識を研修などで身につけさせましょう。事前にどのような行為がカスハラにあたるのか知っておくだけで、従業員がカスハラかクレームかの判別ができたり、すぐに窓口に相談したりできます。

社内で解決できない場合は、弁護士や警備会社・警察などの外部機関に相談する

社内で解決できない場合は、弁護士や警備会社・警察などの外部機関に相談する
カスハラが度を越し、社内でどうにもできない場合は、警察や弁護士・警備会社などの外部機関に相談しましょう。従業員への脅迫などは法的な処置が有効です。

カスハラを受けたときになるべく証拠(防犯カメラの映像や会話の録音など)を残すと、外部機関に相談するときに役立ちます。

また、カスハラだと疑われる場合、顧客に対しあらかじめ会話等を記録する旨を伝えると、カスハラの抑止力になる可能性もあります。

カスハラは非常に悪質な行為であり、企業にはカスハラから従業員を守る義務があります!

カスハラは非常に悪質な行為であり、従業員の安全を脅かすものです。企業や従業員を守るためにも、早めに対応策を考え実施しましょう。

また、ハラスメント対策は健康経営を実現するうえでも役立ちます。健康経営について詳しく知りたい方は、以下参考ページをご覧ください。
参考ページ:健康経営とは? 意味とメリット、やり方・取り組み例を初心者向けに解説

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