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復職・両立支援とは?内容や企業で行うべき取り組みを徹底解説

復職・両立支援とは?内容や企業で行うべき取り組みを徹底解説
  • 「復職支援と両立支援ってそれぞれどういう意味?」
  • 「企業で復職・両立支援を行っていきたいが何からしたらよいかわからない」
  • 「復職・両立支援は健康経営優良法人認定とどのような関係があるの?」
 
このようなお悩みをもつ方々のために、今回は「復職支援・両立支援」についてご説明します。
復職支援・両立支援とはそもそも何なのか、企業内でできる取り組み事例や健康経営優良法人認定との関係などについて簡単に紹介します。
 
※本記事では、メンタルヘルス不調者への復職・両立支援についての内容は割愛しています。メンタルヘルス不調者への対応については、下記参考ページをご覧ください。
 


復職支援とは

復職支援とは
復職支援とは、傷病による休職もしくは産前産後休業・育児休業・介護休業などを取得し、長期間職場を離れていた労働者に対し、円滑な職場復帰や再適応を支援するものです。
 
厚生労働省が発表している「令和4年労働安全衛生調査(事業所調査)」によると、令和3年11月1日から令和4年10月31日までの期間に「連続1か月以上休業した従業員がいる事業所の割合」は10.6%でした。令和3年の調査では8.8%だったため、休職者の割合が増えているとわかります。
 
このように全国的に休業者が増えていますから、企業も復職支援に力を入れる必要があります。

復職支援のメリット

復職支援を行うことで、企業にも従業員にもさまざまなメリットがあります。

1.社会的責任の遂行による企業の信頼性向上

復職支援は企業が社会的責任を果たす手段の1つです。
社会に貢献する取り組みを行うことで、企業の信頼性や評判の向上につながります。

2.従業員のモチベーション向上

2.従業員のモチベーション向上
復職支援を行っていると周知することで、従業員が安心して働ける環境が整います。それにより従業員のモチベーションが向上し、生産性や業績の向上につながる可能性があります。

3.人材の獲得と定着

「復職支援を行っている企業」とアピールすれば、優秀な人材を獲得しやすくなります。
また、復職支援を通じて従業員の定着率が上がり、人材流出の防止が期待できます。

両立支援とは

両立支援とは
両立支援とは、病気を抱えながらも働く意欲・能力のある従業員が、仕事を理由として治療機会を逃すことなく、また治療の必要性を理由として職業生活の継続を妨げられることなく、適切な治療を受けながら働き続けられる社会を目指す取り組みです。
 
治療と仕事の両立支援は、従業員の健康状態を考慮しながら、生産性や業績を維持するために重要です。従業員が健康で働きやすい環境を整えることで、組織全体のパフォーマンスが向上する可能性もあります。

両立支援のメリット

治療と仕事の両立を目指すことは、従業員のみならず、事業者にとっても大きなメリットがあります。

1.従業員の健康の確保と継続的な人材の確保

両立支援を行うことにより、従業員は治療に関する配慮が行われ、治療を受けながら仕事を継続できますし、病気憎悪の防止や健康の確保につながります。
また、従業員が健康であれば、継続的な人材の確保も可能です。

2.従業員の安心感やモチベーションの向上による生産性の向上

しっかりと治療を受けながら働ける環境は従業員に対し安心感を与えます。
また「病気を抱えていても仕事ができる」という社会貢献の実感にもつながるでしょう。その結果、仕事のモチベーションも向上し、企業全体の生産性が高まると考えられます。

3.多様な人材の活用による組織や事業の活性化

3.多様な人材の活用による組織や事業の活性化
病気をもっているという理由で従業員を遠ざけることなく、両立支援をしながら多様な人材を活用していくことで、組織や事業の活性化も期待できます。

健康経営優良法人認定における“復職・両立支援”の項目

健康経営優良法人認定における“保健指導・特定保健指導”の項目
復職・両立支援の取り組みの項目については下記設問になります。ただし、メンタル不調に特化した取り組みは別途設問がありますので除外します。

Q. 私病等を持つ従業員の復職支援、仕事と治療の両立支援に向けて、どのような取り組みを行っていますか。(いくつでも)
◆メンタルヘルス不調に特化した取り組みは除きます。
◆病気の治療と仕事の両立支援について、厚生労働省では以下のサイトで情報提供を行っています。
◆不妊治療と仕事との両立に対する支援について、厚生労働省では以下のサイトで情報提供を行っています。
 
  • 産業医および主治医の意見の聴取等により復職に向けた支援体制・計画を整備している特定保健指導実施の支援を行う担当者を設置している
  • 休業期間中や復職後における相談窓口の設置や支援体制の構築を行っている
  • 休職からの復職を円滑にするために試行的・段階的な勤務制度を整備している
(例:短時間勤務、試し出勤制度、リハビリ勤務等)
  • 病気による休職に関する制度を整備している
  • 両立支援に関する相談体制や対応手順を整備し、内容を周知している
(例:社内窓口、保険の付帯サービス、地域の相談窓口等)
  • 本人の状況を踏まえた働き方(配置・勤務内容・勤務時間・勤務地等)を策定している
  • 治療に配慮した休暇制度や勤務制度を整備している
   (例:時間単位年次休暇、有給の病気休暇、通院時間の就業時間認定、時差出勤、在宅勤務等)
  • 復帰する部門の上司に対する、両立支援への理解を促すための教育・定期面談等を実施している
  • 団体保険等により治療費の補助や休業補償の支給を行っている(健保組合からの一時金は除く)
  • 仕事と治療の両立に向けた定期的な面談・助言を実施している
  • 不妊治療に対する支援(通院の際の有給の特別休暇付与等、性別を問わない支援)

企業で行うべき復職・両立支援の取り組み

最後に支援を円滑に進めるために、企業で行うべき取り組み事例を紹介します。

1.対象者に対し適切な情報提供を行う

まずは従業員が安心して休職・休業を取得できるよう、情報を提供し適切な支援を行うのが大切です。
  • 傷病手当金や育児休業給付金など経済的な保障
  • 不安や悩みを抱えた際の相談先の紹介
  • 公的または民間による復職支援サービスの紹介
  • 休職や休業を取得できる期間について など
 
休職・休業期間中に、会社から頻繁に連絡が来ると従業員の負担になるため、休職・休業に入る際にどれくらいの頻度で連絡を取り合うか決めておきましょう。その際は連絡手段についても、電話やメールなど従業員の負担になりにくいものを選ぶようにしてください。

また、上記以外でも休職・休業中の従業員が孤立しないよう、適度な頻度で連絡を取り合い、職場の状況などの情報提供をするのが重要です。

2.両立支援プラン・職場復帰支援プログラムを作成する

2.両立支援プラン・職場復帰支援プログラムを作成する
私病等をもつ従業員からの申し出があった場合は両立支援プランを、休職・休業中の従業員から復職の申し出があり、主治医からも復職可能と判断された場合は、職場復帰支援プログラムを作成しましょう。両立支援プラン/職場復帰支援プランとは、安全かつ円滑な復職・両立支援をするために具体的な計画を立てておくことです。たとえば、以下のような項目が挙げられます。
 
  • 職場復帰日
  • 管理監督者に求められる就業上の配慮(必要なサポートや業務内容・業務量の変更など)
  • 人事労務管理者に求められる具体的な対応(人事異動や配置転換の要否、勤務制度の変更など)
  • 治療の状況・今後の予定
  • フォローアップに関する事項
  • 従業員が自らの責任で行う事項(試し出勤制度利用の要否) など
 
厚生労働省からプランの作成例も提示されていますので、ぜひ参考にしてください。

3.相談窓口等の明確化

3.相談窓口等の明確化
復職・両立支援では従業員の体調に関してすぐに相談ができるよう、相談窓口を明確化しておくことも重要です。社内の相談窓口や、必要に応じて専門家に相談できる社外相談窓口を整備しておきましょう。

4.柔軟な勤務体制の整備

4.柔軟な勤務体制の整備
両立支援を受ける従業員には、定期的な通院等がありますし、復職する従業員がいきなり元の状態で働くのは困難であると考えられます。そこで企業として整備できるのが勤務体制です。従業員が治療に通いやすかったり、復職する従業員がステップを踏みながら復帰できたりするようフレックスタイム制やリモートワーク、短時間勤務等を取り入れるのもよいでしょう。

復職・両立支援は、従業員と企業を守る大切な支援

今回は復職支援と両立支援について紹介してきましたが、どちらも従業員の健康維持、また治療を受けながらも持続的に長く働いてもらうための大切な取り組みです。従業員への支援を企業が行うことで、結果的に企業の健康経営にもつながりますから、積極的に取り組んでいきましょう。
 
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