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意外と知られていない二次健診、活用しましょう

意外と知られていない二次健診とその活用について「二次健診とは?」「二次健診の給付対象者は?」「二次健診で受けられる内容は?」「給付手続きについて」といった内容で解説します。


<POINT>
  1. 二次健康診断の対象者を選定する。
  2. 対象者に二次健診のお知らせをする。 
  3. 給付手続きを行う。

二次健診とは?

二次健診とは、「二次健康診断等給付」という労災保険の一つで、過労死等の原因となる脳血管・心臓疾患の予防を図るために設けられた制度です。 

この健診、事業所負担・自己負担金、いずれもかかりません。労災保険として、検査・保健指導が負担なしで受けられる仕組みなのです。直近の定期健康診断の結果に基づき、二次健康診断と特定保健指導が「二次健康診断等給付」として現物支給されます。

二次健診の給付対象者は?

二次健診は、一次健康診断の結果において、以下の4つのすべての検査結果で異常があると診断された場合に受けることができます。

ただし、除外として「労災保険制度の特別加入している者」、「すでに脳血管疾患または心臓疾患の症状を有している者」、「定期健康診断から3か月以上経過している者」があります。

特に最後の項目にあるように一次健診から3か月以上経過してしまうと、除外対象となってしまうので、ご注意ください。 

  • 血圧:収縮期血圧 130mmHg 以上 または 拡張期血圧 85mmHg 以上 
  • 血中脂質:LDLコレステロール140mg/dl以上 または HDLコレステロール40mg/dl未満 または 中性脂肪 150mg/dL以上 
  • 血糖:空腹時血糖100mg/dl以上 または HbA1c 5.6%以上 
  • 肥満度:BMI 25以上 または 腹囲 男性 85㎝以上 女性 90㎝以上

上記4項目すべてに該当する場合は二次健診給付の対象者です。

しかし、4項目に「異常なし」であっても事業所の産業医が「異常所見をみとめる」と判断した場合は給付の対象になります。
この4項目の従業員全員の数値を、産業医一人で漏れが無いよう確認するのはなかなか大変な作業です。従業員の多い事業所ではなおさらのこと。 

そこで、一次健診を受けた方を対象に、上記4項目の自己チェックを兼ねた「二次健診のご案内」を配布するという方法もあります。 

自己チェックの結果、該当するもの、あるいは、4項目に異常がなくても、結果に不安がある方には産業医に申し出て頂き、対象者と判断した場合は二次健診の受診を促しましょう。

二次健診で受けられる内容は?

二次健診で受けられる検査は以下の項目です。 

  • 空腹時血中脂質 ・空腹時血糖値 
  • HbA1c*1 
  • 負荷心電図または心エコー検査 ・頸部エコー検査 ・微量アルブミン尿*2
*1 一次健康診断において行った場合は除く
*2 一次健康診断において尿蛋白が疑陽性または弱陽性の場合に限る さらに下記の特定保健指導を二次健診1回につき1回、受けることができます。 ・栄養指導 ・運動指導 ・生活指導

給付手続きについて

二次健診を受診するには、受ける人が「二次健康診断等給付請求書」を作成し、提出する必要があります。
請求書は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。(下記リンク参照) 

二次健診の受診を希望する従業員の方が「二次健康診断等給付請求書」に必要事項を記入し、事業主の証明を受けます。用紙の裏面に産業医が署名・押印する箇所があります。これは、一次健康診断の結果で上記の4項目に異常所見がなかった場合でも産業医が「異常所見をみとめる」と判断した場合に記入する欄になります。

一次健康診断の結果を証明できる書類とともに、請求書を健診給付病院等に提出することで、二次健診を自己負担なく受けることができます。請求書は、健診給付病院等を経由して所轄の都道府県労働局長に提出されます。

注意点として、二次健康診断等給付が請求できるのは、一次健康診断を受診した日から3ヶ月以内です。また、一年度内(4月1日より翌年の3月31日までの間)に一回しか受診できませんのでご注意ください。 

監修者情報

株式会社メディカルコンチェルト
産業医と企業を結ぶマッチングサービスを事業として展開。従業員をサポートする「オンライン産業医面談」や経営者をサポートする「嘱託産業医」など、多方面から“企業全体の健康”に寄り添うサービスを提供。
公式サイト:https://medical-concerto.com/
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