本文へ移動

メンタルヘルス不調で社員が休職・退職すると数百万円の損失が発生

メンタルヘルス不調で社員が休職・退職すると数百万円の損失が発生
  • 「職場のメンタルヘルス対策なんて、本当にお金や時間をかけてまでやる意味があるの?」
  • 「メンタルヘルス対策やパワハラ対策を推進したいけれど、その効果や必要性を他の社員に伝えるのが難しい…」
  • 「メンタルヘルスケアツールやサービスの導入で社内決裁を取る際、稟議書に何を書けばいいのかわからない…」

こんな疑問・お悩みはありませんか? 最近、企業でのメンタルヘルス対策の重要性が注目されていますが、その効果に懐疑的な方や、社内で必要性を周知させるのに苦戦している方も多いと思います。 

ですが社員のメンタルヘルス不調を放置して休職・退職を招いてしまうと、企業には数百万円もの金銭的損失が発生してしまい、法的なリスクも上昇してしまうのです。 

今回は社員や職場のメンタルヘルス不調を放置した場合のデメリットを詳しく解説します。

日本の労働者の50%以上が「仕事で強い不安やストレスを感じることがある」と回答

昨今、メンタルヘルス対策が重要視されている背景には、日本企業の多くの労働者が日々強いストレスを感じている現状があります。 

2020年(令和2年)の厚生労働省の調査では、「現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安やストレスとなっていると感じる事柄がある」と回答した労働者は54.2%にものぼっています。 


つまり、日本の労働者の過半数は強いストレスを仕事や職場で感じているという計算になります。

職場のメンタルヘルス対策の必要性

以上のデータを裏付けるように、近年になって労働者が職場で激しいストレスを受けてメンタルの健康を崩すケースが多発しています。

2020年(令和2年)に厚生労働省が発表した調査によれば、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した労働者または退職した労働者がいた事業所の割合は9.2%にものぼったとのことです。


つまり約10カ所の事業所があれば、そのうち1カ所の割合で、明確に社員のメンタルヘルスで問題を抱えている会社が存在する計算になります。

休職者などのかたちではっきりと問題が顕在化していなくても、潜在的に社員のメンタルヘルスが危機を迎えている会社はこの数倍は存在することが考えられます。

すなわち日本企業の多くが職場のメンタルヘルスで課題を抱えているのが現状なのです。

社員がメンタルヘルスの問題で長期間休職したときの企業側の金銭的損失は、数百万円にも達する

社員がメンタルヘルスの問題で長期間休職したときの企業側の金銭的損失は、数百万円にも達する
もしメンタルヘルスの不調で社員が長期間休職した場合、企業側には多大な金銭的損害が発生します。

内閣府の調査によると、年収約600万円の男性社員1人が6ヶ月休職した場合に企業が支払うコストは、周囲の社員の残業代増加なども含めると、合計で422万円にものぼるとされています。

出典:企業が仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に取り組むメリット(内閣府)

たとえ年収が600万円より低い社員であっても、長期間の休職が発生すると数百万円単位の損害が発生するのは確実でしょう。

新入社員が3ヶ月で早期退職した場合の企業の金銭的損失は1人あたり187.5万円にも!

また休職だけでなく、新入社員のメンタルヘルスケアなどに失敗して早期退職を招いてしまった場合の、企業への金銭的損失も深刻です。

求人情報メディア・人材紹介サービスを運営するエン・ジャパンによれば、新入社員1名が入社後3ヶ月で離職した場合の企業側の損失は187.5万円にものぼるとされています。

【新入社員が3ヶ月で離職した場合の損失の内訳】
  • 採用経費:62.5万円
  • 退職した社員の在籍費用:112.5万円(給与、法定福利厚生費、交通費などを含む)
  • 教育研修費:12.5万円(人事や研修を実施した現場社員の人件費などを含む)
    合計:187.5万円

出典:なぜ人は辞めるのか? 退職を科学する(エン・ジャパン株式会社)

以上のように、社員のメンタルヘルス不調による休職・退職が発生すると多額の金銭的損失が発生します。

同額の損失を利益上昇で補填するには、さらにこの数倍の額の売り上げを上積みしなければならないでしょう。

とりわけ中小企業などでは、社員の休職・退職による金銭的損失を明瞭に把握していない会社も多いと思いますが、そのダメージは予想以上に大きいのです。

さらに、お金には換えられない「仲間」を失う深刻なデメリット

先ほどはメンタルヘルス不調による休職者・退職者が発生した際の金銭的損失にスポットを当てて説明してきましたが、もちろん金銭的な面ばかりが深刻なのではありません。

むしろ金銭的損失よりもはるかに重要なのは、これまでいっしょに職場で仕事に取り組んできた仲間を一時的もしくは永続的に失ってしまうことです。

その社員が蓄積してきた知識・経験・技術は活用できなくなってしまいますし、周囲の同僚・後輩にもネガティブな心理的影響が発生します。

休職者・退職者が出た場合はただでさえ、その職場に残っている社員の業務量は増加しがちなので、他の社員にも連鎖的にメンタルヘルス不調が広がることにもなりかねません。

職場でのメンタルヘルスケア対策を怠ったまま放置していると、法令違反を問われる可能性も

また、社員のメンタルヘルス不調が頻発するような状況を放置しておくと、企業側には深刻な法的リスクも発生します。

労働契約法 第5条では、使用者(事業主)には従業員を業務に従事させるにあたって、過度の疲労や心理的負担をかけて、社員の心身健康を損なうことがないように注意する義務があると定められています(安全配慮義務)。

参考ページ:『eラーニングで学ぶ「15分でわかるラインによるケア」』(こころの耳、厚生労働省)

企業や管理監督者(上司)の対応が不適切だった場合、安全配慮義務を怠っていたと判断され、労災請求や民事訴訟を起こされる可能性があります。

パワハラ防止法に違反し行政からの勧告に従わない場合、企業名が公表されるリスクがある

また、2022年4月1日以降から中小企業も適用対象となるパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)では、職場でのパワーハラスメント防止措置が企業側に義務付けられました。

【パワハラ防止法で企業に課せられる義務】

1.パワハラ防止の社内方針の明確化と、すべての労働者に対して周知・啓発すること
2.労働者からの相談・苦情に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備すること
3.相談があった場合、事実関係を迅速かつ正確に確認し、被害者及び行為者に対して適正に対処するとともに、再発防止に向けた措置を講ずること
4.相談者や行為者等のプライバシーを保護し、相談したことや事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること
5.業務体制の整備など、職場における妊娠・出産等に関するハラスメントの原因や背景となる要因を解消するために必要な措置を講ずること

以上の防止措置を企業側が怠り、行政からの勧告に従わなかった場合、会社名が公表される可能性があります。

会社名が公表されてしまうと著しくイメージが悪化してしまい、売り上げに影響するほか、社員やパート・アルバイトの採用活動にも多大な支障が発生するでしょう。

GoogleやYahoo!で会社名を検索した際のサジェストキーワードにも、「●●株式会社 パワハラ」などネガティブな言葉が長期間表示される可能性もありますので、一層ダメージは深刻になります。

メンタルヘルス対策を実施すれば金銭的コストやリスクが低下し、結果的にはお得になる

メンタルヘルス対策を実施すれば金銭的コストやリスクが低下し、結果的にはお得になる
「メンタルヘルス対策なんて、お金をかけてまで実施する意味があるの?」と懐疑的な方も多いかもしれませんが、ここまでご説明してきたように、従業員にメンタルヘルス不調が発生し休職・退職を招いてしまうと、多額の金銭的コストを企業側は支払う必要があります。

また、労働契約法の安全配慮義務やパワハラ防止法などの法令違反のリスクも上昇します。

メンタルヘルス対策を怠らずきちんと実施したほうが、長期的に見ればお得になる可能性が高いのです。

ぜひみなさんの会社でもメンタルヘルス対策やメンタルヘルスケアサービスの導入を検討してみてください。
TOPへ戻る