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お酒との正しい付き合い方~飲みすぎ注意と身体への影響~

お酒との付き合い方~飲みすぎ注意と身体への影響~
お酒を飲みすぎると、気分が悪くなったり、理性が利かなくなったりと、良くない事態が起こってしまうこともしばしば。。。楽しいはずのお酒が原因で事件や事故が起こってしまうのは悲しいことです。また、長期間にわたる大量の飲酒は我々の身体にも変化をもたらすと言われています。ということで、今回は正しいお酒との付き合い方をご紹介してまいります。

酔いの段階とアルコールの代謝と肝臓の働き

まずは酔いの段階をご紹介していきます。心地の良い状態から、命の危険な状態までありますので、飲んでるときに自分がどのような状況にいるのかを認識しながら楽しく飲みましょう。
酔いの段階は4段階に分類されます。
  • ほろ酔い
  • 酩酊(めいてい)
  • 泥酔(でいすい)
  • 昏睡(こんすい)

ほろ酔い

大脳が少しマヒしてきて理性が少しずつ失われている状態
  • 気分がほぐれてリラックス状態になる
  • 陽気になる
  • 判断力が鈍る
  • 体温があがる

酩酊(めいてい)

大脳のマヒが広がり、運動失調(千鳥足)状態になる 
  • 足元がふらつく
  • 同じ話を繰り返す
  • 呼吸が速くなる

昏睡(こんすい)

脳全体にマヒが広がり、呼吸中枢も危ない状態になっている
最悪の場合、命の危険がある状態
  • 揺り動かしても起きない
  • 大小便を垂れ流しになる
  • 呼吸はゆっくりと深い

アルコールの代謝

まず、体内にアルコールが取り込まれたら、胃と小腸で吸収され、血液を利用して全身を巡り肝臓まで運び込まれます。

肝臓に届くと【アルコール(エタノール)→アセトアルデヒド→酢酸】の順番にアルコールは分解されていきます。

酢酸まで分解が終わると再び血液内に流れ込み、最終的に水(尿・汗)と二酸化炭素(呼吸)となって、体外に排出されます。

アルコールから分解されてできる、アセトアルデヒドは有害な物質です。頭痛や吐き気などを引き起こすため、無害である酢酸へと分解されます。

しかし、アルコールの分解が上手くいかず、アセトアルデヒドのまま残ってしまうと、深酔いや二日酔いの原因となってしまいます。

肝臓の働き

肝臓の働き
肝臓は、強く大きく、働き者の臓器です。お腹の中心から右寄りに位置し、ほぼ全体が肋骨に覆われています。およそ3,000億個の細胞から成り、重さは成人で1~1.5kgと体重の約1/50に相当する人体最大の臓器です。

肝臓には「動脈」と「静脈」に加えて「門脈」という血管があり、胃腸や膵臓、脾臓といった腹部内の主な臓器からの血液は、心臓に戻る前に門脈を通って肝臓に集まります。


とても辛抱強く、少々のダメージではへこたれないのが肝臓。

肝機能が正常であれば、実に全体の75~80%切り取られても、自らを修復しながら黙々と働き、半年後には元の大きさに回復します。この高い再生能力のおかげで機能が少々低下してもはっきりとした症状は現れず、自分ではなかなか気付きません。

そのため、肝機能の不調は健康診断で発見される場合が多いのです。こんなところから「沈黙の臓器」とも呼ばれています。

肝臓は500以上の仕事をこなすスーパー臓器。

その幅広い働きの中でも主要なのが以下の4つです。

  • 代謝
  • エネルギーの貯蔵
  • 解毒
  • 胆汁の生成

代謝

肝臓で行われる代謝は、消化器官からやってきた栄養を身体の各器官が必要とする形に変えたり、エネルギーとしてつくり出したりする働きのことです。

食事から摂った栄養分は、そのままの形で利用することはできません。胃や腸といった消化器官で消化された後、肝臓に送られて代謝することで、体内で使えるようになるのです。

肝臓は代謝の中枢を担うといわれています。

エネルギーの貯蔵

脳の主要なエネルギー源であるブドウ糖(グルコース)を供給しているのが肝臓です。脳は睡眠中もエネルギーを必要としているので、その補給はほぼ24時間欠かせません。
いつでも補給ができる態勢に整えつつも、血糖値が上がり過ぎることがないように、肝臓はブドウ糖をグリコーゲンの形で備蓄しています。

解毒

肝臓は、身体に有害な物質を分解して無毒化する「解毒」の働きをします。アルコール、栄養素を代謝するときや過度の運動によって体内で発生するアンモニア、薬なども身体にとっての有害物質です。

肝臓は、これらを無害なものへと処理します。

胆汁の生成

肝臓では、コレステロールと胆汁酸から胆汁をつくり出しています。胆汁にはいくつかの役割があり、その1つが脂質の消化吸収を助ける働きです。
もう1つは、古くなった赤血球や微量金属など、肝臓で処理された不要物を排泄する役割。また、胆汁の材料にすることで、血中のコレステロール濃度を調整するという働きもあります。

胆汁は胆嚢に貯蔵され、脂肪分が体内に入ると、胆管を通って十二指腸と小腸に出て行きます。
思っている以上に肝臓って働き者で大事な臓器なんですね。

アルコールがもたらす病気

では、肝臓が頑張っているにも関わらず大量飲酒を繰り返すとどのような病気を引き起こすのか。
いくつかご紹介していきます。

なお、かなり長くなってしまう恐れがございますのでここでは詳細を割愛させていただきましてご紹介いたします

アルコール依存症

アルコール依存症とは、お酒の飲み方(飲む量、飲むタイミング、飲む状況)を自分でコントロールできなくなった状態のことをいいます。

飲むのはよくないことだとわかっていても、脳に異常が起きて飲むことをやめられなくなる病気です。

消化器の病気

消化器の病気
代表的なのは肝臓の病気です。常習的に大量の飲酒を続けると、まず脂肪肝を起こす可能性があります。

脂肪肝の段階では自覚症状がなく、多くの場合は飲酒をやめれば肝臓の状態は良くなります。

しかし、飲酒を続け、アルコール性肝炎やアルコール肝線維症になると、発熱や腹痛の自覚症状が出てきます。

それでも飲酒を続けると肝障害の末期である肝硬変になる危険性があります。※肝硬変にまでなってしまうと肝臓は再生しなくなってしまいます。

また膵炎は、胆石や自己免疫疾患でも罹患しますが、飲酒によっても起こることが分かっています。膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があり、急性膵炎では死亡につながることもあります。

慢性膵炎では膵臓の線維化、消化酵素やホルモンの分泌低下がみられます。膵臓が分泌するホルモンの一種であるインスリン分泌の低下は、糖尿病の原因にもなるのです。

さらに、飲酒はほぼすべての消化管に悪影響を及ぼすため、胃食道逆流症、マロリーワイス症候群(激しい嘔吐を繰り返し食道と胃の境目付近が裂けて出血する)、急性胃粘膜病変、門脈圧亢進性胃炎、下痢、栄養などの吸収障害、痔核の原因にもなります。

生活習慣病

生活習慣病
毎日の食事や、飲酒、たばこなどの嗜好品、生活環境など日常生活の積み重ねが原因で発症する疾患の総称です。実に、日本人の約2/3の死因が生活習慣病であるといわれています。

生活習慣病には、がん、心臓病、脳卒中をはじめ、糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、メタボリックシンドロームなども含まれます。

特に、メタボリックシンドロームに関連する高血圧、脂質異常症(高脂血症)、高血糖には過度の飲酒が関連していることが多いといわれています。

メタボリックシンドロームは、肥満による内臓脂肪の蓄積で起こりますが、肥満には酒自体のカロリーだけでなく、脂っこいおつまみの食べ過ぎやアルコールによる食欲増進も関連します。

飲酒と糖尿病の関連は、アルコール自体の作用やアルコールの体内での処理(代謝)が血糖値に影響を与えることのほか、アルコールによる慢性膵炎によりインスリンの分泌が低下することも関連してきます。

飲酒と脂質異常症の関連は、飲酒時のカロリーの摂り過ぎが主な原因ですが、アルコールの代謝に伴い血液中の脂質が高くなることもあります。

また、プリン体を多く含むビールなどを長期にわたって大量に摂取すると高尿酸血症になる可能性があり、痛風の危険因子となります。

例:メタボリックシンドローム(高血圧、脂質異常症、高血糖) 糖尿病 痛風

神経・筋肉系の病気

飲酒による神経障害は、アルコール自体の毒性よりも、飲酒に伴う食事のバランスの崩れによるビタミンB1、B6、B12の不足が原因となることが多いといわれています。

特にビタミンB1は、アルコールの代謝に使われるため、慢性的なB1欠乏状態が起こりやすくなります。ビタミン欠乏性の障害は、全身のさまざまな神経で起こります。

アルコール性末梢神経障害は、手足の末梢にしびれ感、痛み、脱力、筋萎縮を起こします。ビタミンB1の欠乏で起こるウェルニッケ脳症では、無欲状態になり、眼球運動障害(眼があまり動かなくなる)、眼振(眼球がリズミカルに動く)、失調性歩行(酔ったようにふらふら歩く)が起こります。

また、飲酒により小脳が萎縮するアルコール性小脳失調症でも歩行が不安定になり、転倒などによる頭部外傷が起こりやすくなります。

例:アルコール性末梢神経障害 ウェルニッケ脳症 眼振 失調性歩行 アルコール性小脳失調症

適正飲酒量

上記で怖い怖い病気のお話をご紹介させていただきましたが、お酒は適量であれば逆に健康的であるという研究もされております。

では、健康的にお酒を飲める適正飲酒量をご紹介させていただきます。

適正飲酒量

適正飲酒量
厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均純アルコールで約20g程度であるとされています。

一般に女性は男性に比べてアルコール分解速度が遅く、体重あたり同じ量だけ飲酒したとしても、女性は臓器障害を起こしやすいため、女性は男性の1/2~2/3程度が適当と考えられています。(諸説あり)

【純アルコール20gとはどれぐらいの量なのか?】
  • ビール(5%)ロング缶500ml 1本
  • 日本酒1合(180ml)
  • ウイスキー ダブル1杯(60ml)
  • 焼酎(25度)グラス1/2杯(100ml)
  • ワイングラス2杯弱(200ml)
  • 缶チューハイ(7%)350ml 1缶

となります。

では次に計算式を見ていきましょう。

お酒の量(ml) × アルコール度数/100 ×0.8(アルコールの比重)= 純アルコール量(g)

次に【アルコール健康医学協会】より適正飲酒の10か条+1をご紹介いたします。

  1. 談笑し楽しく飲むのが基本です
  2. 食べながら 適量範囲でゆっくりと
  3. 強い酒 薄めて飲むのがオススメです
  4. つくろうよ 週に二日は休肝日
  5. やめようよ きりなく長い飲み続け
  6. 許さない 他人(ひと)への無理強い・イッキ飲み
  7. アルコール 薬と一緒は危険です
  8. 飲まないで 妊娠中と授乳期は
  9. 飲酒後の運動・入浴 要注意
  10. 肝臓など 定期検査を忘れずに
㊕ しない させない 許さない 20歳未満飲酒・飲酒運転
※ちなみに休肝日は2日連続で取ることをお勧めします。なぜなら、肝臓は回復までに48時間程度かかるからだそうです。

今回はサントリー様のサイトを参考にさせていただいたのですが、このほかにもアルコールに関する面白い知識がたくさん書かれておりました。是非覗いてみてください。

監修者情報

株式会社メディカルコンチェルト
産業医と企業を結ぶマッチングサービスを事業として展開。従業員をサポートする「オンライン産業医面談」や経営者をサポートする「嘱託産業医」など、多方面から“企業全体の健康”に寄り添うサービスを提供。
公式サイト:https://medical-concerto.com/
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