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メンタルヘルス不調とは? 原因や症状・サイン、職場での対応法を解説

メンタルヘルス不調とは?原因や症状・サイン、職場での対応法を解説
  • 「最近、気分の落ち込みがひどいけれど、自分はメンタルヘルス不調なのかもしれない…」
  • 「職場でメンタルヘルス不調の予防施策を進めたいが、そもそもメンタルヘルス不調がどんな状態なのか具体的にわからない…」
  • 「職場でのメンタルヘルス不調者への対応方法を知りたい」

こんなお悩みはありませんか?

昨今、メンタルヘルス不調という言葉を目にする機会が増えましたが、具体的にどんな状態なのかがわからないという方も多いと思います。

そこで今回はメンタルヘルス不調の原因や症状・サイン(兆候)を初心者向けにわかりやすく解説します。

また、職場でのメンタルヘルス不調発生の予防方法や、メンタルヘルス不調者が出たときの対応方法も紹介しますので、これからメンタルヘルス対策を進めたい方もぜひご覧ください。



メンタルヘルス不調とは?

メンタルヘルス不調とは?
メンタルヘルス不調とは、強いストレスや悩み、不安を抱えて心の健康を崩している状態のことです。

たとえ、うつ病などの精神疾患にかかっていなくても、ストレスや悩みによって気分が落ち込んでいる状態であれば、メンタルヘルス不調に該当します。

厚生労働省の調査によれば、働いている人のなかで「強いストレスとなっている事柄がある」と回答している人は53.3%にも達しているので、誰もがメンタルヘルス不調に陥ってもおかしくない状況だといえます。

参考ページ:『令和3年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況』(厚生労働省)

メンタルヘルス不調の原因

メンタルヘルス不調の原因は、仕事が原因である場合と私生活が原因である場合の2つに大別されます。

それぞれ詳しく解説していきます。

仕事がメンタルヘルス不調の原因である場合

仕事の量が多く、裁量が小さい(自由度が少ない)ほどストレスが大きくなる

仕事の量が多く、裁量が少ない(自由度が少ない)仕事ほどストレスが大きくなる
当然ですが、仕事の量が多く残業や休日出勤などで長時間労働になるほど、従業員へのストレスは大きくなり、メンタルヘルス不調の発生率は高まります。

さらに、労働時間とは別にストレスに大きく影響するのが、仕事の裁量権の大きさです。

仕事の自由度が低く、裁量権が小さいほど、従業員は同じ労働時間であっても強いストレスを感じます。

また、若年層(20代)の従業員は仕事のやり方がわからなかったり役割分担が不明瞭だったりする場合に、高年齢層(40代以上)よりも強いストレスを感じることが報告されています。

参考書籍:『4訂版 精神科産業医が明かす 職場のメンタルヘルスの正しい知識』

職場での人間関係やハラスメントの有無もストレスに大きく影響する

職場での人間関係やハラスメントの有無もストレスに大きく影響する
上司・同僚・部下との人間関係もストレスの大きさに強く影響します。

従業員間での対立や、パワハラ・セクハラなどのハラスメントの有無によって、仕事の量や内容が同じでもストレスの強さは大きく変化するのです。

特にパワハラ・セクハラなどのハラスメントは、メンタルヘルス不調や精神疾患による休職にもつながりやすいので注意が必要です。

なお、パワハラに関しては下記のページで詳しく解説しているので、こちらもご覧ください。

昇進や人事異動、転職などによる環境の変化

昇進で役割や地位が大きく変化したり、人事異動で今までと異なる部署に配置転換されたりした直後は、ストレスが高くなりやすいです。

とりわけ転職などで、働く環境が一新された直後は強いストレスを感じます。

たとえ昇進などのポジティブな理由による環境の変化であっても、新しい環境に慣れるまでは人間はストレスを感じるため注意しましょう。

私生活がメンタルヘルス不調の原因である場合

私生活がメンタルヘルス不調の原因である場合
仕事以外の私生活が原因で、メンタルヘルス不調に陥るケースも多いです。

たとえば、家族・親族・友人・恋人・知人などとの人間関係のトラブルや、大切な人が病気になったり死別したりといった出来事がその最たる例です。

また、自身の病気やケガ、多額の借金や金銭トラブル、子どもの受験などもストレスになります。

たとえ結婚・出産・引っ越しなどのポジティブなイベントであっても、ストレスの原因になりうる点には注意しましょう。

自分や周囲の人がメンタルヘルス不調に陥っていないか、チェックすべきサイン(兆候)とは?

メンタルヘルス不調は放置しておくと、うつ病や適応障害などの精神疾患につながりかねないため、早期のうちに対応することが大切です。

自分や周囲の人がメンタルヘルス不調になっていないかをチェックするために、以下のサイン(兆候)に気を付けましょう。

【自分がメンタルヘルス不調になっていないかをチェックするサイン(兆候)】

自分がメンタルヘルス不調になっていないかをチェックするサイン(兆候)
  • 悲しくなったり不安になったりすることが多い
  • 些細なことでイライラしてしまう
  • この世から消えてしまいたいと思うことがある
  • 自分には価値がないと感じる
  • 眠ろうとしてもなかなか眠れない
  • 気力がなく、簡単な作業でも疲れてしまう
  • 考えがまとまらず集中できない
  • 食欲不振が長く続く
  • 動悸や耳鳴りがする

【職場や周囲の人がメンタルヘルス不調になっていないかをチェックするサイン(兆候)】

職場や周囲の人がメンタルヘルス不調になっていないかをチェックするサイン(兆候)
  • 遅刻や早退、有給休暇の取得、無断欠勤が多くなる
  • 理由が明確でない離席が増える
  • 仕事の納期を守れなかったり、依頼された仕事を完遂できなかったりすることが増える
  • 業務のスピードが遅くなる
  • 報告・連絡・相談がなくなる
  • 服装や髪型が乱れる
  • 人間関係でトラブルが起きる
  • 仕事中の独り言が急に増える
  • 業務中に突然泣き出すことがあった
  • 表情が乏しくなり、覇気がなくなる

メンタルヘルス不調に起因する精神疾患

メンタルヘルス不調に適切な対応をせず放置した場合、精神疾患にまで悪化する可能性があります。
代表的な精神疾患をそれぞれ簡単に紹介します。

うつ病

うつ病は、感情や意識を司る脳機能がうまく動作しない状態のこと

うつ病は、感情や意識を司る脳機能がうまく動作しない状態のこと
うつ病とは、過度なストレスによって、感情や意識を司る脳機能がうまく動作しない状態のことです。

一日中気分が落ち込み、何をしても楽しくないといった精神症状だけでなく、睡眠障害や食欲の減退などの身体症状も表れます。

うつ病の発症には、環境やストレス、本人の性格や遺伝形質、神経伝達物質の放出量のバランスなど、複合的な要因が影響しているとされていますが、現在では明確な原因は確定しておりません。

とりわけ転勤や転職、結婚・出産・引っ越しなどの環境の大きな変化が起こった際は、うつ病になりやすい傾向があるので注意が必要です。

精神科主治医が診断書で「うつ病」と書いていなくても、「うつ病ではない」ことが確定するわけではない点に注意

まじめで責任感が強い人ほどうつ病になりやすいため、うつ病を抱えた人には叱咤激励するのではなく、つらい気持ちに対して共感を示し、静かな環境で休養することを勧めましょう。

なお、医師からの診断書の病名だけで、従業員など他人のメンタル状態を判断するのにはリスクがあります。

たとえば精神科主治医が「うつ状態」を表現する際には、「抑うつ状態」・「自律神経失調症」・「心因反応」などのそれぞれ異なる診断名が使われる可能性があります。

したがって、診断名に「うつ」の文字が入っていなかったとしても、「この人はうつ病ではないんだ」とは即断しないようにしましょう。

参考書籍:『人事担当者・管理職のためのメンタルヘルス・マネジメントの教科書』

適応障害

適応障害
適応障害とは耐えがたいストレスによって引き起こされる感情や行動によって、通常の社会生活を営むことが阻害されている状態です。

気分の落ち込みや意欲の低下が見られるほか、神経過敏により情緒が不安定になったり、強い悲壮感やイライラを覚えたりすることもあります。

また、不眠症や頭痛、動悸などの身体症状をともなうことも多いです。

以上の症状によって、適応障害を発症すると遅刻や欠勤、不登校などの行動が現れやすくなります。

うつ病と症状はよく似ていますが、適応障害は原因となるストレスを特定できることが多いです。

適応障害ではストレスの原因(ストレッサー)から離れると、症状が改善しやすいです。
※逆にうつ病では、ストレッサーから離れても抑うつ状態が続きます。

適応障害を発症してしまった場合は、原因になっているストレッサーを早期に特定し、そこから離れることが、改善への近道です。

パニック障害

パニック障害
パニック障害とは、突然強い恐怖感や不安とともに動悸や息切れ、手足の震えなどの発作が繰り返し起こり、日常生活に支障が出ている状態のことです。

発作そのものも深刻ですが、「発作がいつ起こるかわからない」と思って不安を感じる予期不安などの症状も挙げられます。

電車やバスなどの乗り物のなかや、人混みや雑踏のなかにいるときに発作がおきやすい傾向があるので、それらの環境を避けるために通学や通勤、外出が困難になってしまうケースも多いです。

パニック障害の原因は明らかになっていませんが、発作自体には自律神経を統御する脳幹部の不調や異常が影響していると考えられています。

パニック障害の治療には薬物療法と認知行動療法があります。

とりわけパニック発作の制御には、抗うつ薬や抗不安薬などの薬物療法が有効です。

睡眠障害

睡眠障害とは、不眠症や過眠症、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠に何らかの問題を抱えている状態の総称

睡眠障害とは、不眠症や過眠症、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠に何らかの問題を抱えている状態の総称
睡眠障害とは、不眠症や過眠症、睡眠時無呼吸症候群のような、睡眠に何らかの問題を抱えている状態のことです。

睡眠障害の代表例である不眠症では、眠りたくてもよく眠れない状態が続き、睡眠不足によって日中に眠くなってしまい、集中力や意欲の減退、記憶力の低下などの悪影響があります。

睡眠障害の原因は、精神的要因・身体的要因・環境的要因の3つに大別されます。

精神的要因としては、仕事やプライベートにおけるストレスや悩み・緊張が挙げられます。

身体的要因では、睡眠時無呼吸症候群のように肥満や骨格(下顎)の形状が原因であったり、高血圧や呼吸器疾患などが影響していたりするケースが存在します。

環境要因では、騒音や時差ぼけ、寝具があっていないなどが代表例です。

入眠前のスマホ操作が原因で、睡眠障害を発症してしまうケースが昨今急増している

入眠前のスマホ操作が原因で、睡眠障害を発症してしまうケースが昨今急増している
また、昨今では入眠直前までスマートフォンの画面を眺めることで、睡眠障害を発症するケースが増加しています。

スマホの画面の光刺激によって脳が昼間だと錯覚してしまい、なかなか寝付けず眠りも浅くなってしまうのです。

睡眠障害は、うつ病などのより深刻な精神疾患の原因にもなりますので、早期に改善することが大切です。

依存症

依存症
依存症とは、アルコールや薬物などの特定の物質の摂取や、ギャンブル・買い物などの特定の行為を、やめたくてもやめられない状態のことです。

たとえばアルコール依存症であれば、時間や場所を選ばずどんなときにもお酒を飲みたくなるほか、一度飲み始めると止まらなくなってしまうなどの症状が出ます。

また、酔いが醒めるとイライラや手の震えなどの禁断症状が出るのも特徴です。

依存症になると、自分の気持ちや行動をコントールできなくなるため日常生活に支障を来し、家族や職場でトラブルを起こすことも増えてしまいます。

また、ギャンブル依存症や買い物依存症の場合は、金銭面での問題も発生しやすいです。

依存症は本人の意思だけで治療するのは難しいため、相談機関や医療機関に早期につながり、診断・治療を受けることが重要です。

一生のうちに何らかの精神疾患・メンタルヘルス不調になる確率は、22.7%と予想以上に高い

精神疾患は決して他人事ではありません。

厚生労働省の調査では、精神疾患・メンタルヘルス不調の生涯有病率(一生の間に発病する確率)は、うつ病の類いで7.0%、不安障害の類いが4.2%になります。

さらに、アルコール依存症なども含めると、精神障害の合計の生涯有病率は22.7%と、多くの方が予想する以上に高いのです。

出典論文:精神疾患の有病率等に関する大規模疫学調査研究 (世界精神保健日本調査セカンド 平成26年度総括・分担研究報告書 厚生労働省厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業)

「メンタルヘルス不調なんて、どうせ自分や周囲の人には関係ない」とは思わず、「自分を含めて、誰がいつメンタルヘルス不調になってもおかしくない」と理解しておくことが重要です。

メンタルヘルス不調を予防する基本は、セルフケア

メンタルヘルス不調を予防する基本はセルフケア
もっとも基本的なメンタルヘルス不調の予防法はセルフケアになります。

セルフケアとは、その名のとおりストレスやメンタルヘルス不調に自分で気付き、適切に対処することです。

自分のストレスに応じて、しっかり休息・睡眠を取ったり、運動や旅行などの趣味の時間を設けたりするのが効果的です。

職場でストレスチェックが実施されていれば、その結果をもとに、自分の状態を見つめ直すのもセルフケアの一種です。

また、「これぐらい大丈夫」と我慢せずに、つらいときは速やかに医療機関や各種相談機関に足を運んでみましょう。

職場でメンタルヘルス不調を予防するには、さまざまなストレス要因を軽減することが大切

先述したとおり、自分のメンタルヘルス不調の予防はセルフケアが基本になりますが、職場でメンタルヘルス不調者の発生を防止したい方も多いと思います。

そこで、職場におけるメンタルヘルス不調予防のポイントを紹介します。

仕事の要求度が高く、仕事のコントロール度が低い場合は、従業員がうつ病になる確率が1.4倍になる

仕事の要求度が高く、仕事のコントロール度が低い場合は、従業員がうつ病になる確率が1.4倍になる
仕事でのストレスは、メンタルヘルス不調や精神疾患につながるリスクが高いため、労働環境の改善はきわめて重要です。

先述した内容と重複しますが、仕事の量・速度・質などの「仕事の要求度」が高く、なおかつ「仕事のコントロール度(その人が仕事を進めるやり方やスピードを決められる裁量の範囲)」が低い状態だと、ストレスは特に大きくなります。

この場合、従業員がうつ病になる可能性は1.4倍にまで増加します。

さらに、心臓病になる確率も2倍まで増加します。これは喫煙習慣がある場合とほぼ同じ程度の関係性です。

さらに職場の上司や同僚からのサポートが少なく3重苦になった場合は、心臓病の危険性が2倍~7倍程度にまで跳ね上がります。


以上のように労働環境や職場環境は、従業員のメンタルヘルス不調の発生率に大きく影響しますので、常に改善を心がけてください。

ストレスを増やす仕事内容や職場環境の特徴

なお、ストレスを増やす仕事内容や職場環境の特徴は以下のとおりです。

【ストレスを増やす仕事内容の特徴】
  • 単調でサイクルが短い、バラバラで意味がない、スキルを活用できない、確かさがない
  • 過重か、反対に過小な負荷、時間的プレッシャー
  • 硬直化したスケジュール、予測できないスケジュール、長すぎて生活に不適切な労働時間
  • 意思決定に参加できない、過重な負荷をコントールできない

【ストレスを増やす職場環境の特徴】
  • コミュニケーションのなさ、問題解決や成長への乏しいサポート、組織の目的が不明確
  • 役割が不明確、同僚などとの役割に関する衝突、重すぎる責任
  • キャリアの停滞、遅い(早すぎる)昇進、少ない報酬、仕事が不安定、低い社会的価値
  • 職場の先輩との関係が薄い、人間関係における衝突、周囲のサポートの欠如
  • 仕事と生活との間の葛藤、共働きの困難さ

職場環境の改善はトップダウンで計画を立案するよりも、従業員も参加したほうが効果的

職場環境の改善はトップダウンで計画を立案するよりも、従業員も参加したほうが効果的
職場環境の意外な箇所が、従業員のメンタルヘルス不調を引き起こしていることもあります。

たとえば、ある職場では肩こりや視力低下の訴えが従業員から多発しましたが、その原因は実は職場の窓にありました。

廊下に面した壁面が大きな透明窓になっているため、廊下を通る人から作業を監視されているような気分となり、従業員のメンタルヘルスが悪化していたのです。

そこで、ガラス窓にポスターを貼るなどして廊下から部屋の中を見えなくすることで、従業員の不調は大幅に減少しました。

事例の出典:『基礎からはじめる 職場のメンタルヘルス 改訂版 事例で学ぶ考え方と実践ポイント』

このように、予想外な箇所にストレス要因が潜んでいることもありますので、従業員へのヒアリングや調査は綿密におこなうようにしましょう。

なお、労働環境・職場環境の改善は、上司などの管理監督者だけでトップダウン形式で計画を立てるよりも、従業員たちも参加してボトムアップ形式で計画を立てたほうが、圧倒的に効果が大きくなります。

ぜひ従業員を主体にして労働環境・職場環境の改善に取り組んでみてください。

また、労働環境・職場環境の改善に取り組むなら、健康経営や健康経営優良法人の認定を目指すと、社内のモチベーションをより高められます。興味のある方はぜひ以下から詳細をご覧ください。

参考ページ:健康経営とは? 意味とメリット、やり方・取り組み例を初心者向けに解説
参考ページ:健康経営優良法人とは? メリット・認定基準・申請方法をわかりやすく解説

職場の心理的安全性の向上も、メンタルヘルス不調の予防には不可欠

職場の心理的安全性の向上も、メンタルヘルス不調の予防には不可欠
従業員のメンタルヘルス不調を防止するには、職場の心理的安全性の向上も効果的です。

心理的安全性(psychological safety)
とは、組織のなかで不安を感じずに自分の意見や気持ちを積極的に発言できる状態のことです。

Googleが2015年に「チームの生産性・パフォーマンスを高める最も重要な要素は、心理的安全性である」と発表して以降、世界的に注目されるようになりました。

心理的安全性が高い組織は自由闊達にアイディアや意見交換がされるので生産性が高く、ミス・失敗の報告も積極的になされるため大きな事故・トラブルの発生率も低いとされています。

職場のメンタルヘルス不調を予防するだけでなく、生産性向上や事故防止のためにも、ぜひみなさんの会社でも心理的安全性を高めるように努めてみましょう。

※心理的安全性の詳細や高め方などについては、以下のページをご覧ください。

参考ページ:心理的安全性とは? 意味とGoogleが提唱する作り方・高める方法を解説
参考ページ:心理的安全性がない会社・低い職場のデメリット・特徴・原因を解説

職場で従業員がメンタルヘルス不調になってしまったときの対処法

従業員がメンタルヘルス不調で休職した場合、職場復帰支援プランの作成などの取り組みが必要

ここまでメンタルヘルス不調を予防する方法を紹介してきましたが、たとえ最善を尽くしたとしても、職場で従業員がメンタルヘルス不調になってしまう確率はゼロにはできません。

うつ病やその他のメンタルヘルス不調で、従業員が休職する可能性は常に存在します。

もしメンタルヘルス不調による休職者が発生した際は、職場復帰支援プランの作成や、病気休業開始・休業中の連絡やケア、リワークプログラム・試し出勤や時短勤務などの職場復帰をスムーズにするための取り組みを進めていきましょう。

これらの休職中の従業員の職場復帰支援施策を総称して、三次予防と呼びます。

なお、メンタルヘルス不調などの心の健康問題で1ヶ月以上病欠した労働者の平均休業日数は、約5ヶ月にもなりますから、長期間の取り組みが必須となります。

参考書籍:『4訂版 精神科産業医が明かす 職場のメンタルヘルスの正しい知識』

休職期間中は、2週間~1ヶ月程度は定期的に従業員と連絡を取るべき

なお、休職期間中は従業員と人事労務スタッフなどが定期的に連絡を取るべきです。

休職期間の満了直前になるまで従業員にほとんど連絡しない企業が散見されますが、互いに連絡しないまま、3ヶ月・半年が過ぎてしまうと、双方にとって相手の様子を想像しづらい状況になってしまうからです。

また、休職期間満了直前だと本人は復帰しないと生計が成り立たなくなってしまうため、「元気です」と無理にでも答えざるをえません。以上の事態を避けるために、2週間~1ヶ月に1回程度は連絡するように休職開始時に取り決めをしておくのがよいでしょう。


職場でのメンタルヘルス不調の予防法や、メンタルヘルス不調者への対応法の概要は以上となります。

以下のページで、職場のメンタルヘルス対策や、中小企業でのメンタルヘルス対策について、より詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

メンタルヘルス不調かもしれないときは、すぐに休息し医療機関に相談しよう

メンタルヘルス不調かもしれないときは、すぐに休息し医療機関に相談しよう
ここまで、メンタルヘルス不調の原因や症状・サイン、職場での対応法などを解説してきました。

メンタルヘルス不調は放置していると、より深刻な精神疾患へと悪化する危険性が高まりますので、早期に対応することが重要です。

「自分は今、メンタルヘルスに不調を抱えているのかもしれない」と感じたなら、できるだけ速やかに休息を取るようにしましょう。

それでも気分の落ち込みが改善しないようであれば、医療機関にぜひ相談してみてください。

なお、職場のメンタルヘルス対策としては、産業医への相談も効果的です。

弊社の健康経営支援ソリューション・おりこうブログHRであれば、健康管理やストレスチェックの機能だけでなく、オンラインで産業医に相談できるサービスも利用可能です。

ご興味のある方は、ぜひ以下から詳細をご覧ください。

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