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健康経営優良法人(中小規模法人部門)認定要件と具体的な取り組み

健康経営優良法人(中小規模法人部門)認定要件と具体的な取り組み
  • 「健康経営優良法人(中小規模法人部門)を取得したいが、具体的にどんな取り組みをすればいいのかわからない…」
  • 「経済産業省の公式資料はPDFなので読みづらく、内容を理解するのが大変だ…」

今回は、そんな方のために健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定要件と評価項目をわかりやすく解説します。

ブライト500の取得を目指す際の取り組みのポイントも紹介。

健康経営優良法人(中小規模法人部門)を取得するためには、どんな取り組みをすればいいいのか、まずは簡単に知りたいという方はぜひご覧ください。

目次

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  1. 用語解説
  2. 健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定要件の概要
  3. 健康経営優良法人(中小規模法人部門)の評価項目の詳細と取り組みの解説
  4. 健康宣言の社内外への発信・経営者自身の健診受診(必須)
  5. 健康宣言の実施(必須)
  6. 健康づくり担当者の設置
  7. (求めに応じて)40歳以上の従業員の健康診断のデータの提供
  8. 健康経営の具体的な推進計画
  9. 健診・検診等の活用・推進
  10. A.従業員の健康診断の受診(受診率実質100%)
  11. B.受診勧奨に関する取り組み
  12. C.50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施
  13. 健康経営の実践に向けた土台づくり
  14. 管理職・従業員への教育(ヘルスリテラシーの向上)
  15. 1.「1年度に少なくとも1回以上の研修」を実施している場合
  16. 2.「少なくとも1ヶ月に1回の定期的な情報提供」を実施している場合
  17. 適切な働き方の実現に向けた取り組み(ワークライフバランスの推進)
  18. コミュニケーションの促進に向けた取り組み(職場の活性化)
  19. 私病等に関する両立支援の取り組み(病気の治療と仕事の両立支援)
  20. 保健指導の実施または特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み
  21. 従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策
  22. 食生活の改善に向けた取り組み
  23. 運動機会の増進に向けた取り組み
  24. 女性の健康保持・増進に向けた取り組み
  25. 長時間労働者への対応に関する取り組み
  26. メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み
  27. 感染症予防に関する取り組み
  28. 喫煙率低下に向けた取り組み
  29. 受動喫煙対策に関する取り組み(必須)
  30. 健康経営の取り組みに対する評価・改善(必須項目)
  31. ブライト500を取得する方法
  32. ブライト500では、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定要件をより多くクリアする必要がある
  33. ブライト500認定要件
  34. 健康経営優良法人(中小規模法人部門)の取り組みはできるだけ早期に開始すべき
  35. 健康経営に役立つ資料を無料でダウンロードできます!

用語解説

まずは健康経営優良法人(中小規模法人部門)の申請時に頻出する用語を解説します。
これらを理解しておかないと内容を正確に読み取れない箇所もありますので、簡単に目を通しておくとよいでしょう。

  • 保険者…協会けんぽ健康保険組合のこと。健康保険事業の運営主体。
  • 被保険者…健康保険に加入し、病気や怪我をしたときに必要な給付を受けることができる人のこと。健康保険の適用事業所で使用される、法人の従業員を指す(ただし、健康保険の適用除外者を除く)。
  • 事業者…労働安全衛生法上の定義では、法人企業の場合は法人そのものを指す。
  • 特定健診(特定健康診査)…生活習慣病予防のための保健指導を必要とする人を選び出すための健診のこと。いわゆるメタボ健診。対象者は40歳以上75歳未満の被保険者および被扶養者。
  • 特定保健指導…特定健診の結果、生活習慣病のリスクが一定以上の人に対して実施される、生活改善を目的とした指導のこと。

健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定要件の概要

健康経営優良法人(中小規模法人部門)を取得するには、以下の認定要件を満たす必要があります。
健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定要件の概要
各評価項目には必須項目と選択項目があり、必須項目をひとつでも達成できなかった場合はその時点で不適合になってしまいますので、まずは必須項目の内容から優先的に取り組むとよいでしょう。

※なお、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定要件は年度ごとに改定が実施されます。以下に解説する各評価項目も最新のものは内容が異なっている可能性がありますので、最新・正確な情報を知りたい方は必ず健康経営優良法人認定事務職のポータルサイトや、経済産業省の公式ページをチェックしてください。


なお、本ページは経済産業省サイトの利用規約に則り、主に以下の資料の内容を引用・参考にしております。


また、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定を目指す際には、インターネット上の情報だけを参考にするのではなく、加入している保険者(協会けんぽや健康保険組合)の担当者と相談しながら取り組みを進めることを強くお勧めします。

健康経営優良法人(中小規模法人部門)の評価項目の詳細と取り組みの解説

それでは、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の各評価項目の詳細と、それを満たすための取り組みをそれぞれ解説していきます。

実際の健康経営優良法人(中小規模法人部門)の申請書に記入が必要な、該当設問も併せて紹介しますので、ぜひこちらも参考に取り組みを始めてください。

健康宣言の社内外への発信・経営者自身の健診受診(必須)

健康経営優良法人(中小規模法人部門)では、保険者(協会けんぽや健康保険組合)が実施する健康宣言事業への参加が必須

健康経営優良法人(中小規模法人部門)では、保険者(協会けんぽや健康保険組合)が実施する健康宣言事業への参加が必須
健康経営優良法人(中小規模法人部門)では、加入する保険者(協会けんぽや健康保険組合のこと)が実施している健康宣言事業への参加が必須です。

健康宣言…経営者が従業員やその家族の経営管理を経営課題として認識し、組織として対策に取り組むことを明文化して意思表示することです。

健康宣言事業…各保険者(各地の協会けんぽや健康保険組合)が実施している制度で、健康宣言をおこなう企業の健康づくりを支援して、保険加入者(従業員)の健康を増進させることを目的としています

なお、健康宣言事業の名称は各保険者(協会けんぽや健康保険組合)によって異なります。たとえば東京の協会けんぽでは「健康企業宣言」ですし、愛知では「健康宣言」、大阪は「健康経営」となっています。

参考ページ:健康宣言とは? 健康経営優良法人認定との関係やメリットを紹介

企業ホームページなどを活用して、健康宣言を社内・社外に発信しなければならない

企業ホームページなどを活用して、健康宣言を社内・社外に発信しなければならない
認定要件を満たすには、健康宣言事業に参加するだけでなく、それを社内および社外に発信することが求められます。

社内・社外への発信の両方を簡単に満たすには、企業ホームページを活用するのがもっとも確実です。

なお、協会けんぽの東京支部では健康宣言事業(東京支部の場合、「健康企業宣言」)への申し込みをおこなったあと、6ヶ月以上取り組みを実施したのちに実施結果レポートを提出し、「健康優良企業」銀の認定証を受けないと健康経営優良法人に申請することができません。

参考ページ:「健康企業宣言」募集中!(協会けんぽ東京支部)

東京都に所在地があり、協会けんぽ東京支部に加入している法人はこの点を留意するようにしましょう。

健康宣言の実施(必須)

単なる健康宣言の実施ではなく、加入している保険者が実施する健康宣言事業への参加が求められます。
まずは加入している協会けんぽや健康保険組合に「健康宣言事業に参加したいのですが…」と相談してみるとよいでしょう。

※なお、保険者が関与していない自社のみでの健康宣言では不適合となりますのでご注意ください。

【該当設問】健康宣言としてどのような内容を策定していますか(必須・以下のうち1つ以上を実施)

  • 従業員の健康課題の把握と必要な対策(具体策)の検討を行うこと
  • ヘルスリテラシーの向上、ワークライフバランスの向上、職場の活性化等のために、健康経営の実践に向けた基礎的な土台作りとワークエンゲイジメント(具体策)の取り組みを行うこと
  • 健康増進・生活習慣病予防、感染症予防、過重労働、メンタルヘルス等への対策のために、従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策を実施すること

○解説
以上の項目だけを見ると難しく感じられますが、各協会けんぽや健康保険組合が指定している健康宣言事業の内容を満たせば、おおむね問題ないと思われます。

具体的な取り組み例については、以下のページをご覧ください。

【該当設問】健康宣言をどのように社内に発信していますか。(必須・以下のうち1つ以上を実施)

  • 従業員に対する個人宛通知や文書回覧を通じて周知している
  • 掲示板やイントラネットに掲示して従業員に周知している
  • 従業員全員がいる場面(例:朝礼、全社会議等)での文書配布等により周知している
  • 従業員の誰もが目にする場所に掲示して周知している
  • 自社のHP(ホームページ)等に公開していることを従業員に周知している
  • 自社のFacebook等のSNSを通して発信していることを従業員に周知している
  • 加入保険者のHP(ホームページ)に公開されていることを従業員に周知している

【該当設問】健康宣言をどのように社外に発信していますか(必須・以下のうち1つ以上を実施)

  • 事務所入口等、来訪者がいつでも閲覧できる場所に掲示している
  • 社外向けに自社のHP(ホームページ)等で公開している
  • 社外向けに自社のFacebook等のSNSを通して発信している
  • 加入保険者のHP(ホームページ)で公開している
  • 社外向けに各種メディアに掲載している
  • 社外向けの求人広告、パンフレット等に掲載している

○解説
健康宣言は社内・社外の両方への発信が必須となっています。
企業ホームページに健康宣言のページを作成・公開して、従業員に告知するのがスムーズな発信方法です。

なお、以下は不適合例となり、以下の内容のみでは評価項目を満たしません。

【不適合例】
  • 社長自身のSNSでの発信など、法人としての取り組みではない場合
  • 口頭での伝達のみで、健康宣言が明文化された文章が閲覧できる状態に無い場合
  • 社外の関係者との打合せの際に健康宣言を話題にしている
  • 保険者が関与していない自社や自治体のみの健康宣言
  • セミナー・講演会等の依頼に対応する形での健康宣言の具体的内容の発信

【該当設問】貴法人の経営者は、健康診断(人間ドック等を含む)を受診していますか。(必須)

○解説
「経営者本人が率先して従業員の行動規範になるべき」との理由から、健康経営優良法人の認定には経営者自身の健康診断が必須とされています。
以下は不適合例となりますのでご注意ください。

【不適合例】
  • かかりつけ医等のもとで特定の疾病に関する検査のみを受診した場合
  • 受診予定日は決まっているが、申請日までに経営者が受診をしていない場合

健康づくり担当者の設置

【該当設問】各事業場に健康づくり担当者を設置していますか。(必須)

  • 全ての事業場に健康づくり担当者を設置している

○解説
健康づくり担当者とは、事業場において従業員の健康保持・増進に関する取り組みを推進する担当者のことです。 具体的には、健康経営施策の立案・実行支援や、経営者、産業医、協会けんぽなどの保険者への適切な報告、連絡、相談などをおこないます。

健康診断や保健指導の実施に関する手続き、特定保健指導の連絡窓口などの実務を担う担当者も健康づくり担当者に含まれます。

なお、健康づくり担当者は特別な資格などを取得する必要はありません。


○解説
また、「全ての事業場」に健康づくり担当者を1人以上設置する義務がある点も重要です。

事業場とは会社全体を指すものではなく、営業所・工場・事務所・店舗など場所が分散している職場については、それぞれがひとつの事業場として扱われます。

たとえば本社を含めて4つの営業所が存在する会社の場合は、それぞれの営業所ごとに健康づくり担当者を設置する必要があります。

1人で複数の事業場の健康づくり担当者を兼務することはできないので、この場合は計4人の健康づくり担当者を設置しなければなりません。

【該当設問】健康づくり担当者はどのようなことを実施していますか(必須・以下のうち1つ以上を実施)

  • 全社または事業場における健康経営施策立案を行っている
  • 全社の健康経営施策立案に基づいた事業場における施策実行支援を行っている
  • 全社の健康経営施策立案に基づいた事業場における施策の進捗管理を行っている
  • 経営者層に対して、健康経営の取り組みの方針や進捗状況、結果等に関する報告・相談を行っている
  • 産業医や保健師等の産業保健スタッフを通した従業員の健康課題の把握や、産業保健スタッフに対して健康経営の取り組みの方針や進捗状況、結果等に関する報告・相談を行っている
  • 保険者からの情報提供(ヘルスケア通信簿等)を通した従業員の課題把握や、保険者に対して健康経営の取り組みの方針や進捗状況、結果等に関する報告・相談を行っている
  • 定期健康診断や保健指導の予約、従業員への周知等の実務を行っている
  • 特定健診・特定保健指導の実施に関する保険者との連絡窓口になっている

○解説
こちらは健康づくり担当者が健康診断の手続きや従業員への周知などの業務に携わっていれば、問題なく満たせる内容です。

【該当設問】以下の資格を持っている健康づくり担当者はいますか。(該当なしでも可)

  1. 産業医
  2. 保健師
  3. 看護師
  4. 産業医でない医師
  5. 精神保健福祉士
  6. 公認心理師・臨床心理士
  7. 理学療法士
  8. 管理栄養士
  9. 歯科医師
  10. 健康経営アドバイザー
  11. 健康経営エキスパートアドバイザー
  12. 衛生管理者
  13. (安全)衛生推進者
  14. その他

○解説
こちらの項目については、該当なしでも即不適合となるわけではありません。

ただし、より高評価の獲得を目指すのであれば、条件を満たす従業員が存在していることが多い衛生管理者・(安全)衛生推進者や、比較的に取得が容易な健康経営アドバイザーの資格を得るとよいでしょう。

(求めに応じて)40歳以上の従業員の健康診断のデータの提供

【該当設問】加入している保険者に対して、40歳以上の従業員の健康診断のデータを提供していますか。(必須・以下のうち1つに該当)

  • データ提供済み(健康診断を保険者と共同で実施し、結果を共有した場合を含む)
  • データは未提供だがデータの提供について保険者に同意済み
  • 40歳以上の従業員がいない

○解説
本項目は40歳以上の従業員がいない場合でも適合となります。

健康経営の具体的な推進計画

本項目は、組織の健康課題や労働環境の改善に向けた計画・具体的な数値目標を設定して、その達成・進捗状況の把握、評価などの実施を問うものです。

Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)PDCAサイクルが構築されているかがポイントになります。

【該当設問】自社従業員の健康課題を踏まえ、健康経営の具体的な推進計画等を定めていますか。(必須)

  • 具体的な推進計画を策定し、数値目標、実施主体、達成期限を定めて推進している

○解説
数値目標・実施主体・達成期限の設定が要求されている点が重要です。

【該当設問】どのように従業員の健康課題を把握していますか(必須・以下のうち1つ以上を実施)

  • 健康診断結果を集団ごとに集計・分析をして把握している
  • ストレスチェック結果を集団ごとに集計・分析をして把握している
  • 勤怠管理システム等から勤怠データ、有給取得状況等を集計・分析をして把握している
  • 産業医、保健師、地域産業保健センターの担当者等の産業スタッフとの対話を通して把握している
  • 保険者との対話を通して把握している(協会けんぽが実施するヘルスケア通信簿等を含む)
  • 健康経営アドバイザーや外部コンサルとの対話を通して把握している
  • 独自に健康課題に関する従業員アンケートを実施して把握している
  • 従業員との個別面談やミーティングを通して健康課題を把握している
  • 従業員本人に健康課題や目標を記載してもらっている

○解説
こちらは健康診断・ストレスチェック・勤怠管理システムなどを導入していれば、問題なく満たせる内容です。より高評価を狙いたい場合は、従業員アンケート・ミーティングの実施や、弊社の「おりこうブログHR」のようなサービスを利用するとよいでしょう。

健康経営の具体的な推進計画 課題のテーマ 選択肢一覧

以下のテーマのいずれかに合致する計画・目標を設定して記載する必要があります。

  • 健康状態にかかわらず全従業員に対する疾病の発生予防
  • 生活習慣病等の疾病の高リスク者に対する重症化予防
  • メンタルヘルス不調等のストレス関連疾患※の発生予防・早期発見・対応(職場環境の改善等)
  • 従業員の生産性低下防止・事故発生予防(肩こり、腰痛等筋骨格系の症状や、睡眠不足の改善)
  • 女性特有の健康関連課題への対応、女性の健康保持・増進
  • 休職後の職場復帰、就業と治療の両立
  • 労働時間の適正化、ワークライフバランス・生活時間の確保
  • 従業員間のコミュニケーションの促進
  • 従業員の感染症予防(インフルエンザ等)
  • 従業員の喫煙率低下

※ストレス関連疾患:心理的・社会的ストレスから生じる病気や、ストレスによって経過が悪くなると考えられる病気 (胃・十二指腸潰瘍、本態性高血圧症、過換気症候群、片頭痛、心臓神経症、神経症、自律神経失調症その他多くの疾患)

健康経営の具体的な推進計画の記入例1

健康経営の具体的な推進計画の記入例1

健康経営の具体的な推進計画の記入例2

健康経営の具体的な推進計画の記入例2
○解説
本項目は以下の4点が満たされていれば適合となります。

  1. 自社の従業員の健康課題を把握している
  2. その課題に対して具体的な計画や数値目標を設定している
  3. 計画を実行するにあたり実施主体・責任担当者を定めている
  4. 目標の期限や達成スケジュールを定めている

ただし、以下のような取り組みは不適合になりますのでご注意ください。

【不適合例】
・目標が法令遵守やそれに準じる内容に留まるもの
具体例
  • 健康診断受診率100%達成
  • 時間外労働時間月80時間以内
  • 時間外労働時間年720時間以内
  • 各種省庁から出されている業種別・商業別の告示の遵守

. 制度や環境を整備する事を目標としている
具体例
  • オフィスの半径50m以内を禁煙エリアにする
  • 残業管理システムの導入を目標とする …など

. 目標値並びに現在値が数値になっていない
具体例
  • 現在値:健康でない従業員が多い。 目標値:今よりも多くの従業員が健康になる。

. 既に終了または中断等により申請時点で実行されていない計画であるもの

健康宣言事業で計画を進めている場合はそちらを流用しても適合となり、申請時点で目標を達成している必要もない

また、健康宣言において何らかの数値目標を定めている場合や、既に定めている安全衛生計画などに従業員の健康保持・増進、過重労働防止等に関する目標・計画の記載がある場合は、そちらでも適合になります。

健康事業宣言へ参加する時点で、健康経営優良法人(中小規模法人部門)のこちらの条件を同時に満たすような計画を立てておくとスムーズです。

なお、本項目では「目標・計画の設定」を評価するため、目標の達成状況は問われません。
つまり設定した目標値を申請時点で達成していなかったとしても、それが原因で即座に不適合となることはないということです。

健診・検診等の活用・推進

こちらのテーマでは以下の3項目中2項目以上を満たす必要があります

  1. 従業員の健康診断の受診(受診率実質100%)
  2. 受診勧奨に関する取り組み
  3. 50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施

A.従業員の健康診断の受診(受診率実質100%)

【該当設問】本項目は1.または2.のいずれかを満たすことをもって適合とする

従業員の健康診断の受診(受診率実質100%)
  1. やむを得ない理由がある者を除き、労働安全衛生法に基づく定期健康診断における直近の受診率が100%であること。

  2. やむを得ない理由がある者を除き、労働安全衛生法に基づく定期健康診断における直近の受診率が95%以上(ただし、対象者が20人未満の場合は、未受診者1人以下)であり、未受診者に対して、早期に受診するように適切な受診勧奨を行っていること。

○解説
つまるところ、定期健康診断の受診率が、少なくとも95%を超えていなければ本項目は適合となりません。
※さらに定期健康診断の対象者が20人未満の場合は、未受診者が1人以下である必要があります。

ただし、「直近の受診率」との指定がありますが、申請時の年度だけでなくその前年度の受診率を用いても申請が可能です。

たとえば、2021年度に健康経営優良法人(中小規模法人部門)に申請する場合、2021年に実施した定期健康診断の受診率の数字だけでなく、2020年の受診率の数字で申請しても問題ないということです。

つまりその年の定期健康診断の受診率が95%を下回っていたとしても、前年の受診率が95%を超えていれば、そちらで申請できるため認定要件を満たせる可能性があります。

なお、以下の条件に合致する従業員は対象人数から除外します。

【対象人数から除外される従業員の条件】
  • 海外赴任、育児休業・傷病等による休業等により、期間を通してやむを得ず受診できなかった者
  • 常時使用の従業員だが週の所定労働時間が正社員の3/4未満等、健康診断の受診義務がない者
  • 実施期間後に入社した者

【該当設問】(定期健康診断の受診率が95%以上100%未満、または定期健康診断の対象人数が20人未満の法人で未受診者が1人と答えた場合のみ回答)    定期健康診断の未受診者に対して、早期に受診するように、どのような取り組みを行っていますか。(以下のうち1つ以上を実施)

  • 未受診者に対して個別にメールや文章等での通知
  • 未受診者に対して個別に声かけ・面談
  • 未受診者に対して個別に再度日程を設定

○解説
定期健康診断の受診率が100%でない場合に、この該当設問に回答します。以上のいずれかの勧奨を実施していない場合は不適合となりますが、メールや書面・声かけなどの幅広い手段のうちひとつでも実施していればクリアできるので、比較的に要件達成は容易です。

B.受診勧奨に関する取り組み

次のいずれかを満たすことで適合となります。

  1. 定期健康診断等の結果、再検査や精密検査が必要とされた従業員に対する受診を促すための取り組みまたは制度があること。
  2. 従業員に対するがん検診等、任意検診の受診を促す取り組みまたは制度があること。

【該当設問】定期健康診断等の結果、再検査や精密検査が必要とされた従業員に対する受診を促すための取り組みまたは制度(以下のうち1つ以上を実施)

  • 対象者に対してメールや文書等により通知している
  • 対象者に対して個別に声かけ・面談を行っている
  • 対象者に対して個別に再検査や精密検査の日程を設定している
  • イントラネット、掲示板、朝礼、会議等で受診勧奨を行っている
  • 受診時の就業時間認定や特別休暇付与を行っている
  • 費用補助を行っている
  • 受診者に対するインセンティブ(費用補助以外)を付与している
  • 受診が必要な従業員に対して受診報告を義務付けている

【該当設問】従業員に対するがん検診等の任意検診の受診を促す取り組みまたは制度(以下のうち1つ以上を実施)

  • メールや文書等により受診勧奨を行っている
  • イントラネット、掲示板、朝礼、会議等で受診勧奨を行っている
  • 受診時の就業時間認定や特別休暇付与を行っている
  • 費用補助を行っている
  • 受診者に対するインセンティブ(費用補助以外)を付与している
  • 定期健康診断にオプションとして付加できる医療機関と契約している

○解説
あくまでも本項目は、「定期健康診断等の結果に基づいた再検査・精密検査等の受診勧奨」と「がん検診等の任意検診の受診勧奨」を評価するものです。

そのため、以下の取り組みは別の項目で評価するため、本項目においては対象外となります。

【本項目では対象外となる受診勧奨】
  • 定期健康診断の受診勧奨
  • 特定保健指導の受診勧奨
  • 婦人科健診・検診、妊婦健診等の女性の健康に特化している受診勧奨

また、以下の内容も不適合となります。

【不適合例】
  • 定期健康診断の結果を配布しているのみの場合
  • 医学的に効果が確認されていない民間の検査等の実施の推奨

C.50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施

【該当設問】労働安全衛生法に定められたストレスチェック制度に準じてストレスチェックを実施していますか。

ストレスチェック制度
  • 労働安全衛生法に定められたストレスチェック制度に準じた内容・方法で、労働者等が50人未満の事業場を含めて全ての事業場で実施している

○解説
かならず労働安全衛生法に準じた手順でストレスチェックを実施することが求められ、労働者が50人未満の事業所(法令においてストレスチェックが義務付けられておらず、努力義務となっている事業所)も含めた、すべての事業所で実施する必要があります。

また、ストレスチェックの実施者は医師、保健師または厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士もしくは公認心理士でなければなりません。

なお、その年度のストレスチェックが完了していない場合は、前年度の状況で申請が可能です。

以下は不適合となりますのでご注意ください。

【不適合例】
  • ストレスチェックの質問票での記入から結果の通知の過程において、医師等実施者の関与が認められない場合(単に従業員に調査票を配布しただけで、セルフチェックを行わせたのみの場合)
  • 高ストレス者からの申し出に基づく医師による面談指導の実施、事後措置等の実施体制・制度が整備されていない場合
  • 個々人のストレスチェックの結果を事業者が把握し、個人に対してフィードバックしている場合

健康経営の実践に向けた土台づくり

以下の4項目中、少なくとも1項目以上の認定要件を満たす必要があります。

  • 管理職・従業員への教育(ヘルスリテラシーの向上)
  • 適切な働き方の実現に向けた取り組み(ワークライフバランスの推進)
  • コミュニケーションの促進に向けた取り組み(職場の活性化)
  • 私病等に関する両立支援の取り組み(病気の治療と仕事の両立支援)

管理職・従業員への教育(ヘルスリテラシーの向上)

ヘルスリテラシー研修
本項目は以下のいずれかを満たすことで適合となります。

  1. 1年度に少なくとも1回以上の研修
  2.  少なくとも1ヶ月に1回の定期的な情報提供

1.「1年度に少なくとも1回以上の研修」を実施している場合

【該当設問】管理職や従業員の健康意識の向上を図るために、健康保持・増進に関する教育をどのように行っていますか(以下のうち1つ以上を実施)

  • 従業員に対して社内で研修を実施している
  • 管理職に対して社内で研修を実施している
  • 従業員を社外の研修に参加させている
  • 管理職を社外の研修に参加させている
  • 衛生管理者や健康づくり担当者等の代表者を社外の研修に参加させている(ただし、従業員の健康リテラシーの向上を目的としていない専門職向けの専門職研修は除く)

【該当設問】どのようなテーマで健康経営の研修を実施していますか。(以下のうち1つ以上を実施)

  • ヘルスリテラシーの向上
  • ワークライフバランスの推進
  • 職場の活性化
  • 病気の治療と仕事の両立支援
  • 保健指導の実施率向上
  • 健康増進・生活習慣病予防対策(食事・運動等)
  • 感染症予防対策
  • 過重労働対策
  • メンタルヘルス対策
  • その他健康関連全般

【該当設問】研修内容を他の受講すべき管理職・従業員にどのように周知を行っていますか。(以下のうち1つ以上を実施)

  • 個人宛通知による周知を行っている
  • 文書回覧を通じて周知を行っている
  • 朝礼や会議等の受講すべき者がいる場での周知を行っている
  • 受講すべき者が目にする場所やイントラネットへの掲示による社内向けの周知を行っている


○解説
本項目での研修は、対面での研修だけでなくEラーニングやウェビナーなども含みます。

ただし、個人が任意で受講している研修は含みません。
女性の健康問題、たばこの健康に関する研修・セミナーは、それぞれ別項目で回答しますので、本項目では除外します。

なお、以下は不適合となります。

【不適合例】
  • ヘルスリテラシー向上に直接的に寄与すると思われない研修 (AEDの取扱方法、救急救護の方法など)
  • 体力測定やセルフでのストレスチェック機会の提供(従業員の状態把握のみに留まる場合は不適合とする。)
  • 国や都道府県が定めている健康に関連する各種制度に関するお知らせ
  • 健康に関連するアプリの紹介
  • 政府・自治体・保険者等が定めている制度の改正や保険料率改定、医療費等に関するお知らせ

2.「少なくとも1ヶ月に1回の定期的な情報提供」を実施している場合

【該当設問】全従業員に対し、健康をテーマとした情報提供および周知を行っていますか

  • 毎月1回以上の頻度で行っている

【該当設問】全従業員に対し、どんなテーマで情報提供および周知を行っていますか。(以下のうち1つ以上を実施)

  • ヘルスリテラシーの向上
  • ワークライフバランスの推進
  • 職場の活性化
  • 病気の治療と仕事の両立支援
  • 保健指導の実施率向上
  • 健康増進・生活習慣病予防対策(食事・運動等)
  • 感染症予防対策
  • 過重労働対策
  • メンタルヘルス対策
  • その他健康関連全般

○解説
少なくとも1ヶ月に1回の頻度で、全従業員に対して健康をテーマにした情報提供を行っていることが求められます。ただし個人宛通知・メールや文書回覧等、従業員個人に届く方法で行うこととし、単なる掲示等による情報提供は除きます。

保険者(協会けんぽや健康保険組合)によっては、健康宣言事業に参加する企業向けに健康に関するメールマガジンを配信していますので、そちらの内容を転記して全従業員にメール送信するのが、もっとも簡単な評価項目の満たし方でしょう。
(協会けんぽ大阪支部などでは、実際にその方法を推奨しています)

適切な働き方の実現に向けた取り組み(ワークライフバランスの推進)

【該当設問】仕事と家庭生活の両立に向けた環境づくりのためにどのような取り組みを行っていますか。(以下のうち1つ以上を実施)

仕事と家庭生活の両立に向けた環境づくり
  • 残業の事前申告制度を設けている
  • PCのログイン記録等、入退社時刻を正確に記録するシステムを導入し、従業員が申告した勤務時間との間に差がある場合には指摘・是正を行っている(タイムカードの導入のみの場合は除く)
  • 長時間労働をしている部署の上司や部署に対するペナルティを設置している
  • 時間外労働時間の削減を管理職の評価項目に設定している
  • 時間外労働時間の削減を一般従業員の評価項目に設定している
  • 業務繁閑に対応して休業日の設定や所定労働時間の変更を行っている
  • 勤務間インターバル制度を設けている
  • 時間単位での年次有給休暇の取得を可能にしている
  • フレックスタイム制度または時差出勤制度を設けている
  • 任意のタイミングで取得できる有給の特別休暇制度(お盆・年末年始休暇、慶弔休暇は除く)を設けている(例:ボランティア休暇、永年勤続休暇、病気休暇、看護休暇、骨髄等移植のドナー休暇等)
  • 定時消灯日・定時退勤日(ノー残業デー等)等を設定している
  • 育児や介護等のための法定を超える短時間勤務や、本人の希望に応じて週休3日制等の勤務制度を導入している


○解説
本項目は従業員のワークライフバランスを維持・改善させる取り組みを問うものです。
時間外労働の削減や有給休暇の取得推進など、仕事と家庭生活の両立に向けた環境づくりを継続的に実施している必要があります。

なお、ワークライフバランスの推進と関連するテーマの研修・情報提供については、他の項目で評価するため、本項目では研修・情報提供以外の具体的な取り組みが評価されます。

また、以下は不適合となります。

【不適合例】
  • 特定の職種等、一部の従業員を対象とした取り組み
  • 育児介護休業法等の法定義務の遵守にとどまる取り組み
  • 36協定の範囲内にとどまる取り組み

※36協定…労働基準法36条にもとづく労使協定で、正式には「時間外・休日労働に関する協定届」のことです。従業員に法定労働時間(1日8時間1週40時間)を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場合には、この36協定が必須になります。
一般的に「サブロク協定」と呼ばれています。

コミュニケーションの促進に向けた取り組み(職場の活性化)

【該当設問】コミュニケーション促進に向けて、どのような取り組み(研修・情報提供・宴会等を除く)を行っていますか。(以下のうち1つ以上を実施)

コミュニケーションの促進に向けた取り組み(職場の活性化)
  • フリーアドレスオフィス等の職場環境整備を行っている
  • 社内ブログ・SNSやチャットアプリ等の従業員間コミュニケーション促進ツールの利用を推進している
  • 従業員同士の交流を増やすための企画を実施している(例:意見交換会、一言スピーチ、社内掲示板の活用、サンクスカード等)
  • 同好会・サークル等の設置・金銭支援や場所の提供を行っている
  • 社員旅行や家族交流会・昼食会等のイベントの開催・金銭支援や場所の提供を行っている
  • ボランティア、地域祭り等に組織として関与し、従業員が参加するような働きかけを行っている

※フリーアドレスオフィス…オフィス・事務所のなかで各従業員の席を固定せずに、自分の好きな席で働けるワークスタイルのことです。

○解説
本項目は役職や担当を超えた従業員同士の連携強化やメンタルヘルス不調防止のため、組織内のコミュニケーションを促進する取り組みを行っているかを問うものです。

従業員同士のコミュニケーション向上を目的としたイベント等の取り組みや、外部機関主催のイベント等への組織としての参加を、1年度に少なくとも1回以上、定期的に、全従業員あるいは一部の従業員向けに実施している必要があります。

また、本項目と関連するテーマの研修・情報提供や、メンタルヘルス不調者への個別の対策は別項目で扱うため、対象外です。

【不適合例】
  • メンタルヘルス相談コーナーの設置 →別項目において評価するため、ここでは不適合
  • 企業展示会への出展といった自社製品の販売促進等の延長上のイベント等への参加
  • 顧客満足向上のためのワークショップ開催や業務に関する情報共有など、業務のための社員での意見交換会や情報共有会の実施
  • 事業者が関与せず、特定の部署が主体となってのイベント実施
  • 事業者が関与せず、一部従業員のみでの外部機関主催のイベントへの参加 事業者が関与していない有志による取り組みについては不適合とする。

私病等に関する両立支援の取り組み(病気の治療と仕事の両立支援)

【該当設問】私病等を持つ従業員の病気の治療と仕事の両立支援に向けて、どのような取り組みを行っていますか。(以下のうち1つ以上を実施)

私病等に関する両立支援の取り組み(病気の治療と仕事の両立支援)
  • 両立支援に関する相談体制や対応手順を整備している(例:社内窓口、保険の付帯サービス、地域の相談窓口等)
  • 本人の状況を踏まえた働き方(配置・勤務内容・勤務時間・勤務地等)を策定している
  • 治療に配慮した休暇制度や勤務制度を整備している(例:時間単位年次休暇、病気休暇、通院時間の就業時間認定、時差出勤、在宅勤務等)
  • 復帰する部門の上司に対する、両立支援への理解を促すための教育・定期面談等を実施している
  • 団体保険等により治療費の補助や休業補償の支給を行っている(健保組合からの一時金は除く)
  • 病気の治療と仕事の両立に向けた定期的な面談・助言を実施している


○解説
本項目は傷病を抱える従業員の治療と仕事の両立支援に向けて、組織の意識改革や受け入れ体制の整備などの必要な措置を講じているかを問うものです。

治療を要する従業員の相談窓口を明確にし、その周知を図っていることや、支援体制の整備などが求められます。

なお、メンタルヘルス不調者や定期検診の再検査・精密検査に関する取り組みについては、別の評価項目になりますので本項目では対象外です。

【不適合例】
  • 年次有給休暇を療養に充当する制度であって、傷病休暇・病気休暇の付加に該当しないもの
  • 正社員のみ等、特定の対象者のみに対する傷病休暇・病気休暇の付加
  • 本人の希望があった場合に実施する単発的な取り組みであり、組織としての支援体制構築と見なされないもの

保健指導の実施または特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み

保健指導の実施または特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み
本項目は従業員の生活習慣病の重傷化を予防するため、生活習慣の改善をうながす保健指導の実施、または特定保健指導実施のための時間的・空間的配慮(特定保健指導受診を就業時間扱いにする、診断場所を社内に提供する)などの取り組みをおこなっているかを問うものです。

以下の1.と2.のいずれかを満たすことで適合になります。

1.保健指導の実施
2.特定保健指導の実施機会の提供

【該当設問】保険者による特定保健指導の実施を促すために事業主側としてどのような取り組みを行っていますか。(以下のうち1つ以上を実施)

  • 事業主側から対象の従業員に特定保健指導の案内を周知している
  • 特定保健指導の利用勧奨(の支援)を行う担当者を設置している
  • 管理職等の職制を通じて利用勧奨(の支援)や進捗確認を実施している
  • 特定保健指導実施時間の就業時間認定や特別休暇付与を行っている
  • 社内にて特定保健指導実施場所を提供している
  • 事業場や対象者の繁閑を保険者と共有し、対象者が特定保健指導を利用しやすい環境を作っている(例:健康診断と同日での初回面談の実施、勤務シフトの調整等)
  • 事業場からオンラインで特定保健指導を受けられる環境を整備している

○解説
特定保健指導…特定健診の結果、生活習慣病のリスクが一定以上の人に対して実施される、生活改善を目的とした指導のこと。

特定健診(特定健康診査)…生活習慣病予防のための保健指導を必要とする人を選び出すための健診のこと。対象者は40歳以上75歳未満の被保険者および被扶養者。

特定保健指導にかかる時間の就業認定や特別休暇認定付与、指導のための場所の提供などの取り組みを実施していることで適合となります。

また、オンラインで特定保健指導を受けられる環境を整備しても適合となるのもポイントです。医療機関などが遠方にあり対面での面談が受けづらい場合は、オンラインで医師と面談して特定保健指導を受けられるサービスを活用してもよいでしょう。

特定保健指導の対象者がいない場合も、ルールの整備・明文化を行っていることをもって取り組みとみなします。

【該当設問】健康診断の結果を踏まえ、特に健康の保持に努める必要があると認められる従業員に対し、保健指導(特定保健指導を除く)を実施していますか。(1つだけ)

  • 産業医、保健師、地域産業保健センター等による保健指導を実施した

○解説
ここでは労働安全衛生法第66条の7に基づく有所見者等に対する保健指導を想定しています。(法令上は努力義務)。

必要な従業員に保健指導を実施しなかっただけでなく、保健指導の対象者がいなかった場合も本項目においては不適合となるのでご注意ください。
その場合は、もうひとつの選択項目である「特定保健指導の実施機会の提供」を満たす必要があります。

従業員の人数が少なく年齢層が若い法人では、定期健康診断の結果、保健指導が必要な対象者がいないこともありえますので、「特定保健指導の実施機会の提供」はかならず満たしておくように準備するとよいでしょう。

なお、以下は不適合になります。

【不適合例】
  • 出勤認定や場所の提供等の事業者側の関与が認められない場合
  • 対象者本人以外が指導を受け、本人に内容を伝達している場合
  • 下記に該当しない自主的な保健指導の場合 
    1)労働安全衛生法の規定による健康診断結果に基づく保健指導に関する取り組み
    2)高齢者の医療の確保に関する法律に基づき保険者が実施する特定保健指導に関する取り組み

従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策

このカテゴリーでは以下の8項目中、4項目以上を満たしている必要があります。

  • 保健指導の実施または特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み
  • 食生活の改善に向けた取り組み
  • 運動機会の増進に向けた取り組み
  • 女性の健康保持・増進に向けた取り組み
  • 長時間労働者への対応に関する取り組み
  • メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み
  • 感染症予防に関する取り組み
  • 喫煙率低下に向けた取り組み

なお、以下は必須の評価項目です。

  • 受動喫煙対策に関する取り組み

受動喫煙対策が不十分な場合は、まずはそちらから優先的に着手するのがよいでしょう。

食生活の改善に向けた取り組み

【該当設問】食生活改善に向けた具体的な支援として、どのような取り組みを行っていますか。(以下のうち1つ以上を実施)

食生活の改善に向けた取り組み
◆研修や情報提供(カロリー表示、ポスター掲示等)は除きます。

  • 社員食堂・仕出弁当、現物支給、金銭補助等を通じて、健康に配慮した食事を摂取できるような環境整備・支援を行っている
  • 自動販売機や訪問販売等において健康に配慮した飲料・栄養補助食品を提供している
  • 食生活改善に向けたアプリ提供、カロリー記録等のサポートを実施している
  • 外部事業者・管理栄養士等による栄養指導・相談窓口を設置している
  • 朝食欠食対策として社員食堂等で朝食を提供している(飲料・栄養補助食品の提供を除く)
  • 定期的・継続的な食生活改善に向けた企画を実施している(例:腹八分目運動、野菜摂取週間、料理教室等)

○解説
本項目は、生活習慣病等による欠勤、病休等を防ぐため、従業員の食生活改善を促す取り組みを行っているかを問うものです。

ただし、事業者が主体的に関与しない取り組みは除きます。

【事業者が関与していない取り組みの例】
  • 経営者・従業員等が自主的に行っている取り組み(ある従業員がお弁当を持参しているなど)
  • 事業者の働きかけなしに、外部の事業者により行われる取り組み (自社内設置の自動販売機に、事業者の働きかけなしに健康に配慮した飲料が設置されている場合など)

なお、以下の内容も不適合となります。

【不適合例】
  • 食に関する情報提供・研修の実施 →他の項目で評価するため、本項目の対象外
  • 五大栄養素に関するポスター掲示等、一般的な情報提供に留まる取り組み
  • 健康状態の把握にとどまるもの
  • 食に関連する実用書を支給
  • 事業者の取り組みではない場合 具体例) 従業員個人が食について意識している 社長自ら健康的な食生活を送っている 等
  • 取り組みの内容が具体的でないもの
  • 血圧計や体組成計等の導入
  • 健康宣言等の各種宣言の中に食に関する取り組みについて記載しているにとどまるもの

運動機会の増進に向けた取り組み

【該当設問】運動機会の増進に向けた普及啓発等の具体的な支援として、どのような取り組みを行っていますか。 (以下のうち1つ以上を実施)

運動機会の増進に向けた取り組み
◆研修や情報提供(ポスター掲示等)は除きます。

  • 職場外のスポーツクラブ等との提携・利用補助を行っている
  • 職場内に運動器具やジム、運動室等を設置している
  • 運動奨励活動(歩数計の配布、歩行や階段使用の奨励、表彰等)や、運動促進のためのツールの提供(アプリ、動画配信等)を行っている
  • 個別の状況やニーズに適した運動指導(運動メニューの作成等)を行っている
  • スポーツイベントの開催・参加補助を行っている
  • 心身の健康増進を目的とした旅行(ヘルスツーリズム)を開催し、運動の習慣付けの指導を行っている
  • 職場において集団で運動を行う時間を設けている(例:ラジオ体操、ストレッチ、ヨガ等)
  • 官公庁・自治体等の職域の健康増進プロジェクトへ参加している(例:スポーツ庁「FUN+WALK PROJECT」等)
  • スポーツ庁「スポーツエールカンパニー」の認定を取得している
  • 立ち会議スペースや昇降式デスク等、通常の勤務を通して運動量が向上するオフィス設備を設置している
  • 運動習慣定着のため、徒歩通勤や自転車通勤のための支援や働きかけを行っている
  • 運動機会の増進を目的とした同好会・サークル等の設置・金銭支援や場所の提供を行っている

※スポーツエールカンパニー…従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取組を行っている企業を、スポーツ庁が認定する制度。

○解説
本項目は従業員の運動機会の増進に向けた取り組みを継続的に実施しているかを問うものです。

ただし、経営者・事業者が自主的に行っている取り組みなど、事業者が主体的に関与していない取り組みは除きます。

なお、以下は不適合となります。


【不適合例】
  • 運動に関する社員向けセミナーの実施 →別の項目で評価するため、本項目では不適合
  • 直接的に運動機会の増進に結びつかないと考えられる血圧測定や体重測定の実施 →従業員の状態把握のみで具体的な取り組みが無い場合は不適合とする。
  • 就業時間を短くすることによる運動時間の確保
  • 運動を推奨するポスターの掲示

女性の健康保持・増進に向けた取り組み

【該当設問】女性特有の健康関連課題に対応する環境の整備や、従業員が女性特有の健康関連課題に関する知識を得るためにどのような取り組みを行っていますか。 (以下のうち1つ以上を実施)

女性の健康保持・増進に向けた取り組み
◆女性従業員がいない場合も、何らかの取り組みを行っていることをもって適合とします。

  • 婦人科健診・検診への金銭補助を行っている(がん検診を含む)
  • 婦人科健診・検診の受診に対する就業時間認定や特別休暇付与を行っている
  • 従業員や保健師等による女性の健康専門の相談窓口を設置している(メールや電話等による相談を含む)
  • 女性特有の健康関連課題に対応可能な体制を構築している(例:産業医や婦人科医の配置、外部の医師や相談窓口の紹介等)
  • 女性の健康づくりを推進する部署やプロジェクトチームを設置している
  • 妊婦健診等の母性健康管理のためのサポートの周知徹底を行っている
  • 不妊治療に対する支援を行っている(通院の際の特別休暇付与等)
  • 生理休暇を取得しやすい環境を整備している(例:有給化や管理職への周知徹底等)
  • ※ 単に生理休暇の制度があるだけでなく、利用を促進する環境の整備が求められます。
  • 更年期症状や更年期障害の改善に向けた支援を行っている(例:通院の際の特別休暇付与等)
  • 女性専用の休憩室を設置している(※法律上設置義務のある休養室は除く)
  • 月経随伴症状の自己管理を支援するツールやアプリを提供している
  • 妊娠中の従業員に対する業務上の配慮(健診時間の確保、休憩時間の確保、通勤負担の緩和等)の社内規定への明文化と周知を行っている ※「妊娠中の従業員に対する業務上の配慮の社内規定への明文化」のみでは基準を満たしません
  • 女性の健康関連課題等に関する理解促進のための研修・セミナーを実施している

○解説
本項目は、女性特有の健康課題に対応する環境の整備や、従業員が女性特有の健康課題に関する知識を得るための取り組みを継続的に行っていることを問うものです。

なお、以下は不適合となります。

【不適合例】
  • 婦人科健診の費用補助を社員会や親睦会等の従業員有志で行っている場合 →事業者の関与が見られなければ不適合とする。
  • 健康に関する総合窓口にて、特に記載なく女性の健康に関する相談を受けている場合 →女性の健康に対応できる旨を明示していなければ不適合とする。
  • 労働基準法・男女雇用機会均等法等の法定の範囲内の取り組み (参考:労働安全衛生規則第618条) 事業者は、常時50 人以上または常時女性30 人以上の労働者を使用するときは、労働者が臥床することのできる休養室または休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない
  • 女性専用トイレの増設・新設

長時間労働者への対応に関する取り組み

【該当設問】超過勤務時間が一定の基準を超えた長時間労働者に対して、どのような取り組みを行っていますか。(以下のうち1つ以上を実施)

◆一定の基準とは、超過勤務時間が月80時間、あるいは月80時間未満で自社で定めた基準を指します。
◆期間中に長時間労働者がいない場合でも、具体的な対応策を予め策定していることをもって適合とします。

  • 本人に対して医師(産業医を含む)による面接・指導を行っている
  • 本人に対して保健師・看護師等専門職、産業カウンセラーによる面談・指導を行っている
  • 本人に対して人事・労務担当者による面談・指導を行っている
  • 本人に対して上司(上長、管理職、社長、経営者等)による面談・指導を行っている
  • 管理職に対して人事・労務担当者による面談・指導を行っている
  • 管理職に対して社長、経営者等による面談・指導を行っている
  • 安全衛生委員会等の場で、超過勤務状況改善を目的とした指摘・指導を管理職に対して行っている
  • 本人の業務負荷の見直し、勤務時間の制限を行っている
  • 本人に対して追加の健康診断を実施している


○解説
本項目は長時間労働者が発生したときの、本人の過剰労働抑止の具体的な対策を事前に定めていることを問うものです。

過重労働防止に向けた数値目標・計画の策定や、研修・情報提供については、他の項目で評価するため、本項目では対象外になります。

なお、以下の取り組みは不適合になります。

【不適合例】
  • 1ヶ月80時間を超える従業員への対策ではなく、数ヶ月を平均して80時間を超えた従業員に対する対策や1ヵ月100時間を超える従業員の対策を実施→月80時間よりも緩い条件での対策を講じている場合は不適合とする。
  • 従業員からの申出があった場合にのみ面談を実施(申出がなければ実施しない)
  • フレックスタイム制の導入 →フレックスタイム制は働き方に自由度を与える取り組みではあるが、長時間労働者への対応とは見なせないため、不適合とする。
  • ストレスチェック制度の実施による産業医面談などストレスチェック制度の範囲内での取り組み
  • 長時間労働に関するセミナーを実施→他項目で評価するため、ここでは不適合とする。
  • ノー残業デーの設定→他項目で評価するため、ここでは不適合とする。
  • 対応策として策定はしていないが、長時間労働者が発生する度に、産業医に紹介する。
  • 対応策として策定はしていないが、残業禁止にする等、長時間労働者が発生しない運用としている。 →本項目は長時間労働者が発生した場合の対応策を評価する項目であるため、発生を防ぐ取り組みのみの実施や、予め対応策として策定しておらず発生時に対応法を検討する場合には不適合とする。

メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み

【該当設問】メンタルヘルス不調の予防や不調者への復職支援、就業と治療の両立支援として、どのような取り組みを行っていますか。(以下のうち1つ以上を実施)

  • メンタルヘルスについての相談窓口の設置および周知を行っている
  • ハラスメント相談窓口・内部通報窓口の設置および周知を行っている
  • ウェアラブルデバイスにより従業員自身のセルフチェック等を支援している
  • 従業員にとって安心かつ快適な職場環境の整備について管理職を評価・教育する仕組みがある(部下による360度評価制度等)
  • メンタルヘルスについての外部相談窓口の活用および周知を行っている
  • 従業員に対する定期的な面談・声かけを行っている
  • 不調者に対して外部EAP(従業員支援プログラム)機関等と連携した復職サポート体制を構築している
  • 不調者に対してリワークプログラム(認知行動療法等)の(社外での)提供を行っている


※ウェアラブルデバイス…Apple Watchなどのようなスマートウォッチや、スマートグラスのように身につけて利用できるデジタル端末のこと。
※360度評価…人事評価の際、評価対象者の上司・同僚・部下などさまざまな立場の従業員が、多角的に評価をする制度。
※EAP(従業員支援プログラム)…従業員のメンタル不調や悩みのケアを目的とした従業員支援プログラム。
※リワークプログラム…うつ病などのメンタル不調によって休職している人がスムーズに復職できることを目的にしたプログラム。医療機関などで実施される。

○解説
本項目はメンタルヘルス不調者やその傾向がある従業員への相談窓口を設置して、その周知を図り、メンタル不調者が出た場合の支援体制の整備を問うものです。

そのなかでも「ハラスメント相談窓口・内部通報窓口の設置および周知を行っている」については、健康経営優良法人だけでなくパワハラ防止法(2022年度より中小企業も対象)にも関係する取り組みですので、優先的に実施を徹底したほうがよいでしょう。

なお、以下は不適合例です。


【不適合例】
  • 相談窓口が経営者等であり、従業員からメンタルヘルス不調を申し出づらい環境
  • 本人ではなく、上司や健康づくり担当者と産業医が面談
  • 健康に関する総合窓口にて特に記載なくメンタルヘルスに関する相談を受けている場合
  • ストレスチェックの結果を基にした医師の面接指導 →労働安全衛生法に定められたストレスチェック制度の範囲内の取り組みはここでは不適合とする。
  • メンタルヘルス不調に関するセミナーを実施 →他項目で評価するため、本項目では不適合
  • 対応策として策定はしていないが、メンタルヘルス不調者が発生する度に、その都度、産業医に紹介する。 →本評価項目はメンタルヘルスの予防策やメンタルヘルス不調者への対応策を評価する項目であるため、予め予防策や対応策として策定してない場合には不適合とする。

感染症予防に関する取り組み

本項目は、予防接種を受ける際の就業時間認定、感染症を発症した者への特別休暇付与等、従業員の感染症予防や感染拡大防止に向けた取り組みや制度を実施していることが問われます。

具体的には以下の両方、もしくはいずれかに該当している必要があります。

1.感染症予防や感染拡大防止に向けた取り組みや制度を実施していること。(ただし、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて始めた取り組みや制度は除く。)
2.新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた取り組みや制度を実施していること。

【該当設問】感染症(インフルエンザ、麻しん・風しん等)対策としてどのような取り組みを行っていますか。(以下のうち1つ以上を実施)

感染症(インフルエンザ、麻しん・風しん等)対策としてどのような取り組みを行っていますか。
◆新型コロナウイルス感染症への対応策以外をお答えください。

  • インフルエンザ、麻しん・風しん等の予防接種実施場所の提供を行っている
  • インフルエンザ、麻しん・風しん等の予防接種の費用を補助している(一部負担の場合を含む)
  • 予防接種を受ける際に就業時間認定や特別休暇付与等の制度的配慮を行っている(家族が予防接種を受ける際の付き添いを含む)
  • 感染症を発症した者(家族が発症した場合を含む)への特別休暇付与による感染拡大予防を行っている
  • 健康診断時に麻しん・風しん等の感染症抗体検査を実施している(参考:https://www.mhlw.go.jp/content/000490986.pdf
  • 感染拡大時の事業継続計画の策定している
  • 海外渡航者に対する予防接種や予防内服等の準備を行っている(参考:https://www.forth.go.jp/useful/vaccination02.html
  • 海外渡航者に対する教育の実施や緊急搬送体制の整備を行っている
  • 感染症のワクチンに対する従業員のリテラシーを高めるための教育・研修を行っている
  • 全ての事業場において感染症予防環境の整備を行っている(例:有効な手指消毒液、アクリル板等の遮蔽の設置、換気設備の設置、換気ルールの導入による必要換気量の確保等)

○解説
予防接種の費用補助などは中小企業ではコスト面で難しい場合も多いかもしれませんが、「予防接種を受ける際に就業時間認定や特別休暇付与等の制度的配慮を行っている」は比較的に満たしやすいので、実施を検討してみるとよいでしょう。

【該当設問】新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた対策として、どのような取り組みを行っていますか。

新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた対策として、どのような取り組みを行っていますか
(a)感染者が発生しても従業員の健康と事業継続を両立させるために定めた事業継続計画の内容(以下のうち1つ以上を実施)
  • 従業員または家族が発熱・感染した場合や、濃厚接触者となった場合等の対応策やルールを整備している
  • 健康管理担当者による現場・職場からの情報収集(勤務状況等)ルートを整備している
  • 業務の優先順位を設定している(業務の絞りこみ)
  • 感染者等発生時の業務継続体制を策定している(代替要員や代替拠点の想定)
  • 従業員の健康を優先するための従業員の行動指針を策定し、周知している
  • 従業員の健康を確保するための職場の対応指針を策定し、周知している


 (b)感染症予防のための対応策
1.人との接触を避けるための多様で柔軟な勤務ルールの整備
  • 在宅勤務制度を導入・整備している
  • 通常時と異なるシフト体制等を適用し、従業員間の接触機会を低減している
  • 時差出勤やフレックスタイムによるオフピーク通勤を推奨し、通勤時の感染リスクを低減している
  • 感染時に重症化するリスクの高い従業員(基礎疾患がある等)への特別の配慮を行っている

2.職場の環境整備・出社を余儀なくされる従業員への配慮
  • 検温やアプリ等により健康状態の確認を行っている
  • 席の間隔を空ける、パーテーションを設ける、会議室の利用制限を設ける等空間的な接触機会を低減している
  • Web会議システムを導入し、社内外の打ち合わせを極力オンラインにするよう推奨している
  • 従業員同士または顧客との物理的な接触機会を減らすための設備導入や環境整備を行っている(例:アクリル板の設置、ロボットの導入、電子押印・契約等)
  • 陽性者・濃厚接触者等への不利益な取扱や差別的な取扱の禁止を明文化し、周知している
  • 事業場において換気設備の整備や換気ルールの導入を行い、必要な換気量を確保している

3.従業員等のワクチン接種に対する支援
  • 従業員等がワクチン接種を受けやすい環境を整備している(例:就業時間認定、特別休暇付与、職域接種等)
  • ワクチン接種による副反応が出た場合に特別休暇付与を行っている
  • 付き添いが必要な家族がワクチン接種する場合に就業時間認定や特別休暇付与を行っている
  • 新型コロナワクチンに対する従業員のリテラシーを高めるための教育・研修を行っている

→以上の1.~3.で行っている施策がひとつもない場合は不適合

○解説
(a)の事業継続計画は新型コロナウイルス対策の認定要件のなかでは必須になっていますので、まずはこちらの整備を急ぐとよいでしょう。

1.~3.については、ひとつでも満たしていれば明確な不適合とはなりません。
ただし、ブライト500目的で高評価を目指すのであれば、できるだけ多くの項目を満たすように努力したほうがよいでしょう。

喫煙率低下に向けた取り組み

【該当設問】従業員の喫煙率を下げるためにどのような取り組み・ルール整備を行っていますか。(以下のうち1つ以上を実施)

従業員の喫煙率を下げるためにどのような取り組み・ルール整備を行っていますか
◆喫煙者が現時点でいない場合であっても、その状態を維持するために、いずれかの取り組みを行っていることが認定要件の適合条件です。

  • たばこの健康影響についての教育・研修を行っている
  • 喫煙率を下げることを目的とした継続的な保健指導を行っている
  • 禁煙外来治療費を補助している
  • 禁煙補助剤の無償支給や購入費支給を行っている
  • 禁煙達成者に対する表彰やインセンティブの付与を行っている
  • 非喫煙者に対する継続的なインセンティブの付与を行っている(例:手当や有給の特別休暇・休憩時間等)
  • 喫煙に関する社内ルールを整備している(例:就業時間中禁煙、喫煙可能な時間の制限等)
  • 禁煙・禁煙継続を促す社内イベントを実施している(例:禁煙月間、禁煙デー等)
  • 禁煙・禁煙継続を促すアプリを提供している

○解説
本項目では、従業員の喫煙率低下を促すため、喫煙者に対する禁煙促進に向けた取り組みの実施・ルールの設置や、従業員に対するたばこの健康影響についての教育・研修を実施していることを問うものです。

喫煙者が法人内にひとりもいない場合でも、以上の取り組みを実施していれば項目を満たします。

受動喫煙対策に関する取り組み(必須)

【該当設問】全事業場の禁煙の状況はどのようになっていますか。以下の状況に該当する事業場の有無についてお答えください

分煙の状況
まず、事業場を学校・病院・介護施設などの第一種施設と、それ以外の一般企業の事務所・店舗などの第二種施設に区分します。

第一種施設…学校、各種養成施設、保育園・幼稚園、病院、診療所、助産所、薬局、施術所、介護老人保健施設、介護医療院、行政機関の庁舎など
第二種施設…それ以外の施設(一般企業の事務所・店舗・工場など)

そのうえで、自分たちの事業所が第一種施設と第二種施設のどちらに当てはまるかを確認したうえで、以下の表で受動喫煙対策をチェックします。
受動喫煙対策の図

以下のうち、いずれかに該当する必要がある(必須)

  • 屋内・屋外共に、全ての事業場で適合要件を超えた対策(屋外を含む敷地内禁煙)をとっている(屋外・屋内全て◎)
  • 屋内については、全ての事業場で適合要件を超えた対策をとっているが、屋外は適合要件どおりの対策をとっている事業場がある(屋内:全て◎、屋外:○または◎)
  • 一部の事業場で適合要件を超えた対策をとっているが、その他の事業場は適合要件どおりの対策をとっている(屋内:○または◎、屋外:○または◎)
  • 屋内・屋外共に、全ての事業場で適合要件どおりの対策をとっている(屋内・屋外全て○)


○解説
表を見ると複雑な印象を受けますが、要約すれば骨子は以下のとおりです。

第一種施設(学校・病院・介護施設・保育園など)…屋内は全面禁煙が必須(喫煙室もNG)、屋外は屋外喫煙所を除き全ての敷地で禁煙にする必要がある

第二種施設(第一種施設以外の施設、一般企業の事務所・店舗・工場など)…屋内は喫煙室を除き禁煙、屋外は屋外喫煙所を除き全ての敷地で禁煙にする必要がある

本項目は選択項目ではなく、必須項目なので確実に満たしておかなければなりません。

なお、ビル内にテナントとして貸借している場合は、貸借しているスペースのみで回答しましょう。たとえば、ビル内の貸借スペースをすべて禁煙にしていて、屋外部分が一切ない場合は、上の表では屋内・屋外ともに◎になります。
また、旅館・ホテルの客室等や人の居住に供する場所は除外します(それらの場所が禁煙でなくても問題ない)。

健康経営の取り組みに対する評価・改善(必須項目)

【該当設問】健康経営の施策をどのように評価していますか。実施している内容を以下から選択してください。(必須・以下のうち1つ以上を実施)

  • 健康経営の取り組みに対して、実施した結果を確認している
  • 健康経営の取り組みに対して、前年度等の過去の取り組み結果と比較している
  • 健康経営の取り組みに対して、他企業の事例や公表データ等の結果と比較している
  • 健康経営の取り組みに対して、保険者等の外部の専門家による評価を実施している

【該当設問】具体的に、何を評価しているかお答えください。(必須・以下のうち1つ以上を実施)

  • 参加者数、参加者の満足度等の取り組み結果
  • 従業員の生活習慣等の健康状態の改善度合い
  • 取り組みの結果として改善した経営関連指標の改善度合い

【該当設問】評価をもとに改善を行っていますか。(必須・以下のうち1つ以上を実施)

  • 評価をもとに、社内で取り組みの見直しや、次の取り組みを検討している
  • 次の取り組みを行うにあたり、他社の成功事例等の情報を収集している
  • 次の取り組みを行うにあたり、保険者等の外部の専門家から改善方法についてアドバイスをもらっている
  • 次の取り組みについての改善策を策定している

【該当設問】評価の内容について、社内の誰に共有していますか。(必須・以下のうち1つ以上を実施)

  • 経営トップ
  • 担当役員
  • 部長クラス
  • 一般社員
  • 担当者

○解説
本項目では、健康経営の取り組みを実施後、取り組み結果をもとに、生活習慣等の改善状況の把握や効果検証等を行っているか否かが問われます。
健康経営のPDCAサイクルをきちんと構築するようにしましょう。

なお、以下は不適合となります。

【不適合例】
  • 健康経営の個々の取り組みの実施結果について把握を行っていない場合
  • 健康経営の取り組み検証のための指標を定めていない場合




以上が、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定を受けるための、取り組み例や評価基準になります。

これらの評価項目は毎年更新される可能性があるため、最新・正確な情報を知りたい方は必ず健康経営優良法人認定事務局のポータルサイトや経済産業省のページなどの公式情報をチェックしてください。


次に、健康経営優良法人(中小規模法人部門)のなかでもブライト500を目指す方のために認定要件と取り組みを紹介します。

ブライト500を取得する方法

ブライト500とは、健康経営優良法人(中小規模法人部門)のなかでもさらに優良と認められた上位500法人を顕彰する称号です。

ブライト500を取得するには、通常の健康経営優良法人(中小規模法人部門)よりもさらに厳しい基準をクリアする必要があります。

そのうえ、ブライト500に認定されるのは500社までに限定されるわけですから、単に認定要件を満たしているだけでなく、より充実した取り組み内容になっていないと他の法人との選抜に勝ち抜けません。

ブライト500を取得するには、どのような認定基準があるのかを詳しく解説します。

ブライト500では、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定要件をより多くクリアする必要がある

ブライト500に申請するには健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定要件を、より高いレベルでクリアすることが求められます。
認定要件
【健康経営優良法人(中小規模法人部門)の選択項目一覧】
  1. 従業員の健康診断の受診(受診率実質100%)
  2. 受診勧奨に関する取り組み
  3. 50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施
  4. 管理職・従業員への教育
  5. 適切な働き方の実現に向けた取り組み
  6. コミュニケーションの促進に向けた取り組み
  7. 私病等に関する両立支援の取り組み
  8. 保健指導の実施または特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み
  9. 食生活の改善に向けた取り組み
  10. 運動機会の増進に向けた取り組み
  11. 女性の健康保持・増進に向けた取り組み
  12. 長時間労働者への対応に関する取り組み
  13. メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み
  14. 感染症予防に関する取り組み
  15. 喫煙率低下に向けた取り組み

通常の健康経営優良法人(中小規模法人部門)の場合は、以上の15項目のうち7項目以上を満たしていれば認定を受けられるのですが、ブライト500では15項目のうち13項目以上を満たしている必要があります。

これはかなり前の時期から長期間をかけて準備しないとクリアできない条件なので、ブライト500を目指している方は早急に健康経営の仕組みづくりを始めましょう。

ブライト500認定要件

以上のようにブライト500に申請する場合、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定要件をより多く満たす必要がありますが、追加でさらにブライト500申請専用の認定要件が課されます。

健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定要件のように、複数の選択肢のうち該当するものがひとつもない場合は不適合が確定するわけではないですが、限定500社の選抜に勝ち残るにはより多くの条件を満たしていなければなりません。

【ブライト500認定要件の注意点】

◆申請日から過去10年以内に行った健康経営に関する情報発信についてご記入ください。
◆「健康経営」という文脈で情報発信したものについてのみお答えください。「働き方改革」等の情報発信は除きます。
◆過去の健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定取得状況については評価しません。

【該当設問】貴法人の健康経営関連の取り組みについて、主体的な情報発信をどのように行っていますか

主体的な情報発信
  • 自社のHP(ホームページ)を通して発信している
  • 自社のSNSを通して発信している
  • 自社の決算資料、統合報告書、有価証券報告書等にIR情報として掲載している
  • 社外向けに、事務所入口等、来訪者がいつでも閲覧できる場所に掲示している
  • 自社のパンフレット配付等を通して発信している
  • 自社の採用等の説明会で発信している
  • 広告に掲載している
  • 特に地域や他社に対して主体的に健康経営に関する情報発信をしていない

○解説
本項目は比較的に満たしやすい条件が多いので、できるだけ多くの項目を満たすようにしましょう。

とくにホームページへの情報掲載は、比較的簡単に多くの情報を掲載できる手段なのでおすすめです。また、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の申請条件である健康宣言を掲載するのにも適しています。

自社のホームページを開設していない、あるいは情報を追加・更新できない状態の場合は、できるだけ早く開設・リニューアルを進めてください。

弊社の健康経営支援ソリューション・おりこうブログHRなら、社員のメンタルヘルスのセルフチェック機能だけでなく、企業ホームページの開設・リニューアルも可能(CMS機能)なので、ご興味のある方は詳細をご覧ください。

【該当設問】どのような内容について発信を行っていますか

  • 健康経営に関する認定(健康経営優良法人認定や、地域での認定等)の取得状況
  • 健康経営に取り組む目的・方針
  • 健康経営に取り組む体制
  • 健康経営の取り組みの実施内容
  • 健康経営に関する取り組み結果や効果
  • 今後の健康経営における目標や計画
  • 健康経営実施の目的・方針、体制、目標、取り組み、結果等を一連のストーリーとして発信

○解説
健康経営に関する幅広い情報提供が要求されます。多くの項目を満たそうとすると、そのぶん情報量が増えてしまうので、企業ホームページに健康経営のページを作り、そこに情報を集約するとよいでしょう。

【該当設問】貴法人の健康経営関連の取り組みの情報発信状況が確認できるURL等がある場合はご記入ください

○解説
こちらも先述のとおり、企業ホームページに健康経営のページを作り、そこに情報を集約しておくと対応しやすいです。

ブライト500の審査時は、ページの中身も細かくチェックされる可能性がありますので、情報を充実化しておくとよいでしょう。

【該当設問】貴法人の健康経営関連の取り組みについて、情報発信を行う頻度や、更新頻度をお答えください

  • 週に1回程度、情報発信や情報の更新を行っている
  • 月に1回程度、情報発信や情報の更新を行っている
  • 年に数回、情報発信や情報の更新を行っている
  • 年に1回程度、情報発信や情報の更新を行っている
  • 年に1回未満、情報発信や情報の更新を行っている あるいは、情報発信を実施したが、その後の更新は行っていない

○解説
健康経営の取り組みの情報発信頻度を問う項目です。
こちらも自社ホームページを用いるか、あるいはSNSを活用するのが一番簡単な対応方法です。

【該当設問】直近の情報発信はいつ実施しましたか

西暦202○年○月に最新の情報を発信

○解説
最新の健康経営の情報発信がいつかを問う項目です。
こちらも企業ホームページやSNSを活用し、可能なかぎり申請日に近いタイミングで情報発信するようにしましょう。

【該当設問】貴法人の健康経営関連の取り組みについて、これまでに依頼されて実施した情報発信の回数をお答えください

健康経営の情報発信の回数
◆グループ会社や取引先からの依頼・広告は除きます。

  • 健康経営等に関する講演会での登壇
  • 新聞等のメディアによる取材・見学の受け入れ
  • テレビ等のメディアによる取材・見学の受け入れ
  • 国・自治体等による取材・見学の受け入れ
  • 健康経営に取り組む他企業からの個別の相談や質問、取材・見学の受け入れ

○解説
大半の法人にとって、ブライト500の認定要件のなかで、もっとも満たすのが困難な項目です。

講演会への登壇やメディア・国・自治体・他企業からの取材は、法人内で活動するだけでは依頼が来ないからです。

こちらを満たすには以下のような方法が考えられます。

【外部からの取材を獲得する方法】
  • 所属している保険者(協会けんぽや健康保険組合)の健康宣言事業で表彰され、そこから講演や取材につなげる
  • プレスリリースを発信して、各メディアに取り上げてもらう
  • 地元の県政記者クラブや市政記者クラブなどにプレスリリースを投函する

ただ、いずれも確実な方法ではないため、一般的な知名度が低い中小企業やBtoB系の企業にとっては、かなり達成が難しい項目であることは間違いありません。

この項目を満たさないと不適合が確定するわけではないので、できるだけ他の項目を多く満たすようにするとよいでしょう。

【該当設問】これまで依頼されて実施した情報発信がある場合、どのような内容について発信を行っていますか。

  • 健康経営に関する認定(健康経営優良法人認定や、地域での認定等)の取得状況
  • 健康経営に取り組む目的・方針
  • 健康経営に取り組む体制
  • 健康経営の取り組みの実施内容
  • 健康経営に関する取り組み結果や効果
  • 今後の健康経営における目標や計画
  • 健康経営実施の目的・方針、体制、目標、取り組み、結果等を一連のストーリーとして発信

○解説
講演に登壇したり、外部からの取材を受けたりしたことがない場合、こちらも自動的に未達成になってしまいます。

この項目を満たさないと不適合が確定するわけではないので、できるだけ他の項目を多く満たすようにするとよいでしょう。

健康経営優良法人(中小規模法人部門)の取り組みはできるだけ早期に開始すべき

健康経営優良法人(中小規模法人部門)の取り組みはできるだけ早期に開始すべき
健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定要件には、準備に時間がかかるものも複数あるため、できるだけ早期から取り組みを開始するのが重要です。

今回のページの内容を参考に、まずは加入している保険者(協会けんぽや健康保険組合)に相談して、申請時に必須となる健康宣言事業への参加から着手してみましょう。

なお、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定要件では従業員の健康管理やメンタル不調者への対応整備が重視されていますが、なお、弊社でも社員のメンタルヘルス・体調の推移をチェックし、早期対応を実現できるツール「おりこうブログHR」を提供しております。

おりこうブログHRには企業ホームページの作成機能もありますので、健康宣言事業への参加や情報発信の認定要件を満たすのも簡単になります。

また、条件に合う産業医をマッチングし、社員へのオンラインスポット面談を依頼できるサービスもご案内可能です。

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