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『サーチ・インサイド・ユアセルフ 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』健康経営書籍レビュー

『サーチ・インサイド・ユアセルフ 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』
健康経営に関する本・書籍をご紹介。 
今回は『サーチ・インサイド・ユアセルフ 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』(著:チャディー・メン・タン)の読みどころやポイントを紹介します。
本書は、Googleの元特別研究員であり自己開発責任者である著者が、EQの概要やマインドフルネスの理論、実際のトレーニング方法などについて紹介している本です。
【特に重要なポイント・内容】
  • EQ(Emotional Intelligence Quotient/心の知能指数)の定義は、アメリカの社会心理学者ピーター・サロベイとニューハンプシャー大学の心理学者ジョン・D・メイヤーによって次のように定められた。
 
EQとは自分自身と他人の気持ちや情動をモニターし、見分け、その情報を使って自分の思考や行動を導く能力である。
 
  • アメリカの心理学者ダニエル・ゴールマンは、著書(※)で「情動的な能力は生まれつきの才能ではなく、学んで身につけた能力である」と記した。また、ゴールマンはEQを以下5つの領域に分類することで、EQの構造を捉えやすくしている。
 

  1. 自己認識:自分の内面の状態、好み、資質、直感を知ること
  2. 自己統制:自分の内面の状態、衝動、資質を管理すること
  3. モチベーション(動機付け):目標達成をもたらしたり助けたりする情動的な傾向
  4. 共感:他人の気持ち、欲求、関心を認識すること
  5. 社会的技能:他人から望ましい反応を引き出すのに熟達していること
  • EQは、私たちが自分自身の持続可能な幸せのおぜん立てをするのを助ける技能をもたらしてくれる。フランスの仏教僧であるマチウ・リカールは、幸せを「ずば抜けて健全な心から湧き起こる、好調の極みにあるという深い感覚……ただの気持ちの良い感覚やはかない情動、あるいは気分ではなく、最適の存在状態」と定義している。そして、その最適の存在状態は「心がどう機能するかを鋭敏に理解することで到達する深遠な情動のバランス」だという。(※)


  • EQは大人になってからでも高められる。EQを高めるトレーニングとしてまず始めることは「注意力を鍛える」ことだ。実は、穏やかさや明瞭さをもたらす強くて安定した鋭敏な注意は、EQを築き上げる土台である。たとえば、自己認識は自分を客観的に眺める能力があってこそのもので、客観的に眺めるには、自分の思考と情動を第三者の立場から眺める能力を必要とする。そのためには、安定していて、明瞭で、評価や判断とは無縁の注意が求められる。
 
  • 注意力のこの特質を鍛える方法は、「マインドフルネス瞑想」と呼ばれる。マインドフルネスは私たちの誰もがときどき経験し、楽しむ心の特質だが、練習によって大幅な強化が可能だ。さらにいったん十分強化されれば、EQの土台となる穏やかで明瞭な注意に直結する。

  • 他にマインドフルネスを練習する素晴らしい方法は、他人のためにマインドフルネスをその人に向けることである。評価や判断とは縁のない心をもって、一瞬一瞬の注意をすべて別の人に向け、注意がそれるたびにそっと元に戻す。これをマインドフル・リスニングという。
 
  • マインドフルネス・リスニングでは、普通の聴き方とは違うやり方で聴く練習をする。これは、家族や友人とペアになって行い、交代で話し手と聞き手になる。以下はトレーニング方法の詳細である。
 
<話し手のすること>
話し手は遮られることなく、1人で3分間話し続ける。もし話すことが無くなったら黙って座って、言うことを思いつくたびにまた話し始める。この3分間は完全に話し手のものなので、好きなようにその時間を使って構わない。そして、話す気になったときにはいつでも耳を傾けてくれる人がいると心に留めておく。
 
<聴き手のすること>
とにかく話し手に耳を傾ける。耳を傾けるときには、注意をすべて話し手に注ぐ。この3分間は決して質問をしてはならない。顔に表情を浮かべたり、うなずいたり、相槌をうったりして、聴いているという意思表示をするのは構わない。そのような意思表示以外には口を利いてはいけないし、意思表示もやりすぎないようにする。話し手を誘導してしまいかねないからである。もし、話し手の言うことが無くなったら、そのまま黙っているのに任せ、また話し始めたら耳を傾ける。
 
これを3分間ずつ交替して行う。お互いが終了したら3分間振り返りをし、実践した時間が自分にとってどのような経験だったかを2人で話し合う。
  • 前述したトレーニングを継続するのが非常に重要であるが、練習を続けるのが難しくなる人も多い。練習を継続する方法として、以下の3つをお勧めする。

1.仲間を作ること:たとえば、ジムにひとりで通い続けるのは辛いが、一緒に行く約束をした仲間がいれば、定期的に通う可能性がぐんと高まる。こうすればお互いに励まし合えるからである。マインドフルネスも同様で、同じ練習をする仲間を見つけ、毎週必ず15分言葉を交わし、最低でも2つの話題について語るといいだろう。

2.めいっぱいやらないこと:たとえば、マインドフルネスの練習を毎日5分するのが面倒なら、3~4分だけ1日に2~3回だけやるといい。練習を負担にしないのがコツだ。

3.1日ひと息だけやること:毎日必ずひと息だけ、マインドフルな呼吸をするだけで十分だ。注意しながら1回息を吸って吐けば、その日のノルマを果たしたことになる。1回の呼吸が重要なのには2つ理由がある。第一に勢いだ。1日1度マインドフルな呼吸をすると決めれば、このノルマは簡単に果たせ、練習の勢いを保てる。第二に瞑想する意図を生み出すこと自体が瞑想だからだ。この練習により、毎日自分に対して優しくてためになることをする意図を生み出すように促される。すると、やがて自分に向けられたこの優しさが貴重な心の習慣になる。自分に向けた優しさが強ければ、マインドフルネスも優しくなる。

本書の後半では、よりビジネス向けのマインドフルネストレーニングや事例について詳しく紹介されています。
日常生活の中でマインドフルネスを身につけ、仕事に役立てたいという方にオススメの本です。
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