オフィス・工場の職場巡視について「そもそも職場巡視とは?」「オフィスの職場巡視のポイント」「工場での職場巡視のポイント」といった内容で解説します。
そもそも職場巡視とは?
職場巡視は、実際に従業員が働く現場をみて、安全衛生上の問題はないか確認し、問題があれば、改善策を検討し、巡視毎に作業環境の改善を図っていきます。
巡視は、衛生管理者は週1回、産業医は月1回行うことが定められており、衛生委員会等でその情報を共有します。
職場巡視を実施する上では、「PDCAサイクル」を意識して行うことが重要です。PDCAサイクルとは、PLAN(計画)、DO(実施)、CHECK(評価)、ACTION(改善)の頭文字をとったもので、立案~実施~改善までを一連のサイクルとして繰り返し行うことで、年間を通して、職場の改善を図ることを目的としています。
職場巡視におけるPDCAサイクルの具体的な内容について下記に示します。
巡視は、衛生管理者は週1回、産業医は月1回行うことが定められており、衛生委員会等でその情報を共有します。
職場巡視を実施する上では、「PDCAサイクル」を意識して行うことが重要です。PDCAサイクルとは、PLAN(計画)、DO(実施)、CHECK(評価)、ACTION(改善)の頭文字をとったもので、立案~実施~改善までを一連のサイクルとして繰り返し行うことで、年間を通して、職場の改善を図ることを目的としています。
職場巡視におけるPDCAサイクルの具体的な内容について下記に示します。
まずは、PLANで職場に「どのようなリスクがあるのか」を見出していきます。作業工程・内容を把握し、「有害物扱いの有無」「VDT作業の有無」「作業用機械の有無」等を確認していきます。これは、その職場ごとに大きく内容が異なります。次の章では、オフィスと工場などの現場それぞれの実際の巡視ポイントについて解説します。
オフィスの職場巡視のポイント
①VDT(Visual Display Terminals)作業環境・作業管理の確認
長時間になりがちなオフィスでのパソコンを使ったVDT作業。作業環境管理・作業管理の視点でのチェックが必要不可欠です。
VDT作業中の従業員の姿勢をチェックし、机の高さ、PCや周辺機器の位置、照明の明るさ等が適切か確認しましょう。また、同じ姿勢での長時間作業となっていないか、適宜休憩し、姿勢をチェックするなど健康障害の予防への注意喚起について、衛生管理者と話し合いましょう。
VDT作業中の従業員の姿勢をチェックし、机の高さ、PCや周辺機器の位置、照明の明るさ等が適切か確認しましょう。また、同じ姿勢での長時間作業となっていないか、適宜休憩し、姿勢をチェックするなど健康障害の予防への注意喚起について、衛生管理者と話し合いましょう。
②オフィス環境の測定結果の確認
オフィスでは2か月毎に「事務所衛生基準規則」に基づいて、温湿度、CO2濃度、照度などを測定しています。これらの結果を確認し、巡視時にはその結果と実際のオフィス環境とを照らし合わせながら確認しましょう。温湿度計の設置場所についても再度確認したほうがよいでしょう。
③防災対策の確認
地震や火災などが起きた際の防災対策についても確認しましょう。避難経路の確保とその周知が徹底されているか、地震対策として、オフィスの大型家具の転倒防止対策、災害時の備品などについて確認してください。普段から労働安全衛生の「5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)活動」を守ることが大切ですね。
※5S活動・・・労働安全衛生法を遵守することを目的に、職場環境の維持改善に用いられるスローガン。
※5S活動・・・労働安全衛生法を遵守することを目的に、職場環境の維持改善に用いられるスローガン。
④分煙環境の確認
2014年の改正労働安全衛生法の中で、受動喫煙防止対策は努力義務として法制化されました。そしてさらに、2020年4月1日からは改正健康増進法の施行によりオフィスにおいても全面受動喫煙防止の対策をする義務が発生し、対応していない企業には罰則を課せられる可能性もあります。
巡視前に企業が取り組んでいる喫煙対策を確認し、法改正に向けた対策の見直し、および「屋内完全禁煙」「喫煙室」等の設置に問題がないか確認してください。
巡視前に企業が取り組んでいる喫煙対策を確認し、法改正に向けた対策の見直し、および「屋内完全禁煙」「喫煙室」等の設置に問題がないか確認してください。
工場での職場巡視のポイント
作業場をもつ職場の巡視は多種多様です。まずは巡視の前「PLAN」の段階で、下記の内容を確認することから始めましょう。
- 作業工程・内容の把握
- 有機物取り扱いの有無
- 作業場で使用する機器の把握
- 巡視用チェックリストの作成
上記を事前に衛生委員会等で企業側と産業医で話し合い、準備した後、初回の職場巡視では、実際の作業工程・内容について、現場監督者が説明しながら産業医と二人三脚で巡視をすると、巡視の注意点が明確化します。
巡視後に、再度作成したチェックリストを見直し、修正することで、2回目以降の職場巡視が効率的に、漏れなく行うことができます。職場巡視は労働者がいるすべての場所に対して行います。ですので、場所によっては、産業医自身にも適切な作業着や保護具を使用してもらい、労働者が働いている現場を巡視し、もし保護具の未着用や作業工程に問題があれば、指摘して改善していきます。
最後に職場巡視で気を付けなければならないのが、「チェックリスト」ばかりに頼り、それ以外の部分をみないことが常態化してしまうことです。チェックリストに従って巡視するのはよいですが、作業全体・職場全体を隅々までチェックすることで、最初は気づかなかった点や季節によって異なる問題が見えてくる場合もあります。PDCAサイクルを意識した有意義な職場巡視へと繋げていきましょう。
監修者情報
株式会社メディカルコンチェルト
産業医と企業を結ぶマッチングサービスを事業として展開。従業員をサポートする「オンライン産業医面談」や経営者をサポートする「嘱託産業医」など、多方面から“企業全体の健康”に寄り添うサービスを提供。
公式サイト:https://medical-concerto.com/
産業医と企業を結ぶマッチングサービスを事業として展開。従業員をサポートする「オンライン産業医面談」や経営者をサポートする「嘱託産業医」など、多方面から“企業全体の健康”に寄り添うサービスを提供。
公式サイト:https://medical-concerto.com/