
- 「自己肯定感という言葉をよく聞くけど、どういう意味?」
- 「日本人は自己肯定感が低いと言うけれど、低いと何が問題なの?」
- 「自己肯定感を高めるための具体的な方法が知りたい。」
このような疑問やお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「自己肯定感」をキーワードに、言葉の定義や自己肯定感を高めるメリット・方法などについて、詳しく紹介していきます。
自分の自己肯定感を高めたい、部下の自己肯定感の低さが気になるなどのお悩みを持つ方はぜひご覧ください。
目次
自己肯定感とは
自己肯定感とは、「自分の価値や存在意義を肯定し、自分自身を前向きに評価できる感情」です。簡単に言うと、「自分はこのままでいい」「自分には価値がある」と思える心の状態を指します。
自己肯定感が高い人は、自分の長所だけでなく短所も受け入れながら、自分を大切にできます。一方、自己肯定感が低いと「自分はダメだ」「価値がない」と感じやすくなり、ネガティブな思考に陥りやすくなるのです。
自己肯定感が高い人と低い人の特徴
自己肯定感が高い人と低い人にはそれぞれ特徴があります。そちらをご紹介します。

【自己肯定感が高い人】
- 前向きで主体性がある:物事を積極的に捉え、自ら行動を起こせる。
- 失敗を恐れずチャレンジする:失敗を成長の一部と考え、新しい出来事にもどんどんチャレンジする。
- 他人の意見を尊重する:自分に自信があるため、他者の意見や価値観を素直に受け入れ、柔軟なコミュニケーションができる。
- メンタルが安定している:自己受容(※)ができているため、感情の起伏が少なく、安定した精神状態を保つ。
※自己受容:ありのままの自分を認め、受け入れること
自己肯定感が高い人=自己中心的というわけではありません。
自己肯定感と自己中心的の決定的な違いは、自己肯定感の高い人が「自己受容」ができているのに対し、自己中心的な人は「自己優先」だということです。
自己肯定感が高い人は自分の価値を認めつつ、他者の存在も尊重しますが、自己中心的な人は「自分が正しい・大事」と考え、他人を軽視する傾向があります。

【自己肯定感が低い人】
- 自分と他人を比較する:自分の価値を他者と非悪して判断し、劣等感を抱くことが多い。
- 物事を否定的に捉える:自分に自信がもてず、物事のネガティブな側面に注目しがち。
- 人間関係がうまくいかない:自己防衛的になり、他者との信頼関係を築くのが難しい場合がある。
- 完璧主義である:完璧を求めるあまり、失敗を極度に恐れ、自己否定につながることがある。
自己肯定感が低い人は、自分を責めるクセがあることが多いです。
ただし、上記はあくまでも特徴の一部をご紹介したものになり、これらに当てはまるからといって自己肯定感の高低を決めるものではありません。人によって異なりますのでご留意ください。
日本人は自己肯定感が低い?
日本人の自己肯定感が他国と比較して低いという結果は、さまざまな調査で明らかになっています。
たとえば、内閣府が実施した「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査」では、日本の若者の自己肯定感の低さが際立っています。

調査の中に、人生の意義について「過去30日間でのあなたの経験について教えてください。」という質問があります。
その中でも「自分の人生には方向性や意味があると感じた」の項目で「一度も思ったことがない」と答えた若者が、日本では26.4%おり、諸外国と比較して圧倒的に多いです。
その中でも「自分の人生には方向性や意味があると感じた」の項目で「一度も思ったことがない」と答えた若者が、日本では26.4%おり、諸外国と比較して圧倒的に多いです。

また、自己認識について「次のことがらがあなた自身にどのくらいあてはまりますか。」との質問があります。
その中でも「私は、自分自身に満足している」の項目で「そう思う」と答えた若者が、日本ではわずか16.9%に留まっており、諸外国と比較し、自分自身への満足度が非常に低いと分かります。
これらの結果から読み取れるように、日本の若者は諸外国と比較し、自己肯定感がかなり低い傾向にあります。
自己肯定感が高いことのメリットと自己肯定感が低いことのデメリット
さて、ここまで自己肯定感について話してきましたが、実際自己肯定感が低くて何が悪いの?と思われる方もいるかもしれません。
ここからは、自己肯定感が高いことによるメリットと自己肯定感が低いことによるデメリットについてそれぞれ紹介します。
ここからは、自己肯定感が高いことによるメリットと自己肯定感が低いことによるデメリットについてそれぞれ紹介します。
自己肯定感が高いことのメリット
1.挑戦意欲の高さと成長

自己肯定感が高いと、新しい仕事に対しての失敗を恐れず何事にも挑戦できます。そのことにより、イノベーションやキャリアアップの機会が増えると考えられます。
【具体例】
・新規プロジェクトへの積極的な参加
・転職や企業などキャリアの選択肢の拡大
2.ストレス耐性の強さとメンタルの安定
自己肯定感が高いとどんなことにおいても自己受容が出来ているため、プレッシャーや失敗を引きずりにくくなり、仕事のパフォーマンスが安定します。つまり、プレッシャーの多い仕事においてもメンタルが折れにくいのです。
【具体例】
・クレーム対応や交渉でも冷静に対処
・クレーム対応や交渉でも冷静に対処
・失敗から学び、次に活かせる
3.自己主張と協調性のバランスがとれる
自己肯定感が高い人は、自分の意見をもちながらも相手の意見も尊重できるため、リーダーシップやチームワークが向上します。
【具体例】
・上司や部下と良好な関係を築ける
・会議等で自信をもって発言できる
4.モチベーションが高く、成果を出しやすい
自己肯定感が高いと、「自分ならできる」という自信が行動につながるため、成果を出しやすくなります。つまり高い生産性やパフォーマンスを発揮できるのです。
【具体例】
・自ら学び、スキルアップに努める
・仕事への前向きな姿勢が評価される
5.周囲に良い影響を与える

ポジティブな姿勢が周りに伝わり、チーム全体の雰囲気がよくなるため、組織のパフォーマンス向上や離職率の低下にもつながります。
【具体例】
・前向きな発言や行動でチームを鼓舞
・前向きな発言や行動でチームを鼓舞
・部下や同僚の自己肯定感も高める
自己肯定感が高いと、ビジネスにおいてこのようなメリットがあります。これは結果的に、個人の成長だけでなく、チームや会社の業績向上にもつながる重要な要素となります。
自己肯定感が低いことのデメリット
1.自信がなく積極的に行動できない
自己肯定感が低いと「自分にはできない」「間違えたらどうしよう」と考え、行動をためらうことが多くなり、成長やキャリアアップの機会を逃してしまいます。
【具体例】
・会議等で意見を求められても発言できない
・新しい仕事に挑戦せず、現状維持にとどまる
2.失敗を過度に恐れ、ストレスを抱えやすい

自己肯定感が低い人は、失敗をすると「自分はダメだ」と過度に落ち込み、立ち直りに時間がかかる傾向があります。その分ストレスが溜まりやすく、仕事の効率も下がってしまうのです。
【具体例】
・些細なミスで過度に自責し、業務が手につかなくなる
・プレッシャーに弱く、重要な場面で実力を発揮できない
3.他人と比較して劣等感を抱きやすい

自己肯定感が低いと、他人と比較して落ち込むことが増えます。それによりモチベーションが下がり、自己成長を阻害してしまいます。
【具体例】
・同僚の成功を見て「自分には無理だ」と諦める
・他人と比べてばかりで、自己成長の機会を逃す
4.自己評価が低く、適正な評価を受けにくい
自己肯定感が低いと、自分の成果を正しく認識できず、自己評価を低く見積もりがちです・その結果昇進や昇給のチャンスを逃してしまう可能性もあります。
【具体例】
・上司に「もっと自信をもったほうがいい」と言われる
・自分の実績をアピールできず、評価されにくい
このように自己肯定感が低いと、仕事の成果が出にくくなり、長期的にみるとキャリアの停滞やメンタル不調につながる可能性があります。
自己肯定感を高めるポイント・方法
ここまでで、自己肯定感を高めることがビジネスにおいても非常に重要であると分かっていただけたと思います。
最後に自己肯定感を高めるポイントやその方法について紹介します。
最後に自己肯定感を高めるポイントやその方法について紹介します。
1.自分の長所や成功体験に目を向ける

自己肯定感が低い人は、自分の短所や失敗ばかりに目を向けがちですから、意識的に「できたこと」や「調書」を見つける習慣をつけましょう。
【具体例】
・1日1つ「今日うまくいったこと」をノートに書く
・自分の長所を10個書き出し、目につくところに貼る
・過去の成功体験を振り返る
2.「完璧でなくてもいい」と考える
前述した通り、自己肯定感が低い人は完璧主義になりがちな傾向にあります。7割できていたらOKと考える癖をつけましょう。
【具体例】
・「100%完璧にしないとダメ」という考えをやめる
・ 「ミスしても大丈夫」「次に活かせばOK」と言い聞かせる
・できた部分に目を向け、「ここまではできた!」と自分を認める
3.他人と比較するのをやめる
自己肯定感が低い人は、つい他人と比較して劣等感を抱きがちです。比較するのは他人ではなく「昨日の自分」にして、成長を実感しましょう。
【具体例】
・比較対象がたくさんいるSNSを見すぎない
・「自分は自分、人は人」と意識する
・昨日、1週間前、1年前の自分と比較し、小さな成長を見つける
4.ポジティブな言葉を使う

ネガティブな言葉を使うと無意識のうちに自己肯定感が下がることがあります。ポジティブな言葉に言い換える習慣をつけましょう。
【具体例】
・「どうせ自分なんて…」→「自分なら大丈夫」
・「失敗しそう」→「挑戦できるチャンス」
・「うまくできなかった…」→「ここまで頑張れた!」
5.自分を褒める習慣をつける
自己肯定感が高い人は、小さなことでも自分を認めるのが上手です。「できて当たり前」ではなく、「できた自分を褒める」ことを大切にしましょう。
6.体を整え、心の安定をつくる

自己肯定感は、心の状態だけでなく、体の状態にも影響される場合があります。日頃から健康的な生活を心がけ、メンタルを安定させましょう。
【具体例】
・睡眠をしっかりとる。理想は7時間以上の睡眠です。
・バランスの良い食事を摂るよう心がける
・適度な運動(ウォーキングやストレッチ)を取り入れる
7.ありのままの自分を受け入れる
・出来ないことがあっても、それが自分だと受け入れる
・ダメな自分も含めて、今の自分を大切にしようと考える
・他人の評価ではなく、自分がどう感じるかを大切にする
これらのようなポイントを押さえながら、自己肯定感を高めていきましょう。
自己肯定感を高めるためには、できることから少しずつ実践しましょう!
自己肯定感を高めるメリットや、高めるためのポイントを述べてきましたが、すべてを一気にやる必要はありません。
自己肯定感を高めたいと始めた活動が上手くいかずに、自分は何もできない…となってしまっては意味が無いからです。
自分のできる範囲で少しずつ今までの考え方や行動を見直すだけでも、自己肯定感は高まっていきますから、できることからコツコツ実践していくのが大切です。
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