- 「モラルハラスメントという言葉をよく聞くけど、具体的にどのようなものなんだろう?」
- 「職場のモラルハラスメント対策を進めたいが、何から手を付けていいかわからない…」
このような疑問やお悩みをお持ちの方のために、今回はモラルハラスメント(モラハラ)について紹介します。
モラルハラスメント(モラハラ)の定義や種類、職場での対策方法などを簡単に説明します。
モラルハラスメント(モラハラ)について詳しく知りたい方、職場のモラハラ対策を進めたい方はぜひご覧ください。
目次
モラルハラスメント(モラハラ)とは
まずはモラルハラスメント(モラハラ)の意味・定義について説明します。
モラルハラスメント(モラハラ)とは、「人間関係や言動によって倫理や道徳に反した嫌がらせをし、他者の精神的な健康や尊厳を傷つける行為」を指します。
モラハラは身体的な被害を与えるものではありませんが、家庭や職場といった閉鎖的な空間・関係性において被害者に対し精神攻撃を行い、深刻なストレスや不安感を引き起こすのが特徴です。
また本人が辛いと思っていても、外部から気づきにくく、発覚しづらいのも特徴のひとつです。
モラルハラスメント以外にも、職場におけるハラスメントは多数あります。
その他のハラスメントについて詳しく知りたい方は、以下参考ページをご覧ください。
モラハラが職場・会社に与える悪影響
職場内で起きたモラハラを放置し続けていると、職場・会社にとって悪影響を及ぼします。問題が大きくなる前に食い止められるよう、モラハラが職場・会社に与える悪影響について理解しておきましょう。
1.法的責任を追及されるリスクがある
モラハラは個人間だけの問題ではなく、会社全体の問題です。会社がモラハラの防止や問題発生時の対応を怠ると、損害賠償請求などの法的責任を追及されるリスクがあります。
2.離職率が高まるリスクがある
モラハラの被害者はひどい精神的苦痛を受けている場合が多いです。ケースによっては、うつ病や適応障害などの精神疾患を発症し、休職・離職に追い込まれることもあります。また被害者だけでなく、モラハラを日常的に目撃していた第三者にも悪影響を及ぼし、離職率が高まるリスクがあります。
3.心理的安全性が低下し、業務の生産性が悪化する
モラハラの被害を受けることで、被害者は「いつまたひどいことを言われるか」と怯えてしまい、仕事に集中できません。その結果仕事の生産性が悪化するリスクがあります。また、「もしかしたら、自分もモラハラを受けてしまうのではないか…」との考えから、他の従業員の心理的安全性も低下してしまいます。
心理的安全性の低い企業では従業員のモチベーションが下がり、業務の生産性も悪化してしまうのです。
心理的安全性について詳しく知りたい方は下記の参考ページをご覧ください。
職場のモラハラの具体例
ここまでモラハラの意味や定義、モラハラによる悪影響などについて説明してきました。
次は、職場で起こりうるモラハラの具体例について紹介します。
精神的苦痛を与える行為
- 人格否定にあたる発言
- 相手の容姿を中傷する発言
- わざと人前で叱責する
- 暴言・悪口や、わざと本人に聞こえるような陰口
- 舌打ち、わざとらしいため息 など
これらの精神的苦痛を与える行為はモラハラに該当します。
集団の中に入れないよう仕向ける
- 無視をする
- チームから1人だけ仲間外れにする
- 行事・会議・ミーティングなどに誘わない など
このように特定の人間だけを切り離したり、故意に孤立させたりするような行為もモラハラとなります。
業務の妨害
- 明らかに1人では処理できない業務を押し付ける
- 故意に必要のない残業をさせる
- 仕事を与えない
- 雑務しかさせない
- 業務に必要な情報を与えない
- 必要な報告・連絡を共有しない など
明らかな過重労働を強いること、また反対に業務を与えないことはモラハラに該当します。
プライベートへの過度な干渉
- 休日の付き合いを過度に強要する
- 終業後や休日などのプライベートの時間の行動を把握しようとする
- 家族や恋人について執拗に尋ねる など
プライベートについてしつこく聞き出したり介入したりされ、不快に感じる従業員もいます。これらの行為もモラハラになります。
モラハラとパワハラの違い
モラハラとパワハラには似ていますが、その背景に違いがあります。パワハラが立場の優位性を背景にしているのに対し、力関係の優位性を背景とせず、あくまでも個人対個人の関係性において精神的な嫌がらせ行為をするのがモラハラです。
パワハラについて詳しく知りたい方は、以下参考ページをご覧ください。
職場におけるモラハラの予防・対策法
ここまでで、モラハラの予防・対策が企業にとって重要だとおわかりいただけたと思います。
最後に職場におけるモラハラの予防・対策法について紹介します。
モラハラをしている従業員に、上司から直接注意する
モラハラをしている従業員を見かけたら、上司から直接注意するのが効果的です。
相談窓口などに行きづらいと感じた場合は、まず自分の上司にモラハラを受けていると話し、解決できるよう動いてもらいましょう。
複数人で協力し、モラハラをしている従業員と距離をとる
誰彼かまわずモラハラ発言を繰り返している従業員とは、距離をとることも必要です。ひとりで距離をとるのが難しい場合は、事情を理解してくれている同僚など複数人で協力して、距離をとるようにしましょう。
社内に相談窓口を設置する
従業員からの相談に対し、その内容や状況に応じ適切かつ柔軟に対応するために、必要な体制を整備しましょう。
モラハラ専用の相談窓口というよりは、ハラスメント全般に対応できる窓口の設置を推奨します。
モラハラが犯罪になりかねないことを社内周知する
モラハラを予防するためには、従業員がモラハラに対する正しい知識をもつことが重要です。モラハラは「侮辱罪」や「名誉棄損罪」などの罪に問われる可能性もあります。モラハラが犯罪になりかねないことを、企業のトップから社内に周知しましょう。
モラハラは個人間のみでなく企業全体の問題!
モラハラは被害者と加害者のみでなく、職場全体に影響を与える問題です。また、モラハラを正しく理解していなければ、誰もが被害者、加害者になりかねません。
企業として従業員のリテラシーを高めるなどの対策を早めに行いましょう。
また、ハラスメント対策は健康経営を実現するうえでも役立ちます。健康経営について詳しく知りたい方は、以下参考ページをご覧ください。
参考ページ:健康経営とは? 意味とメリット、やり方・取り組み例を初心者向けに解説
参考ページ:健康経営とは? 意味とメリット、やり方・取り組み例を初心者向けに解説
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