今回は日々バリバリとお仕事している方なら誰もが経験するかもしれない「燃え尽き症候群」(バーンアウト)について紹介します。
症状や予防法、職場での対処方法などを解説しますので、最近お仕事に疲れを感じている方や、人事労務担当者はぜひご覧ください。
目次
燃え尽き症候群(バーンアウト)とは
燃え尽き症候群とは、別名「バーンアウト」とも呼ばれ、それまで熱心に仕事や学業に邁進していた人が、突然やる気を失い無気力になってしまう状態のことです。
努力に見合った結果が出なかった場合や、逆に大きな目標を達成したことで打ち込めるものがなくなった場合に、燃え尽き症候群に陥るケースが多いです。
燃え尽き症候群から離職に繋がるケースも少なくないので、予防や改善が重要になってきます。
努力に見合った結果が出なかった場合や、逆に大きな目標を達成したことで打ち込めるものがなくなった場合に、燃え尽き症候群に陥るケースが多いです。
燃え尽き症候群から離職に繋がるケースも少なくないので、予防や改善が重要になってきます。
燃え尽き症候群の症状・特徴
燃え尽き症候群の症状(特徴)には、大きく分けて以下の3つがあると言われています。
【燃え尽き症候群の症状・特徴】
- 情緒的消耗感
- 脱人格化
- 個人的達成感の低下
それぞれ詳しく紹介していきます。
1.情緒的消耗感
『情緒的』となっている通り身体的疲労ではなく、こころが疲れてしまっていることを指します。
顧客や社内への思いやり、信頼関係の構築などを頑張った結果、消耗してしまった状態です。
【情緒的消耗感の例】
- 今まで楽しいと感じていた仕事が急につまらないと感じるようになる
- 仕事に集中しすぎて、身も心も疲れ果てたと感じる
2.脱人格化
情緒的消耗が進むとこの「脱人格化」が起こってしまいます。
それまでの人格が嘘のように周囲に攻撃的になったり、悪口を言ったり、思いやりのない態度を取るようになってしまいます。
【脱人格化の例】
- 担当のお客様や同僚、部下を見るとイライラしてくる
- 以前は行っていた周囲への気配りや配慮をしたくないと感じる
3.個人的達成感の低下
ここまでくると顧客や同僚とのコミュニケーションにも影響が出てきて、生産性が明らかに低下してきます。
仕事の質が落ちることにより、今まで当たり前にできていた事ができなくなり成果も出なくなるでしょう。
その結果、達成感や仕事のやりがいを感じなくなり、うつ状態に陥る可能性もあります。
【個人的達成感の低下の例】
- 仕事を終えても達成感を感じない
- 仕事がうまくいかず、自己否定の気持ちが以前より大きくなった
燃え尽き症候群の2つの要因
燃え尽き症候群には大きく分けて以下の2つの要因があると考えられています。
【燃え尽き症候群の要因】
- 個人要因
- 環境要因
それぞれ詳しく紹介していきます。
1.個人要因
これは個人ごとの特性・個性に端を発する要因になります。
人それぞれ考え方も生き方も違いますので何が良い悪いということはなのですが、あくまで傾向として考えていただければと思います。
【燃え尽き症候群になりやすい方の傾向】
- ひたむきに仕事に打ち込みがんばり続ける人
- 何事にも完璧を追い求める人
- 顧客や同僚との信頼関係構築を深く築くために努力する人…などが挙げられます。
よく言う『がんばり屋さん』や『完璧主義者』のような方は要注意です。
仕事で思うようにいかなかった、何かトラブルが起きてしまったなどのタイミングで崩れてしまうことも多いです。
2.環境要因
こちらは現在の仕事環境が影響する傾向や要因になります。
【燃え尽き症候群が発生しやすい環境要因】
- 長時間労働が続き、残業が日常的に発生している
- 過剰なノルマなどで強い負担を感じている
- 評価制度が不透明で、正当に評価してもらえていないと感じている
- 仕事とプライベートの境目がはっきりせず、仕事中心の生活になっている
最近ではリモートワークを実施する企業様も多く、仕事とプライベートの切り替えが難しいというご相談も多くいただきます。
出勤時間と退勤時間があいまいになってしまっているのも一つの要因です。
燃え尽き症候群の予防法は?
さて、ここまで燃え尽き症候群の特徴や要因、原因などを紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
結構当てはまるもの多いのではないでしょうか?
ここからは、誰にでも起こりうる燃え尽き症候群に陥らないためにはどうすればいいのかを紹介します。
結構当てはまるもの多いのではないでしょうか?
ここからは、誰にでも起こりうる燃え尽き症候群に陥らないためにはどうすればいいのかを紹介します。
燃え尽き症候群の予防法1.セルフケア
まずは、自分自身のセルフケアです。
良い仕事をするうえで一番重要になってくるのが健康です。
良い仕事をするうえで一番重要になってくるのが健康です。
バランスの取れた食事と睡眠時間の確保
どんなに忙しい状況でもバランスの取れた食事と睡眠時間の確保をおこないましょう。
特に睡眠は重要です。睡眠不足に陥ると脳の神経細胞の修復が追い付かずに感情のコントロールが難しくなると言われています。その状態が続いてしまうと、うつ状態になる危険性も大きくなりますので注意が必要です。
昔から言われているように、「よく食べ、よく眠る」。
単純なようで一番効果があることだと考えています。
特に睡眠は重要です。睡眠不足に陥ると脳の神経細胞の修復が追い付かずに感情のコントロールが難しくなると言われています。その状態が続いてしまうと、うつ状態になる危険性も大きくなりますので注意が必要です。
昔から言われているように、「よく食べ、よく眠る」。
単純なようで一番効果があることだと考えています。
仕事とプライベートの切り替えを明確にする
また、在宅勤務やリモートワークによって仕事とプライベートの切り替えができていない方も多いです。こちらも対策が必要です。
なるべく、勤務外は仕事用のパソコンをシャットダウンする、メールや電話も見ないようにするなどして強制的に切り替えをおこなうようにしましょう。
おすすめの対処法は「仕事用のスペース(デスク)とプライベートの空間を分ける」です。
「そんなに部屋なんか分けられないよ」と考えている方もいると思いますが、無理に部屋を分ける必要はありません。
例えばベッドの上でゴロゴロしながらパソコン業務をしていませんか?
部屋着のままで仕事に打ち込んでいませんか?
【テレワーク中に仕事とプライベートを切り替える方法】
- ベッドやソファの上に仕事用パソコンを持ち込まない
- 勤務時は外行きの恰好に着替える
この2点を実行するだけでも仕事とプライベートは気分的に分けることが可能です。
燃え尽き症候群の予防法2.ラインケア
自分が燃え尽き症候群にならないよう注意するのはもちろんですが、同じ会社・職場内の同僚・部下の燃え尽き症候群になるのを予防することも重要です。
当然、人事労務担当者の場合は会社全体の従業員のケアも必要になります。
当然、人事労務担当者の場合は会社全体の従業員のケアも必要になります。
これから、周りから燃え尽き症候群を出さないための予防策をご紹介していきます。
まず、できることとしては社員間でコミュニケーションを積極的に取りましょう。
※社員間のコミュニケーションを密にするには、職場の心理的安全性を高めることも非常に重要です。詳しくは以下のページをご覧ください。
さらに、業務時間が超過していないか、業務の進行状況は滞っていないか、業務量や業務の質は過重負荷になっていないか、などを確認できる仕組みづくりが重要です。
定期的に個別ミーティングにて進捗報告の機会を取るなどして予防に努めましょう。
特に新入社員や転職者、他部門からの移籍者は情緒的消耗が激しい傾向にあります。積極的に声掛けなどケアしていきましょう。
※なお、このような管理監督者などが、部下・社員の心の健康をケアして職場環境を改善する取り組みを「ラインケア」と呼びます。また、健康経営にも大きく関わる内容ですので、詳しくは以下のページをご覧ください。
燃え尽き症候群の対処方法
ここからは、もし燃え尽き症候群になってしまったときの対処方法を紹介していきます。
まずは仕事から離れて休息する
とにかく休むことです。
セルフケアでも紹介しましたが「よく食べて、よく寝て、仕事を忘れてリラックスする」。
これを心がけてください。
自分自身で異変を感じたら、まず休息をとる。
それでも回復しないようであれば、人事総務に相談して産業医面談を行うのも良いでしょう。
会社に知られたくないプライベートな情報などは面談時に産業医に申告すれば、会社に伝わることは絶対に無いです。
症状が重いようであれば病院への受診も促してくれます。
社内の同僚や部下が燃え尽き症候群に近い状態になってしまったときの対処方法
では、同僚や部下が燃え尽き症候群のような状態になってしまった場合はどうすべきでしょうか。
■休息させる
こちらも対処方法は変わりません。
休ませてあげましょう。
いきなり休職というよりかは、まずは有休を使用して様子を見ましょう。
そして落ち着いた段階で本人としっかりと話をして、原因を探りましょう。
長時間残業?業務過多?人間関係?理由は様々だとは思いますが、再発防止の為にもヒアリングはとても大事です。
周りから見て症状がかなり重い(うつ状態のようだ)や、周囲にも被害が出ている、本人へのヒアリングが難しいなど、そんな場合には休職や産業医面談で対応するのが良いかと思います。
まずは、業務から離すことが重要です。ヒアリングはそれからです。
会社によっては大きなプロジェクトが終わった段階で、1~2週間ほど休暇を取らせるところもあります。長い人だと有給や付与されている休暇をまとめて使って1ヶ月ほど海外になんてのも耳にしたことがあります(羨ましい…)。
■休息させる
こちらも対処方法は変わりません。
休ませてあげましょう。
いきなり休職というよりかは、まずは有休を使用して様子を見ましょう。
そして落ち着いた段階で本人としっかりと話をして、原因を探りましょう。
長時間残業?業務過多?人間関係?理由は様々だとは思いますが、再発防止の為にもヒアリングはとても大事です。
周りから見て症状がかなり重い(うつ状態のようだ)や、周囲にも被害が出ている、本人へのヒアリングが難しいなど、そんな場合には休職や産業医面談で対応するのが良いかと思います。
まずは、業務から離すことが重要です。ヒアリングはそれからです。
会社によっては大きなプロジェクトが終わった段階で、1~2週間ほど休暇を取らせるところもあります。長い人だと有給や付与されている休暇をまとめて使って1ヶ月ほど海外になんてのも耳にしたことがあります(羨ましい…)。
燃え尽き症候群は誰でもなってしまう可能性があるので、しっかりセルフケアしよう!
燃え尽き症候群は誰にでも起こる可能性があります。
特にまじめに仕事に取り組む人ほど陥りやすいものです。これは会社にとって優秀な人材ほど燃え尽き症候群に陥りやすいと言っても過言ではありません。
自分は大丈夫という過信をせず、日々のセルフケアをおこなって健康に働けるようにしましょう。
監修者情報
株式会社メディカルコンチェルト
産業医と企業を結ぶマッチングサービスを事業として展開。従業員をサポートする「オンライン産業医面談」や経営者をサポートする「嘱託産業医」など、多方面から“企業全体の健康”に寄り添うサービスを提供。
公式サイト:https://medical-concerto.com/
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