新型コロナワクチンの副反応について、実際に海外ではどのような副反応が生じ、その割合はどの程度なのか、どういった人がハイリスクにあたるのか、そのような疑問点を詳しく解説します。
どんな副反応があるの?
副反応には大きく分けて、「局所反応」と「全身性反応」があります。局所反応は、打った部位の皮膚に生じる反応のことです。一方、全身性反応とは、皮膚のみならず、身体、感覚など全体に及ぶ反応を指します。具体的な症状を下記に挙げます。
- 局所反応・・・発赤、硬結、腫脹、疼痛、熱感、かゆみ、など
- 全身性反応・・・頭痛、倦怠感、関節痛、発熱、など
海外での副反応の発生率
国内で投与が始まっているのはファイザー社のmRNAワクチンです。このワクチンに関して、海外のデータがアメリカ疾病予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)より報告されています。(Reactogenicity Following Receipt of mRNA-Based COVID-19 Vaccines. JAMA.2021 Apr 5)
この報告によると、ファイザー社のワクチン1回目接種後に、局所の副反応を生じた人は下記の割合になります。2回目接種後の方が全体的にやや増加傾向にあります。副反応の出現時期としては、翌日が最も多く、年齢別では65歳以上の人の方が、65歳未満の人よりも副反応の頻度が低かったとしています。若年者の方が、副反応の頻度は高い傾向にあるようです。
ファイザー社新型コロナワクチン接種後の局所副反応発生率
症状別1回目接種2回目接種局所反応全体65.4%68.6%疼痛63.6%66.5%発赤3.4%6.0%腫脹6.6%10.3%かゆみ3.8%6.3%
全身性の副反応に関しては、こちらも2回目接種後の方が、発生頻度は高い傾向にあります。倦怠感、頭痛といった副反応が見られ、2回目接種後は半数以上の方で何等かの副反応が見られました。
全身性の副反応に関しては、こちらも2回目接種後の方が、発生頻度は高い傾向にあります。倦怠感、頭痛といった副反応が見られ、2回目接種後は半数以上の方で何等かの副反応が見られました。
ファイザー社新型コロナワクチン接種後の全身性副反応発生率
症状別1回目接種2回目接種全身性反応全体48.0%64.2%倦怠感29.1%47.8%頭痛24.7%40.4%発熱7.0%21.5%関節痛7.4%19.9%
国内での副反応の発生率
それでは、国内では副反応の発生頻度はどうでしょうか。まだ、開始から間もないこともあり、データは小規模ですが、すでに厚労省より発表されています。(厚労省新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)
まず、局所の副反応ですが、接種の翌日から翌々日を中心にみられています。2回目接種後の方がやや頻度が高い傾向にありました。
次に、全身性の副反応ですが、発熱、倦怠感、頭痛などの全身反応は、若年者の方が、高齢者よりも頻度が高い傾向が報告されており、海外の結果と一致しています。特に発熱に関しては、2回目接種後の37.5℃以上の発熱は、20歳代では約50%と2人に1人の割合で報告されています。一方、50歳代は約30%、70歳代では約10%と減少しています。
接種に関するQ&A
副反応が起こりうることも考えたうえで、ワクチン接種を受けるかどうかを判断しよう
以上、新型コロナワクチンの副反応について、海外・国内の報告をまとめました。
ワクチン接種後に副反応が起きうることも織り込んだうえで、接種を受けるかどうかみなさんで判断してみてください。
監修者情報
株式会社メディカルコンチェルト
産業医と企業を結ぶマッチングサービスを事業として展開。従業員をサポートする「オンライン産業医面談」や経営者をサポートする「嘱託産業医」など、多方面から“企業全体の健康”に寄り添うサービスを提供。
公式サイト:https://medical-concerto.com/
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