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健康経営事例 
株式会社三恵シーアンドシー 様
従業員のがん早期発見のお手伝いができたことがなによりも重要な成果だと思っています。

株式会社三恵シーアンドシー
代表取締役社長 成戸 繁之 

#愛知県大府市
#治具・専用機メーカー
愛知県大府市で自動車業界を中心に、生産工程の効率化、省力化の為の治具や専用機の製作を行っておられる株式会社三恵シーアンドシー様は、2018年夏頃から健康経営の取り組みを始められて以来、従業員の健康維持や企業イメージの向上など順調に成果を上げ続けられています。

今回は代表取締役社長の成戸様と管理部の山崎様、岩井様に健康経営のお取り組みについてインタビューさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
Q.01
健康経営の取り組みを始められた時期とそのきっかけについて教えてください。

(成戸社長)
2018年夏ごろです。もともとユーザー様の健康経営の取り組みを伺って、弊社でもぜひ取り組みたいと考え社内へ話をしておりました。弊社は治具・専用機メーカーのため、作業する上で安全はすべてに優先します。その安全を保つためには一人一人が健康でなければなりません。そのため、健康経営は弊社にとって重要な課題でした。そこで、総務から“健康経営優良法人を申請してみませんか”との提案を受け、本格的に取り組むことに決めました。

(岩井様)
健康経営優良法人申請については、協会けんぽ様からのご案内があり、“社長の思いを形にするきっかけになるのでは”と考え、提案いたしました。

※健康経営優良法人…健康経営に取り組む優良な大企業・中小企業・その他法人を認定・顕彰する公的制度
参考ページ:健康経営優良法人とは? メリット・認定基準・申請方法をわかりやすく解説
Q.02
「健康経営」という言葉について始められる当時はどういうイメージを抱かれていましたか?

(成戸社長)
「健康経営」を知ったのは新聞記事や大企業様(主要なお客様)からだったため、大きい会社が取り組むイメージがあり、弊社では難しいと思ったのが第一印象でした。
しかし、もともと弊社はものづくりが中心の会社であり、安全第一が基盤であるため、一人一人が健康であることが安全に繋がるという考えから、やってみようということに結論づきました。
実際にやってみて、健康経営がどのようなものであるかを知ると、今まで既に取り組んでいたことも含まれており、日ごろ気を付けていることも内容としてあったため、そういった意味では入りやすかったです。

管理部 岩井様
Q.03
健康経営の取り組みを始められるにあたっての課題などは当時ございましたでしょうか。

(岩井様)
2018年度の定期健康診断から若年層にも血液検査と心電図検査が追加され、要病院受診・要精密検査と判定された方が35歳以上の方だけでなく、35歳未満の方も非常に多いことに驚きました。 このままでは業務その他への支障が懸念されるため、健康づくりの意識向上推進に取り組みました。

(成戸社長)
健康診断後の再受診については、毎年やり方を変えながら受診率を上げる工夫をしています。 個人情報の観点から、会社側がフォローを細かく行うのも難しく感じていましたが、安全配慮義務の観点から、やはり社員のフォローは会社の義務であるため、毎年やり方を変えながら受診率を上げる努力をしています。 

(岩井様)
19年度は再受診率が20%だったため、20年度から受診勧奨に力を入れ始めました。 本人に通知、朝礼等で案内、産業医面談も入れた結果、90%にまで引き上げることができました。 残り10%をなくすために、社長面談を取り入れて100%を目指しています。 
また、他の課題としては、初めてだったこともあり不慣れなことが多く、申請する事自体に苦労いたしました。 
管理部 山崎様
Q.04
具体的な取り組みをお聞かせいただけますか?

(山崎様)
取り組みは様々ありますが、参加費を会社で負担し、3~5人1組のチームで参加するウォーキングプログラム「大府市健康プログラム」に全社をあげて参加し、運動機会の促進をしています。今年で3年目になりますが、初年度は個人優勝・チーム優勝、昨年度は個人優勝、最多人数参加のOne Team賞を受賞し、大府市長より表彰をいただきました。今年度は個人優勝するような突出した方は参加されていませんが、健康第一で全社員一丸となって取り組んでいます。
社内でウォーキング等を1から企画すると難しいところもありますが、地域が健康に気を遣っているため、市の健康行事に会社の取り組みをリンクする形で参加することができています。
社員のみなさんがそういった行事に積極的に参加するのも、社長の声かけや、停滞せずに新しいことを行っていこうとする会社の姿勢があってこそだと思います。

(成戸社長)
大府市の健康増進課から出張セミナーもやっていただいています。
弊社だけですべてを行うのではなく、健康に意識の強い「健康都市おおぶ」だからこそやりやすいと感じています。市とのコミュニケーションも非常に良く、アイディアもいただいています。
最近ではあいち健康の森健康科学総合センターにも声をかけていただき、新しいお付き合いができているため、行政を中心にどんどんコミュニケーションが広がっていると、手ごたえを感じております。

「健康経営」について当初は、大企業がお金をかけてやるものだと思っておりましたが、実際にやってみて、「健康経営」のなんたるかを知ると、今まで弊社がやってきたもの、みんなで考えてきた取り組みに近いものがあり、自分たちのやっている延長線上で、しっかりやっていけばいいのだと思いました。
Q.05
健康経営を通じて“従業員”にどういった変化がございましたか?

(山崎様)
取り組み始めて3年、ようやく健康経営という言葉が浸透していったところです。「大府市健康プログラム」に毎年参加することで健康のための運動習慣だけでなく、皆さんのコミュニケーションに役立っていると感じています。健康セミナー実施後のアンケートを確認すると、一部の人ではありますが積極的に質問や要望を記載いただいており、健康意識の向上につながっていると感じます。

(岩井様)
セミナー受講後の方からは、食事のとり方や栄養の取り方を気にするようになった・歩く習慣がついたという話も聞きます。距離のある場所へ歩いて買い物に行くなど、歩くことに対する抵抗がなくなり、私生活にも変化が起こっているようです。
Q.06
健康経営に取り組んで良かった点について教えてください。

(成戸社長)
社員の皆さんが、普段の会話の中で健康に対するコミュニケーションが当たり前になりつつあることが喜ばしいです。特別なことをやるのではなく、普段の生活の中で、健康を意識した生活ができるようなきっかけづくり・環境づくりができているのではないかと思っています。
社員一人一人の健康が、会社の生産性向上や成果につながっていき、お客様に喜んでいただいたことで、それをまた社員のみなさんに還元していく、そういった良い循環にしていきたいと思います。

(山崎様)
栄養バランス、食事のとり方などいくつかのセミナーを開催したことで、そこから学んだことやウォーキングが毎日の日課となり体重が大きく減少したなどの声を、社員から聞いた時は取り組んで良かったと感じました。
また、採用面談の際にホームページに掲載している健康優良法人のロゴなどを見て、質問があると嬉しく思います。会社が社員の健康について取り組んでいることを説明し、共感を持っていただけております。

(岩井様)
社員のがん早期発見のお手伝いができたことです。余計な配慮かと思いながらも、経営者と事務局が一丸となって再受診のフォローをしてきて本当に良かったと思いました。
また、健康診断の統計を比べたときに、以前に比べて少しずつ良くなっていることも喜ばしく感じます。

Q.07
健康経営の取り組みを通じて出てきた課題などがありましたら教えてください。

(山崎様)
社員一人一人を考えての取り組みですが、社員に“やらされている感”が出てきていることです。“会社が都合いいからやっているのだろう”ではなく、自分の事と捉えてもらえるように進めていきたいと考えています。機械が壊れたときは買い替えれば済むかもしれませんが、人の換えはききませんので、会社にとって社員のみなさんが財産だということをわかっていただき、一人一人がご自身のために意識して取り組んでいただきたいです。

Q.08
今後の計画や想いなどございましたら教えてください。

(成戸社長)
健康につなげるために、1ヵ月や3ヵ月だけの限定されたイベントだけでなく、1年を通してなんらかの取り組みをしながら健康につなげていくことが目標であり、短期的ではなく長期的な部分で充実させていくことが全体を通じた計画です。

(岩井様)
また、具体的に2022年度以降の取り組みとしては 【労働時間の適正化、ワークライフバランス・生活時間の確保】のために残業時間の削減に力を入れる予定です。中小企業といたしましては、仕事量は大手お取引様の影響が受けることが多々あります。しかし、効率よく実施していただき、お一人だけに負担がかからないよう各部門および各自で取り組み、その先に残業時間の減少、プライベートな時間の確保ができることが理想です。

Q.09
これから健康経営を取り組む企業様へアドバイスがあればお聞かせください。

(成戸社長)
実際にやり始めると、案外今まで行ってきた・考えてきたものと合致するものがありますので、まずアクションを起こすことが大切なのではないかと思います。
実務をされている方は、協会けんぽさんや行政が取り組んでいるところはそちらにご相談しながら、地道にやっていくことが、スタートとしては良いのではないかと思います。

(岩井様)
健康経営は何より経営者の思いが大切です。
弊社の事務局が取り組んでいられるのも、社長の達成しようとする使命感と、ご理解・全面的なバックアップがあるからです。他社様で事務局が苦労されている話を伺いますので、是非とも社長自ら音頭取りしていただきたいと思います。

今回は、大変貴重なお話しをお聞かせいただきありがとうございました。
健康経営について成戸社長を中心に大変熱心に取り組まれており、従業員の健康を大切にする想いが伝わってまいりました。
実際に健康診断の再受診率の向上や従業員の健康意識向上など目に見える成果に繋がっており、がんの早期発見にまで繋がっていることは大変驚きでした。
また、それをホームページなどで積極的にPRしたり、表彰を受けることで企業イメージの向上やそれによる販路拡大・採用活動の強化にも結びついており、これからの企業において「健康経営」が大きな意味を持つことを実感することができました。

株式会社三恵シーアンドシー様は弊社がご提供している「おりこうブログ」をご利用いただいております。
ホームページを通じて、健康経営の取り組みを広く効果的に発信いただけるよう、弊社としても引き続き支援してまいります。
株式会社三恵シーアンドシー

所在地:〒474-0011 愛知県大府市横根町茨狭間7-87
事業内容:治具・専用機製作

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