健康経営を実現するには産業医の役割が非常に重要ですが、実際のところ産業医についてよく知らないという方が大半だと思います。
そこであらためて、産業医とはどんな役割の医師なのか、臨床医との違いなどを初心者にもわかりやすく解説します。
産業医のお仕事を理解して、会社の衛生管理や産業保健活動も見直していきましょう。
産業医の業務(職務)内容
まず、産業医の業務(職務)内容を簡単に要約します。
- 労働者の健康診断結果を確認し就業判定を行い、必要に応じて面談を行います。
- 衛生委員会に出席し、労働者の為の健康教育を行います。
- 健康相談・メンタル相談など、労働者との面談を行います。
- 職場巡視を行い、働く環境に健康障害のリスクが無いか確認します。
産業医と臨床医(病院で働く医者)との違い
産業医と臨床医の大きな違いは、「対象」・「目標」・「契約」・「書類」・「則る法律」の5つです。
臨床医の特徴と役割
病院で働く医師(以後臨床医)の対象は病気やけがを抱えた患者です。
臨床医は患者を治療、診断します。そして、その方が普段通りに生活ができる状態にすることを目標に活動します。
また、臨床医は契約上病院に雇われています。そして法律は医師法に則り、患者を治療し、主治医として診断書を提示します。
産業医の特徴と役割
産業医は臨床医とは違います。医師免許を持っていることには変わりないですが、治療や診察は行いません。
対象は会社の従業員になります。健康診断結果の確認や就業判定を行う関係で、ここには病気ではない健康な人も含みます。
そして、臨床医と違い普段通りに生活できる状態が目標ではなく、従業員が就業可能な状態にあることが最終目的となります。
ですので、休職明けには産業医に復職面談を実施して復職の判断や就業上の配慮を検討してもらいましょう。
そして、臨床医と違い普段通りに生活できる状態が目標ではなく、従業員が就業可能な状態にあることが最終目的となります。
ですので、休職明けには産業医に復職面談を実施して復職の判断や就業上の配慮を検討してもらいましょう。
臨床医 | 産業医 | |
対象 | 病気やケガの人 | 会社の従業員の方 (健康な人も含む) |
目標 | 一般生活が送れること | 就業可能な状態にあること |
契約 | 患者との治療契約 | 事業主との業務委託契約 |
立場 | 患者の利益優先 | 従業員と会社の中立 |
書類 | 診断書 | 意見書 |
法律 | 医師法 | 労働安全衛生法 労働基準法 |
よくある勘違い 産業医面談では診断書は出せない
【例:企業のご担当者様からの質問】
「最近メンタル不調のような社員がいるのですが、産業医面談でうつ病と診断して診断書を出してください」
「最近メンタル不調のような社員がいるのですが、産業医面談でうつ病と診断して診断書を出してください」
⇒産業医面談で病気の診断は出ません。
診断書を出せるのは臨床医の主治医だけです。クリニックや病院に行って診断書を出してもらうことは可能ですが、強制的に受診させることはできません。
産業医面談でどうしてメンタル不調になっているのか、解決策を一緒に考えましょう。
産業医面談で"あなたはうつ病です"などと診断されることはありませんので注意が必要です。
産業医の目標は就業可能な状態なのかどうか判断する。
そして復帰する場合にも注意が必要です、主治医から"病気は治りました"と言われてもイコール"就業可能"という意味ではないので注意が必要です。復職には産業医の面談が必須としている事業場も多いです。
いかがでしたでしょうか
企業の担当者様とお話をしていると勘違いしている方も数多くいらっしゃいます。
企業の担当者様とお話をしていると勘違いしている方も数多くいらっしゃいます。
これを機に産業医の職務に関して理解を深めていただけると幸いです。
監修者情報
株式会社メディカルコンチェルト
産業医と企業を結ぶマッチングサービスを事業として展開。従業員をサポートする「オンライン産業医面談」や経営者をサポートする「嘱託産業医」など、多方面から“企業全体の健康”に寄り添うサービスを提供。
公式サイト:https://medical-concerto.com/
産業医と企業を結ぶマッチングサービスを事業として展開。従業員をサポートする「オンライン産業医面談」や経営者をサポートする「嘱託産業医」など、多方面から“企業全体の健康”に寄り添うサービスを提供。
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