- 「健康経営を進めるためにも、感染症予防を企業で行いたい!」
- 「健康経営優良法人認定と感染症予防にはどのような関係があるの?」
このようなお悩みをもつ方のために、今回は「企業でできる感染症予防」について解説していきます。
企業でできる感染症予防にはどのようなものがあるのか、健康経営優良法人認定との関係などについて簡単に説明します。
目次
企業内で感染症予防が必要な理由
企業内で感染症予防が必要な理由はさまざまありますが、大きな理由は「クラスターを発生させないため」と「従業員の心身の健康を保つため」の2つです。それぞれ説明します。
1.クラスターを発生させないため
クラスターとはもともと「集団」などの意味をもつ言葉です。感染症に対して使われる場合は「特定の感染疾患が集まった集団」「小規模な集団感染」といった患者の集団を指します。
企業内でクラスターが発生した場合は、従業員が自宅待機をしなければならない場合があり、出社不可により業務に支障をきたす恐れもあります。社内で感染症が広まり、一定以上の感染者が出るとクラスターが発生したとみなされるのです。
業務に支障が出ると多額の損失が発生する可能性があるため、感染症予防でクラスターの発生を防ぐのは企業にとって重要になります。
2.従業員の心身の健康を保つため
企業内の感染症予防を行うのは、健康経営の大前提である「従業員が心身ともに健康に過ごす」ために大変重要です。
感染症が流行している中で、企業内の感染症予防が十分に整備されていなければ、従業員が安心して働くのは不可能です。
感染症予防を行うことで、従業員の不安が軽減し、心身の健康を保ちながら業務ができるでしょう。
社内で考えられる感染経路
社内で考えられる主な感染経路は「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」の3つです。それぞれ説明します。
1.接触感染
接触感染とは、感染者から排出された細菌やウイルスなどの病原体を含む唾液や体液(汗は除く)、分泌物、排泄物などにより、病原体に汚染されたものに触ることで起こる感染方法です。それらに直接触れても、物を介して触れても起こります。
間接的にとは、たとえば咳やくしゃみを押さえた手で電車のつり革やドアノブなどを触るとそこに病原体が付着します。その後につり革やドアノブを触った第三者の手に病原体が付着することになり、その第三者が病原体に感染する可能性が高まります。
接触感染はその多くが皮膚からではなく、病原体が口や鼻、のど、目の結膜などから体内に侵入することで感染します。
とくにノロウイルスやインフルエンザなどが代表的な例です。
2.飛沫感染
会話や咳、くしゃみをすると、口から細かいしぶきが飛び散ります。この細かいしぶきを飛沫(ひまつ)といいます。
飛沫の中に病気の原因となる細菌やウイルスなどの病原体が含まれていた場合、近くにいた人の気道の粘膜や目の粘膜などから侵入することがあります。このような感染方法を飛沫感染と呼びます。
飛沫は水分を含んでいるため、約5μm以上と重さがあり、口から放出された後、1~2m程度飛んですぐに地面に落ちるので、通常は1~2m以内の至近距離で飛沫を浴びることで感染します。
飛沫感染する感染症には、新型コロナウイルスやインフルエンザ、風しん、おたふくかぜなどが挙げられます。
飛沫の中に病気の原因となる細菌やウイルスなどの病原体が含まれていた場合、近くにいた人の気道の粘膜や目の粘膜などから侵入することがあります。このような感染方法を飛沫感染と呼びます。
飛沫は水分を含んでいるため、約5μm以上と重さがあり、口から放出された後、1~2m程度飛んですぐに地面に落ちるので、通常は1~2m以内の至近距離で飛沫を浴びることで感染します。
飛沫感染する感染症には、新型コロナウイルスやインフルエンザ、風しん、おたふくかぜなどが挙げられます。
3.空気感染
先ほど飛沫について説明をしましたが、飛沫は空気中を飛行している時に含まれている水分が蒸発などによって乾燥し、飛沫核というさらに小さな微粒子となることがあります。微粒子は空気中を長時間浮遊でき、その中に病原体が含まれていた場合、吸入することで気道の粘膜から侵入し感染してしまうのを空気感染といいます。
飛沫には水分が含まれていると説明しましたが、飛沫核は水分を含まないため約5μm以下と小さく軽いため、空気中を漂い広範囲に感染を拡げてしまうのです。
空気感染する感染症は、麻しんウイルス(はしか)、結核菌、水痘ウイルス(水ぼうそう)などが挙げられます。
企業内でできる感染症予防
ここまで感染症について詳しく説明しましたが、企業としてどのような予防ができるのでしょうか。
次は企業内でできる感染症予防の具体例を紹介します。
1.企業内でマスクを配布し、着用を促す
マスクを使用すると、感染者が病原体を拡散するのを抑えるとともに、非感染者が病原体を吸い込むのを防ぎやすくします。
不織布マスクを着用すると、着用しないときと比べ、自分が吐き出す飛沫量を約20%、吸い込む飛沫量を約30%まで抑えられるとされています。
感染症の流行時などの適切なタイミングで、企業からマスクを配布したり、着用を促したりすることで、感染症予防の重要な対策となるでしょう。
2.予防接種の手配や費用補助を行う
従業員がインフルエンザや麻しん、風しんなどの予防接種を受ける時間の確保や費用補助を行うことも立派な感染症予防です。
従業員の中には「忙しくて予防接種を受ける時間がない」「予防接種に費用がかかるため受診したくない」などの理由で予防接種を行っていない人がいる可能性があります。
予防接種を受けるときの就業時間内認定や一部費用の補助などを行い、予防接種の受診率を上げるようにしましょう。
3.感染症に対する教育・セミナーを実施する
感染症に対する教育・セミナーを実施し、従業員のリテラシーを高めるのも大切です。感染経路にはどのようなものがあるのか、自分でできる感染症予防や感染症を拡散させないための対策など、従業員に感染症についての関心や理解を高めるのが重要です。
健康経営優良法人認定における“感染症予防に関する取り組み”の項目について
健康経営優良法人2024の「感染症予防に関する取り組み」では、以下の項目の中から1つ以上を実施することで加点対象になります。
注意事項
◆新型コロナウイルス感染症の対応策で、回答日時点で実施をやめた取り組みは含みません。
- インフルエンザの予防接種を社内で実施している
- インフルエンザの予防接種の費用を補助している(一部負担の場合を含む)
- 麻しん、風しん等の予防接種の社内実施または補助を行っている
- 予防接種を受ける際に就業時間認定や有給の特別休暇付与等の制度的配慮を行っている
(家族が予防接種を受ける際の付き添いを含む)
- 感染症を発症した者(家族が発症した場合を含む)への有給の特別休暇付与による感染拡大予防を行っている
- 健康診断時に麻しん・風しん等の感染症抗体検査を実施している
- 感染拡大時の事業継続計画を策定している
- 海外渡航者に対する予防接種や予防内服等の準備を行っている
- 海外渡航者に対する教育の実施や緊急搬送体制の整備を行っている
- 感染症のワクチンに対する従業員のリテラシーを高めるための教育・研修を行っている
- 事業場において換気設備の整備や換気ルールの導入を行うなど、職場の環境整備を行っている
感染症予防は従業員の健康を守る大切な取り組みです。
新型コロナウイルスが第五類に引き下げられましたが、それでもいまだに他の感染症とともに猛威を振るっています。
企業の感染症予防は、企業だけでなく従業員の健康を守るために重要な取り組みです。
企業と従業員、双方の理解を高め、協力して感染症予防を行っていきましょう。
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