- ⇒自社で簡単に使える助成金を5分で無料診断!「ハラスメントという言葉がよく使われるが、定義がよくわからない…」
- 「ハラスメントにはどのくらい種類があるの?」
- 「会社でハラスメント対策を進めたいが、どうしたらいいのだろう…」
このような疑問やお悩みをお持ちの方のために、今回はハラスメントについて紹介します。
ハラスメントの定義や種類、職場での対策方法などを簡単に説明します。
ハラスメントについて詳しく知りたい方、職場のハラスメント対策を進めたい方はぜひご覧ください。
目次
ハラスメントとは
まずはハラスメントとは何か、その定義について説明します。
ハラスメントの定義
ハラスメントとは、「相手に対して不快な状況を引き起こす言動」を指します。
これは行為者が故意に行ったかどうかは関係なく、被害者が不利益を被り、苦痛だと思えばハラスメントに該当します。
職場におけるハラスメントの定義
職場におけるハラスメントは、その種類によって定義が若干変化しますが、共通している部分は「職場において行われる労働者の意に反する言動により、就業環境が害される」ことです。
ハラスメントを受けて仕事に集中できない、精神的苦痛を受けている、これらは職場におけるハラスメントに該当します。
従業員以外へのハラスメントについて
自社の従業員に留まらず、求職者や取引先に対しての対応がハラスメントに該当してしまう場合もあります。
【具体例】
- 取引先の従業員に対し、自社の従業員が横柄で強気な態度をとっている
- 求職者に対してパワハラ・セクハラ・モラハラを行っている など
これは企業としては気づきにくいハラスメントなので、あらかじめさまざまな対応への取り組みをしておくことが大切です。
反対に、取引先や顧客から自社の従業員がハラスメントを受ける場合もあります。
【具体例】
- 顧客からの度が過ぎたしつこいクレーム
- パワーバランスが優位な元請け企業から無茶な要求を受ける など
これらの対応に関しても、企業は相談窓口を設置するなどの対策が必要です。
ハラスメントの種類
ここまで定義を説明してきましたが、「ハラスメント」と一口に言ってもさまざまなものがあります。
ここからはハラスメントの種類について紹介します。
パワーハラスメント(パワハラ)
パワーハラスメント(パワハラ)とは、厚生労働省によって、以下3つの要素をすべて満たすものとされています。
1.優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
2.業務の適正な範囲を超えて行われること
3.身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
【パワハラの例】
- 相手に対し危害を加えることをほのめかし、怖がらせるような脅迫をする
- 相手の人格を否定したり、侮辱したりする
- 執拗に嫌がらせをする
- わざと他の人の前で叱る
- 暴行・傷害 など
パワハラについて詳細を知りたい方は以下参考ページをご覧ください。
セクシュアルハラスメント(セクハラ)
セクシュアルハラスメント(セクハラ)は、「性的な言葉や行為、または性的な意図を持つ言動によって、他の人に不快な思いをさせたり、嫌がらせをしたりすること」を指します。主に職場や学校、公共の場などで発生しがちです。
また、男女雇用機会均等法では職場におけるセクシュアルハラスメントを以下のように定義しています。
- 職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否したことで解雇、降格、減給などの不利益を受けること(対価型セクシュアルハラスメント)
- 性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に大きな悪影響が生じること(環境型セクシュアルハラスメント)をいいます。
【対価型セクシュアルハラスメントの例】
- 上司が立場を利用し部下に性的な関係を迫ったが、拒否されたため部下に対し不利益な配置転換をした
- 事業主が日頃から、従業員に関係のある性的発言を社内で行っていた。それに抗議した従業員が不当解雇された など
【環境型セクシュアルハラスメントの例】
- 身体的特徴や容姿について、相手を不快にさせる発言をしたことで、従業員の就業意欲が下がる
- 抱きつく、身体に触るなどの不必要な接触のせいで、従業員が職場に行けなくなる
- 交際の有無や結婚、出産などプライベートについての執拗な追及を受け、従業員が不快に感じる など
セクハラに関しては、男女雇用機会均等法第11条により、企業はセクハラ対策を行うことを義務付けられています。
詳しい対策については厚労省からセクシュアルハラスメント対策の資料が出ていますので、下記参考ページをご覧ください。
マタニティハラスメント(マタハラ)/パタニティハラスメント(パタハラ)
マタニティハラスメント(マタハラ)とは、「女性が妊娠や出産を理由に、職場で差別や嫌がらせをすること」です。
マタハラは、女性のキャリア形成に大きな影響を与えるだけでなく、妊娠や出産に対する心理的ストレスを増大させる可能性があります。
【マタハラの例】
- 妊娠や出産による休暇取得を拒否される
- 妊娠中にもかかわらず過酷な業務を強制される
- 妊娠による体調不良を理由に、仕事を必要以上に削減されたり、解雇されたりする など
また、パタニティハラスメント(パタハラ)とは、「父親であることを理由に職場で不利益な取扱いをすること」です。
【パタハラの例】
- 父親が育児休業を取得することを理由に、職場での評価や処遇を下げられる
- 父親が育児にかかわることを理由に、ノルマや業績評価を下げられる など
妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策については、事業主が雇用管理上講ずべき措置が、男女雇用機会均等法及び指針に定められています。詳しくは以下参考ページをご覧ください。
モラルハラスメント(モラハラ)
モラルハラスメント(モラハラ)とは、「人間関係や言動によって倫理や道徳に反した嫌がらせをし、他者の精神的な健康や尊厳を傷つける行為」を指します。モラハラは家庭や職場といった閉鎖的な空間・関係性において、身体的な被害を与える暴力や性的ハラスメントとは異なりますが、被害者に対し深刻なストレスや不安感を引き起こすという特徴があります。
【モラハラの具体例】
- 無視をする
- チームから1人だけ仲間外れにする
- 誹謗中傷する
- プライベートに介入する など
パワハラとモラハラの違いは、パワハラが優位性を背景にしているのに対し、モラハラは力関係の優位性を背景とせず、個人対個人の関係性において精神的な嫌がらせ行為をするという点です。
モラルハラスメントについて詳しく知りたい方は、以下参考ページをご覧ください。
ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)とは、「性別に基づいた差別や偏見、いじめ、暴言、侮辱、セクシャルハラスメントなど」のことです。男性・女性それぞれに対する固定観念から、ジェンハラに該当する言動が生まれ、被害者の自尊心、自己肯定感、自己成就感などを損ないます。
【ジェンハラの具体例】
- 「男のくせに」「女のくせに」「男らしく」「女らしく」等の言葉を用いる
- 女性にばかり電話応対やお茶汲み、掃除等の雑務を命じる
- 「男なら家庭より仕事を優先しろ」「女なら仕事より家事や育児を優先しろ」等と発言する
また、近年ではLGBTQ+などの性的指向に基づいたハラスメントも起きています。
ジェンダーハラスメントについて詳しく知りたい方は、以下参考ページをご覧ください。
アルコールハラスメント(アルハラ)
アルコールハラスメント(アルハラ)とは、「アルコールを飲んだ状態で他人に対して、暴言や暴力などの不適切な行動を取ったり、飲酒を強要したり、飲酒を拒否した人を差別的に扱ったりすること」です。
アルハラは、アルコールの影響により判断力や制御力が低下することで発生しやすく、被害者はトラウマや不安などの心的外傷を引き起こすきっかけになります。
また、アルハラによって社員の退職や精神的な病気に至るケースも報告されており、企業や組織においてはアルコールハラスメントを防止するための対策が求められています。
【アルハラの具体例】
- 飲酒の強要
- 意図的に相手を酔いつぶす
- 本人の体質や意向を無視して飲酒を勧めたり、飲めないことを侮辱したりする
- アルコールの影響を受け、悪ふざけ・暴言・暴力・セクハラなどをする など
アルハラを抑制するには、お酒との正しい付き合い方を学ぶ必要があります。興味のある方は以下参考ページをご覧ください。
テクノロジーハラスメント(テクハラ)
テクノロジーハラスメント(テクハラ)は、ITの知識があまりなく、パソコンやスマホなどのデジタル機器をうまく使いこなせない人に行われるいじめや嫌がらせです。
ITリテラシーの高い人が低い人に対し、侮辱したりわざとPC操作が必要な業務を割り振ったりするなどの行為が該当します。
ITリテラシーの高い人が低い人に対し、侮辱したりわざとPC操作が必要な業務を割り振ったりするなどの行為が該当します。
反対に、ITリテラシーの低い人からITリテラシーの高い人に、PC業務をすべて押しつけるなどといった逆テクハラも存在します。
【テクハラ・逆テクハラの具体例】
- デジタル機器やシステムが使えないことを責める
- 知識がない人にわざと専門的なIT用語を使って話す
- 高度なITスキルが必要な業務をわざと割り振る
- ITに疎い上司が部下にIT関連の仕事を丸投げする
テクノロジーハラスメント(テクハラ)について詳しく知りたい方は、以下参考ページをご覧ください。
カスタマーハラスメント(カスハラ)
カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、「顧客や取引先などからのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容が妥当性を欠いているもの、また当該要求を実現する為の手段・態様が社会通念上不相当であり、それらによって従業員の就業環境が害されるもの」を指します。
【カスハラの具体例】
- 従業員に対して暴力をふるう
- 店舗に来て大声で怒鳴りながらクレームを言う
- 男性顧客が女性従業員にセクハラまがいの言動をする
- 担当者を解雇しろと会社に要求する など
カスハラは厚生労働省から、対策企業マニュアルが発行されており、自社の従業員を守るために策を講じなければなりません。詳細は以下参考ページをご覧ください。
またカスハラについてさらに詳しく知りたい方は、以下参考ページをご覧ください。
ハラスメントによるリスクや防止する重要性
さまざまなハラスメントがあると紹介してきましたが、次はハラスメントによるリスクや防止する重要性について説明します。
ハラスメントによる企業のリスク
企業がハラスメントを放置すると、法的責任を追及されるリスクがあります。ハラスメントの加害者だけでなく、防止措置や発生後の対応を行った会社側にも責任が発生し、被害者から損害賠償を求められるケースもあります。
また、ハラスメント対策を行わない場合、企業の信頼性低下や、退職者の増加による人材流出の加速も懸念事項です。
企業がハラスメント防止をする重要性
ハラスメント問題が浮き彫りになった背景として、企業内での雇用方法の多様化が挙げられます。正社員だけでなく、契約社員や派遣社員、パートなど同一職場で働く人の利害状況に差が生まれるようになりました。このような人間関係のトラブルを防いだり、他人を無意識に傷つけたりしないためにも、ハラスメント防止は非常に重要です。
職場におけるハラスメント対策
最後に職場におけるハラスメント対策について紹介します。
1.事業主の方針の明確化及び周知・啓発
事業主は、職場におけるハラスメントに関する方針の明確化と、従業員に対するその方針の周知を行わなければなりません。
周知・啓発をするにあたっては、ハラスメント発生の原因や背景について、従業員の理解を深めることが重要です。
【具体例】
- 就業規則やその他の服務規律等を定めた文書の中で、職場におけるハラスメントについての方針を規定し、周知・啓発する
- 社内報・パンフレット・社内共有サイトなどに、職場におけるハラスメントの内容や原因・背景並びに禁止する旨の方針を記載し、周知・啓発する
- 職場におけるハラスメントについての研修を、従業員に対し実施し周知する
2.相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
従業員からの相談に対し、その内容や状況に応じ適切かつ柔軟に対応するために、必要な体制を整備しましょう。
【具体例】
- ハラスメントに対する相談窓口を設置し、従業員に周知する
- 相談窓口には担当者(社内もしくは外部機関への委託も可)を設置し、相談内容や状況に応じ適切に対応する
- 実際に起きているハラスメントだけでなく、今後ハラスメントに発展する可能性のある場合でも、広く相談に対応する など
3.職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
ハラスメントに係る相談があった場合、その相談に係る事実関係を迅速かつ正確に確認し、適正に対応する必要があります。
【具体例】
- 相談窓口担当者が、相談者と行為者の両方に事実確認を行う。双方の言い分に食い違いが発生した場合は、第三者からも事実関係を調査する
- 相談者の被害が確認できた場合は、速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行う
- 職場におけるハラスメントが生じた事実が確認できた場合には、加害者に対する措置を適正に行う など
4.相談者・行為者のプライバシー保護
ハラスメント対策を行うにあたり、相談者・行為者のプライバシー保護も重要です。
【具体例】
- 相談者・行為者等のプライバシーの保護のために、相談窓口の担当者に必要な研修を行う
- 相談窓口においては相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じていると、社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に掲載し、配布等する など
5.相談者・協力者に不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発
ハラスメント相談後に相談者やその協力者が不当な取り扱いを受けることがないよう、不利益取り扱いの禁止を明文化しましょう。
【具体例】
- 就業規則やその他の服務規律等を定めた文書の中で、ハラスメントについて相談後に相談者やその協力者が不当な取り扱いを禁止する旨を記載し、周知・啓発する
- ハラスメントに関する相談をしても、不当な取り扱いを受けないことを社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に掲載し、配布等する など
ハラスメント対策は、組織全体で取り組むことが重要
ハラスメント対策は、個人個人がハラスメントの内容を理解し行っていくことも大切ですが、組織全体に周知・啓発していくことも非常に重要です。
企業がしっかりとハラスメント対策をしていると明示し、ハラスメントの予防に努めましょう。
また、ハラスメント対策は健康経営を実現するうえでも役立ちます。健康経営について詳しく知りたい方は、以下参考ページをご覧ください。
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