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厚生労働省が掲げる熱中症対策をわかりやすく解説

厚労省が掲げる令和元年の熱中症対策「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」と具体的対策の「ステップ1・2・3」について解説します。


厚労省「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」とは?

厚生労働省が展開している「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」をご存知ですか? 

このキャンペーンは平成29年から実施されているものの、昨年平成30年の職場における熱中症の発生状況は、死傷者数1,178 人、死亡者数28 人と前年と比較して2倍もの被害を生む結果となってしまったことを受けて、職場における熱中症予防対策の徹底を図ることがより重要視された内容となっています。

暑さ指数などこれまで明確でなかった基準値も設けられ、職場での早期の対策が求められています。その内容について、以下にわかりやすく解説していきます。

厚労省の掲げるクールワークキャンペーン「ステップ1・2・3」

5月から9月の暑熱時期に各職場に求められている具体的対策は下記の通り。

  • STEP1 WBGT*(暑さ指数)の把握・評価
  • STEP2   作業計画に基づき、WBGT 基準値を大幅に超える場合の作業時間の短縮等の対策
  • STEP3   労働者の健康状態の確認

STEP1 WBGT(暑さ指数)の把握・評価

WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)値とは、 気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数です。

作業場所におけるWBGT値が、WBGT基準値を超えるおそれがある場合には、熱中症にかかる可能性が高くなるため、各作業場所でWBGT値を測定し評価・対策を講じるよう求められています。

専用の測定器に基づいた把握が推奨されていますが、測定器が準備できない場合には環境省熱中症予防サイトを参考にするよう示されています。

建設現場においては、さらに建設業労働災害防止協会が現場における熱中症の危険度を簡単に判定できるフロー図を公開しているため、そちらも参考にしていただくと良いと思います。

STEP2 WBGT 基準値を大幅に超える場合の作業時間の短縮等の対策

STEP2で掲げられるのが「暑さ指数を下げるための取組み」の実施です。具体的には下図に示すようなエアコンや休憩場所の設置や服装の軽装化、作業時間の短縮といった職場環境の整備に加え、労働者それぞれの健康状態を確認すべきとされています。

それぞれの職場でできる具体的な措置を考え、作業時間の短縮など、労働者の体調に配慮した作業管理対策を講じましょう。(下図:厚生労働省H30年クールワークキャンペーンリーフレットより抜粋)

STEP3 労働者の健康状態の確認

熱中症対策は個々でも大きく異なるため、事業者は健康診断結果を把握し、それに基づく対応をするよう掲げられています。

熱中症を引き起こすおそれのある疾患としては、糖尿病、高血圧症、心疾患、腎不全、皮膚疾患などが挙げられています。

事業者は健康診断および異常所見者への主治医や産業医などの意見に基づく就業上の措置の徹底が求められます。

労働者が安全に健康に業務できるよう対策することが安全管理者の責務となります。気温差が激しくいきなり夏の暑さになることも多いこの季節、早めに対策を講じて、暑い夏を安全に乗り切りましょう。

監修者情報

株式会社メディカルコンチェルト
産業医と企業を結ぶマッチングサービスを事業として展開。従業員をサポートする「オンライン産業医面談」や経営者をサポートする「嘱託産業医」など、多方面から“企業全体の健康”に寄り添うサービスを提供。
公式サイト:https://medical-concerto.com/
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